なんと、北日本には公立の「男子校」「女子校」が10県に66校も残っているという。面白いね。どんな雰囲気なんだろう。生徒達は満足してるのかな。

ここにきて「男女共同参画社会」の理念に反すると、共学化の波を避けられない様子。でも、各都道府県に一つや二つずつあってもいいと思うけどね。どうしても異性がいやという生徒がいるもの。需要はあるような気がする。問題になってる東北地方の男子校、女子校だって、生徒達に人気があったからここまで持ちこたえたんじゃないのかな。共学イコール共同参画社会とは思わない。

新教育の森:関東以北に残る男女別学公立高 少子化でようやく共学化の波

宮城県は10年度までに県立高校を一律共学化する。東北地方や北関東には男女別学の公立高校が今も数多く残る。「男女平等」の時代になぜ? 背景を探った。【青木純、比嘉洋、鈴木一也、井上俊樹】
◇宮城県、10年度までに県立は共学に

校舎のあちこちに、来年4月からの新校名「仙台三桜(さんおう)」を知らせるポスターが張られている。共学化まで1年を切った、仙台市の宮城第三女子高校。ポスターを作製した生徒会副会長の佐藤優さん(3年)も「みんな実感がわいてきたと思う。新しい制服のデザインも全校生徒にアンケートしています」と期待をにじませる。

◆平等理念と維持困難

男女別の高校が数多く残っていた宮城県で、共学化の議論が本格化したのは99年のことだ。当時の浅野史郎知事が9月県議会で「男女共同参画社会推進のため、県立高はすべて共学化すべきだ」と答弁。これを受けて、県教育委員会は01年、「公立校で性差による入学制限は望ましくない」などとして、当時22校あった県立の別学校を10年度までに順次共学校にする方針を示した。

共学化には「男女平等」という表の理念とは別に、少子化で別学の維持そのものが難しくなってきたという、切実な理由がある。89年に約3万5000人いた県内の中学卒業者数は、09年に約2万2000人まで減少。県教委は仙台市以外の地域については「男子校と女子校の両方で従来の生徒数を確保するのは困難になりつつある」と説明。都市部の男子校、女子校は単独で共学化し、生徒減少の激しい地域では男女2校を一つにする統廃合の手法で共学化を進めてきた。この結果、一連の共学化の過程で計5校減ることになる。

◆くすぶる不満

当然、共学化には反対の声もある。とりわけ、長い歴史がある学校ほど「男子校」「女子校」という“伝統”が失われることへの抵抗が強く、戦前の旧制中学をルーツに持つ仙台二高(男子校)が共学になる際には、在校生、保護者、OBを巻き込んだ大規模な反対運動が起き、実施が当初予定の06年度から1年遅れた。

さらに、残り8校となった昨年末から今年初めにかけて、計画凍結を求める運動が再燃した。その一つの宮城三女高の在校生からは「男子が苦手で女子高を選んだという子もいる」といった不安や、女子生徒の減少で茶道や合唱などの部活動が衰退するという声も上がった。共学化を来春に控えた仙台一高(男子校)の浅見紀夫・同窓会長(64)は「異性の目を気にせず伸び伸び学ぶことで、豊かな人間性をはぐくめるのが別学の良さ。共学化は先生の教え方も変えてしまい、男女それぞれに適した教育ができなくなる」と主張する。

今月9日、プロ野球・楽天の本拠地、クリネックススタジアム宮城(仙台市)で、仙台二高と仙台一高の野球部の定期戦が行われた。ライバル同士の伝統の一戦。共学化されて3年目を迎えた仙台二高には、今春全学年に女子がそろい、応援席には同高史上初の女子応援団員が登場、男女が肩を組み合って応援する光景も見られた。

それだけに、同じ球場の外野スタンドに掲げられた横断幕は異様だった。「共学大反対」「共学粉砕!」。仙台一高側の生徒らが設置したものだ。県教委が2月、予定通り共学化を進める方針を改めて示したことで、凍結の可能性はなくなった。だが、依然不満はくすぶったままだ。

もっとも、既に共学化された学校の生徒たちはいたって冷静だ。仙台二高で初の女子生徒会長となった越前光さん(3年)は「中学も共学だったので、男子を変に意識することはない」とさらりと言う。男子校での勤務が長かった教員の中には「女子の服装の許容範囲を決めにくい」「男子と同じように怒鳴りつけられない」といった戸惑いの声もあるが、大きなトラブルはない。「(共学は)良いプレッシャー。男子校だったころのストイックな雰囲気も受け継いでいきたい」と越前さんは力を込めた。
◇戦後の学制改革、西日本より緩やかだった
◇伝統校の多くが存続/残るは10県66校/栃木、秋田でも再編進む

毎日新聞が全国の都道府県教育委員会に問い合わせたところ、現在、男女別学の公立高校(県立・市町村立)は10県に計66校(男子23校、女子43校)残っている=表参照。さらに、共学化したものの実際には男子、女子のどちらかしか入学していないなどの理由で事実上の別学となっている高校が岩手、山形、茨城、熊本の4県に計7校あるほか、東京都内に国立の男子校と女子校が1校ずつある。

文部科学省の学校基本調査によると、男女別学の国公立高校は1955年度に319校あり、全体の13・3%を占めた=グラフ参照。その後の高校進学率の上昇と人口増に伴う新設校の大半が共学だったため、別学比率は相対的に低下。さらに国連の女子差別撤廃条約批准(85年)▽高校家庭科の男女必修化(94年)▽男女共同参画社会基本法成立(99年)--など、80年代以降の性差を巡る意識の変化の中で共学化が相次いだ。近年は少子化による統廃合もあり、08年度には70年代の5分の1の79校(事実上の別学を含む)、比率は2・1%にまで減った。

また、少子化による生徒減に危機感を強める私立高校でも、生き残りをかけて共学化する動きが加速しており、別学校は85年度の790校から08年度は432校にまで減少している。

別学の県立高校が今も多く残っているのは、宮城県など関東以北の県だ。戦後高校教育に詳しい聖学院大学の小川洋教授(教育学)によると、戦後の学制改革でGHQ(連合国軍総司令部)が共学化を進めた際、この地域の教育担当者は西日本ほど厳格でなかったという。このため、戦前の旧制中学や高等女学校の流れをくむ伝統校の多くが別学のまま残り、その後の全国的な共学化の流れの中でも、「伝統」が足かせとなって変化を阻んできた。

しかし、県立高校の4分の1(23校)を別学が占めた福島県が94年度から10年かけて完全共学化を果たすなど、これらの地域にも変化の波は押し寄せている。栃木県は04年度末に18校あった別学を10年間で11校に削減する再編の最中で、秋田県も13年度までに女子校が現在の4校から2校に減る。小川教授は「男子校の理系教育を強化することはあっても、女子校ではほとんど聞かない。優秀な女子生徒が理系教育を受ける機会が少ないのは社会にとってもマイナス」と別学によるデメリットの具体例を述べ、「教育の機会均等原則から言っても、少なくとも公立高校は共学にすべきだ」と話している。

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