府庁舎移転問題で明らかになったけど、大阪市側の事情も深刻なんだろうね。赤字垂れ流しのWTCビルに、今回のリーマンショックで生活保護申請が急増。若者ホームレスが増えるのもわかるような気がする。大阪経済の地盤沈下の要因はどこにあるのかな。

リーマンショックで若者ホームレスも増加-大阪・西成を金融危機直撃

4月9日(ブルームバーグ):

リーマンショックに端を発した世界同時不況が日本の貧困層の生活を襲っている。国内最多のホームレスを抱える大阪・西成のあいりん地区(通称・釜ヶ崎)。「派遣切り」の末流れ着く若者も目立つが、低賃金の日雇い仕事さえ激減しているのが現実だ。仕事にありつけなければ、一夜にして飢えと寒さに苦しむ路上生活に転落する危険が待ち受けている。

「気がつけばホームレスになっていた感じ」。三木敏行さん(40)は昨年9月、派遣の仕事と住む場所を失った。西成で日雇い労働者向けの1泊800円程度の宿を拠点に仕事を探したが見つからず、数万円の貯金は1カ月半で底をついた。

三木さんは高卒後さまざまな仕事を渡り歩いたが、これまでは職を失ってもすぐに次が見つかり、食べていくのには困らなかった。「派遣なので景気が落ち込めば切られることもあると覚悟していたが、これほど仕事が見つからない事態は正直想定していなかった」と漏らす。独身で、幼いころに父親を失った三木さんは母親とも離れて暮らしている。

正社員の求人倍率200倍も

三木さんのケースは、今回の不況で失業した労働者がホームレスに転落する典型的なパターンだ。大阪キャリアアップハローワークセンター」(大阪市中央区)の大谷英理子室長は、「貯金、雇用保険、支えてくれる家族。このうちどれも持たない人は失職してすぐホームレスになる可能性が高い」と分析する。

同センターでは住宅もあっせんしており、三木さんのようにリストラで居場所を失った人の利用が増えている。静岡県の工場を解雇されて寮にいられなくなり、歩いてたどりついた男性もいたという。大谷さんは「大阪なら仕事が見つかるのではと期待して来るようだ」と話す。

その大阪でも雇用情勢は悪化する一方だ。昨年10-12月期の日本の国内総生産(GDP)は前期比年率12.1%減と戦後2番目のマイナス率となり、製造業を中心にリストラが進んでいる。同センターでも条件の良い正社員の求人倍率は100-200倍に上るという。「正社員どころか今は派遣の仕事も少なくなっている。住む場所もない人がまともな職に就くことは難しい」と大谷さんはため息をつく。

ホームレスの街に若者の姿

厚生労働省の1月の調査によると、大阪府に住むホームレスの数は 4302人で全国最多。うち約3分の1があいりん地区周辺を生活の拠点にしていると西成労働福祉センターはみている。昨年6月には一部の労働者が「仲間が不当な扱いを受けた」と地元警察署を取り囲む暴動騒ぎがあり、地区内には殺伐とした空気が漂う。

労働者と職業あっせん業者を仲介している同センターの宇田綾生紹介課長によると、この街に最近20-30歳代の若い人の姿が増えている。「派遣切りなどで失業した人たちで20-30人はいる」。しかし、ここでも仕事はほとんどない。同センターが仲介した1月の日雇い求人数は前年同月比25パーセント減。公共工事が減るなか、雇用を下支えしてきたマンション開発など民間事業が落ち込んでいるためだ。

「30年以上ここで働いているが、これほど急激な落ち込みは初めて。今は若くても技能を持った人でないと仕事はもらえない。年度末以降、失業者はさらに増えて競争は激化するだろう」と宇田さんは話す。

空き缶相場も暴落

同地区にはジュースなどの空き缶を集め、業者に売って生活する「拾い屋」と呼ばれる人たちもいる。その1人の元尾登さん(60)によると、アルミニウムの国際価格が高騰した昨年夏はキロ当たりの買い取り価格は160-170円で、月に4万-5万円稼ぐことができたため、多くのホームレスが参入してきた。

しかし、アルミ価格は昨年6月をピークに急落し、その後も低迷。買い取り価格も今ではキロ50円ほどに暴落。最近姿を見なくなった同業者も多いという。

元尾さんは言う。「今では1カ月どんなに働いても2万円も稼げない。わしは別収入があるが、そうでないと食べていけんやろう。行方不明になったとか死んだとか、消えた同業者の噂はいろいろ聞くが、詳しいことは誰にもわからんねや」

セーフティーネット機能せず

大阪市では、生活活困窮者を一時保護するセーフティーネット施設が利用者の急増でパンク状態となっている。失業者が無料で滞在して就職活動に専念できる「自立支援センター」の入居は1カ月待ち。順番が回ってくるまでは野宿せざるを得ない。

一方、生きるための最後の砦(とりで)である生活保護申請は急増。大阪市では昨年12月は前年同月比30%、1月も同54%の大幅増だった。市の09年度予算案で生活保護費は国の負担も合わせて2443億円。税収(6409億円)の4割近い金額が貧困層の救済に使われている計算だ。

生活保護担当課の岸弥課長代理は「今の申請状況では予算案を大幅にオーバーするのは確実で、補正予算を組んで対応することになるだろう。生活保護費は一度増えると減りにくい特徴があり、5兆円の負債を抱える市の財政にとって大きな負担になる」と話している。