「独女通信」は読みごたえある記事が多いよね。あらためて今の日本の家族が抱えている問題点を指摘してくれる。身近にもいるけど、母親と娘の関係って濃密だものね。母と息子の間にはないなれなれしさのようなものがたしかにあるわ。

「結婚」ってのは、単なる男女のカップルの成立ではなく、子供の親からの自立でもあったんだ。だとすると、最近のように結婚しない若者が増えたと言うことは親から自立する契機を失ったと言うことか。逆に言えば、自立できない若者が増えたから結婚が成立しにくくなった。まさに「パラサイトシングル」。

甘やかす親が悪いのか? 自立できない娘が悪いのか?
2009年04月04日14時00分 / 提供:独女通信

先日、当通信の取材で親たちの婚活セミナーにお邪魔をしたが、出席者の大半が息子や娘と同居をしていた。掃除も洗濯も料理も母親がしていると聞いた講師から「明日から家の居心地を悪くして下さい」とのアドバイスがあったが、今や「家の居心地がいいこと」が独女を増やす最大の要因になっているようだ。

「主人は甘やかしすぎだと言いますけど、月々食費はもらっていますし、時々はプレゼントもくれますし」嬉しそうに笑うAさん(53歳)は毎日、娘(会社員・27歳)の食事の支度と洗濯をしている。部屋の掃除は休日に娘がするそうだが、トイレも風呂掃除もA さんの仕事だ。

「結婚したらいやがおうでも家事はやらなければならないし、実は私も娘時代は母親任せで、何もやらなかったんですよ」 Aさんは結婚して初めてご飯を炊いたという。

家事をやるやらないはともかく、娘が家に入れている食費は2万円。「今しか自分のために自由にお金を使える時はありませんからね。お稽古ごとも旅行も今のうちに存分に楽しみなさいと勧めているんです」実に話の分かる母親だが、世間ではAさんのような親を娘に甘い母親というのではないだろうか?母子家庭で育った喜代さん(24歳)は大学2年生の時に、アルバイト先で知り合ったトラックドライバーと結婚をした。きっかけは妊娠だった。高校教師の母親は激怒し、出産にも結婚にも反対したが、子供の頃から自分の家族が早く欲しかった喜代さんに結婚へのためらいはなかった。

出産で大学は中退。彼の実家で同居をしていたが、彼の親とうまくいかず別居。アパートを借り、子供を保育園に預け、アルバイトをしながら子育てをしているが、「私は彼がいるから恵まれているけど、母は一人でよく私を育ててくれたな」と、母親になって初めて母の苦労が分かったそうだ。最初は結婚に反対していた母親だが、最近では孫へのおみやげ持参で、たびたびアパートを訪ねてくるそうだ。

娘にとって母親は一番身近な女性だ。良きにつけ悪しきにつけ、娘たちは必ず母親の影響は受けている。両親が離婚していれば、自分はそんな結婚はしたくないと思うだろうし、気負いすぎてうまくいかない場合もある。子供の頃から仲のいい両親をみていれば、自分もそんな結婚がしたいと、相手に理想を追い求めてうまくいかなくなる場合もある。 結婚をしないという選択も、母親の影響は受けているかもしれない。

しかしどんな影響を受けていても、大人になったら、親離れはしなければならないのではないだろうか?かつて日本では娘が年頃になると嫁に行けとせっつかれ、結婚式の当日には三つ指をついて今まで育ててもらった礼を言う風習があった。家庭を持ち、経済的にも精神的にも自立することが結婚であり、大人になることだった。

今や時代が変わり、家庭を持たない女性が増えた。手を差し伸べてくれる親の手を握ることも親孝行かもしれない。けれど娘たちは一体、いくつまで親に頼ってもいいのだろうか? 確か成人式は大人になるための儀式だったはずなのだが。

甘やかす親が悪いのか? それとも自立できない娘が悪いのか? 一向に答えがでないのは、家庭にはそれぞれの事情があり、幸せの価値観も違うからだ。しかし「居心地がいい実家が独女を増殖させる」これだけは間違いなさそうだ。 (オフィスエムツー/佐枝せつこ)