もしネットがなければ、お金に困ったり、家出して寝る場所に困った子供たちはどうしていただろう。友達を頼ったり、親戚を頼ったりしていただろうか。おそらくそうしていないと思う。
追い詰められた子供たちはなぜネットに救いを求めるのか。それは彼女たちが頼るべき人間関係を持たないからではないだろうか。
子供の「不幸」の状況はさまざまであろうが、気軽に助けを求める手段がネット以外にないところに「不幸」の深刻さがあるような気がしてならない。
石川県議会は「子供にケータイ持たせない」条例を可決した。だが家出サイト、自殺サイト、援交サイトの氾濫に子供たちを取り巻く人間関係の酷薄さが垣間見えるのだが。
「泊め男」探し歩く少女たち 氾濫、家出サイト
2009年6月24日 朝刊名古屋市の会社員ら男3人が家出した中学生を互いに引き渡し、わいせつな行為をしたとして愛知県警に逮捕された事件で、少女との出会いにも引き渡しにも、インターネットの「家出サイト」が利用されていた。ネットに詳しい専門家はこうしたサイトがネット上に氾濫(はんらん)、中には出会い系サイトが形を変えたものもある現状を指摘、警察も犯罪に巻き込まれる危険性に警鐘を鳴らす。
■メッセージ続々
「マジで行く所ないよー。ほんと誰か助けてください」「もうお金も行き場もありません。泊めてくれる優しい神待ち中です!」
家出サイトの掲示板をのぞくと、家出先を求める少女らの写真やメッセージが並ぶ。
住まいや食事を提供してくれる相手を「泊め男」「神様」と表現。「ゆか」「みき」など自分の通称名や年齢、今いる地域などが書かれる。「2日食べてません」「今日会える人」など切羽詰まったようなメッセージや、「多少の事は覚悟してます」の文言も。サイトの中には、地域別や「癒やし系」など好み別に検索できるものまであった。
■出会いの隠れみの
「実録・闇サイト事件簿」などの著書があるジャーナリスト渋井哲也さんによると、家出掲示板は10年以上前からあったが、「出会い系サイトの規制が強化されたことで、ここ数年、出会い系の業者が家出掲示板を隠れみのにするケースが少なくない」と指摘する。
友達の家だとすぐにわかってしまうし、外にいると補導される。ネットカフェもお金がかかる。「少女の方も、泊めてもらえるから多少のことは仕方ないという意識がある」
また、フリーライター今一生(こんいっしょう)さんは「30~40代の独身男性が増える傾向にあり、家出した少女を泊める受け皿になりやすい」と分析。「少女の側も次々と『泊め男』を探して渡り歩く」とも。
愛知県警少年課では「家出サイトの実態はまだまだ分からないが、少女が利用する場合は住まいの提供などといった代償として性犯罪に遭う恐れがある。異性との交際を求める利用者もおり、相手が見えない以上、命にかかわる危険性も」と強調した。