この記事を読んで「横恋慕」という言葉を思い出した。手の届かないところにいる人への恋心はいっそう募る。彼を突き動かした衝動はわれわれの想像をはるかに越えていた。

この殺人犯の少年はこれまで女性との付き合いの経験が少なかったのではないかな。女子生徒の何気ない一言がひょっとしたら少年の心を燃え上がらせてしまったのかもしれない。

ここまではどこにでも転がっている話だけれど、殺人という結果になってしまったことが悲しいね。

【衝撃事件の核心】女子生徒めぐり2人の男子生徒に何があったのか 大阪・富田林の高1殺害
2009.6.20 08:00

大阪府富田林市新堂の石川河川敷で、私立高校1年、大久保光貴さん(15)=同府河内長野市南花台=が殺害された事件。知人の女子高生を巡るトラブルが原因とみられ、逮捕された公立高校3年の少年(18)は「女子高生を困らせる大久保さんが許せなかった。助けてやるためには大久保さんをこの世から消すしかないと考えた」と供述している。事件2日前に初めて会ったばかりの大久保さんの頭を、凶器のバットが折れるほど集中的に殴り付けた強い殺意がなぜ芽生えたのか。関係者は首をかしげるばかりだ。

不意打ち

「頭を狙ったのは急所だから」

富田林署捜査本部が殺人と死体遺棄容疑で逮捕した少年は調べに対して、こう供述した。大久保さんを確実に殺害することを狙っていたことをうかがわせる。

少年は11日に大久保さんに携帯電話のメールで「相談を受けている女子高生のことで話をしよう」と呼び出した。午後7時半に富田林市の近鉄長野線富田林西口駅前で待ち合わせし、少年の自転車に2人乗りして現場に向かった。

「心理テストをしよう」。少年の言葉巧みな誘いに乗って大久保さんは目を閉じた。少年はかばんに隠していた木づちを取り出し、座っていた大久保さんの頭部を殴打した。ぐったりした大久保さんをコンクリート製護岸から川にけり落としたところ、大久保さんは意識があり起き上がろうとしたという。少年はこのときのことを「怖くなったので、さらに殴った」と供述。木製バットが2つに折れるほどの殴り方だったようだ。

護岸から約1メートル川に入った浅瀬で見つかった大久保さんの遺体の頭部は数カ所が陥没骨折していた。死因は脳挫傷。腕などには抵抗した際にできる傷がなく、一方的に殴られたとみられる。ある捜査員は「完全な不意打ち。自分が殺されるとは思いもよらなかっただろう」と話した。

バットに焦げた跡

少年は犯行当日の夕方に制服姿のまま、富田林市内のホームセンターで木づちとライターを購入した。木製バットはあらかじめ現場の河川敷の草むらに隠していた。ライターを買った理由については「返り血を浴びた衣服を焼こうとした。木製の凶器を使ったのは焼くためだった」と供述。証拠隠滅を図ろうとする周到さがうかがえた。

しかし、ライターだけでは火力が足りず、凶器を焼却することはできなかった。バットには焦げた跡があったが、血をウエットティッシュでふき取ってその場に捨てたという。木づちは血が付いたシャツと一緒に自宅近くポリ袋に入った状態で見つかった。シャツに焼いた跡はなかったという。

また、少年は大久保さんの携帯電話2台を持ち去っていた。メールの一部を消去し、証拠隠滅を図ったとみられるが、捜査員は「大久保さんと彼女とのやりとりを見たかったのではないか」と推測する。

交際断られる

少年は中学卒業時のアルバムであどけない笑顔を見せていた。バレーボールを抱え、髪を立てたさわやかなスポーツマンという印象。少年が抱いた強い殺意に驚く同級生たちは少なくない。

少年と同じ高校に通う男子生徒(18)は「けんかというけんかをしたことがなかった」。小学校時代からの友人の男子生徒(17)は「普通の子だった。不良グループと付き合うこともなかったはず」と首をかしげた。

少年は大久保さんの交際していた女子高生と4月に知り合った。少年は「女子高生から大久保さんのことで相談を受けるうちに好きになった」と供述。少年は5月に交際を申し込んだが断られていた。

少年と同級生の男子生徒(18)は「約1カ月前に告白して振られたけれど、しつこくつきまとったために、大久保さんから『いい加減にしろ』と怒られていた」と話す。

少年は女子高生から「もうかかわらないでほしい」とメールを受けたが、事件2日前、逆に少年が大久保さんに「彼女を束縛するな」と抗議。少年と大久保さんはこのとき初めて顔を合わせた。初対面の相手を殺害してしまうほどの憎悪とは何だったのか。捜査本部は少年の心の闇の解明を急いでいる。