教師と生徒の壁を薄くしているツールの一つは「メール」だ。A美さんが言うには、教師と生徒がメールをすることは珍しいことではなく、他の生徒も連絡や相談のため教師とメールアドレスを交換することが多いという。A美さんと先生の交際のきっかけも「メール」だった。
A美さんの“彼”は、30代だけどそうは見えず、女子生徒から「かっこいい」と評判なんだそうだ。今年になって、A美さんは半ばダメ元で教師にラブレターならぬ“ラブメール”を送った。
「その日の夜に返信が来て、『誰にも言えない仲になるけどそれでいいのか』って。もちろん即OKしました。ほかにも何人かった子がいるけど、全部断ったみたい。私のことが『最初から好きだった』って言ってた。前は同級生と付き合ってたけど、先生のほうが大人だし、『好き』とか『かわいい』っていっぱい言ってくれるからうれしい。何より二人だけの秘密っていうのがドキドキして楽しいの」
放課後に校内でキスをしたり、隙を見て授業中に手を触れ合ったりするのが、
「胸がキュ~ッとして息ができなくなるくらい素敵な瞬間」
だという。
中学生同士の“情事”にも「メール」が必要不可欠だ。
岐阜県の公立中学に通うB子さん(15)はこう話す。
「彼氏がお願いするから、1日1回は学校でエッチしてます。基本は朝。前夜に『明日の朝どうする?』とメールで聞いて、『やる』と返ってきたら、早朝に学校に行って、教室のベランダでエッチするんです。授業中にメールが来て『今日の放課後やろやー』と誘われることもあります」
そしてB子さんは言う。
「エッチは好き度の証し。彼も私が好きだから、何度もエッチしたいんやろね」
同じく、「ラブラブだから」という理由で、毎日デリヘル嬢並みの“仕事”をこなしているのは、都内の私立中学校に通うC子さん(14)。
「同じ学校に彼氏がいるんだけど~、授業終了のチャイムで勃起しちゃうらしくって、どうしても我慢できないときは授業の間の休憩時間にトイレでぬいてあげるんですよぉ~」
C子さんはパンツが見えそう、というより見えるほどスカート丈が短い。茶髪にギャルメークがいかにもイマドキの中学生という感じだ。そんなC子さんが言うには、彼への“奉仕”についてイヤだと思ったことはなく、むしろ進んで自分からトイレに誘うそうだ。
「最初は私から授業中に、『トイレでしてあげるよ~』ってメールしたんです。好きだから役に立ちたいし、浮気防止のためにやってます」
中学生がこんなことするなんて世も末だ、とお嘆きになる読者もいるだろう。特別な子たちの話だと思うかもしれない。
確かに、中学生の性交経験者数は長らく変化していないという調査結果はある。1974年から全国の中学生、高校生、大学生らを対象に性に関するアンケートを行っている財団法人・日本性教育協会の金子成男事務局次長はこう話す。
「これまでの調査を比較してみると、女子の経験者率は高校生では上昇傾向にある一方で、中学生に変化は見られません」
ほぼ6年に1度の調査だが、前々回(99年)、前回(2005年)と、
「女子中学生の経験者率は3~4%を維持しています。一般的に、小中学校では妊娠の仕組みは教えますが、性行為までは教えません」(金子事務局次長)
けれど、B子さんは、
「同級生の4分の1ぐらいはセックスしてると思う」
と言う。
調査の05年と今では違う状況にあるのかもしれない。
携帯電話は中学生に急速に普及し、今や中学生の2人に1人は持っていると言われている。これまで登場した女子中学生たちは皆、携帯で彼氏とメールを重ねていくうちに、内容が過激になっていったと話した。
携帯電話といえば、C子さんと同じクラスのD恵さんはこう呆れていた。
「今クラスで、携帯のメール着信音をモスキート音にするのが流行ってて、みんな彼氏とずっとメールしてるから授業中もそこらじゅうでキーキー鳴ってて、マジ授業に集中できない」
モスキート音とは、蚊が飛んでいるような不快な高音で、「若者にしか聞こえない」と言われる高周波の音だ。たいていの先生には聞こえないため、その音を携帯にダウンロードし、授業中に堂々と鳴らす遊びが流行っているのだという。
前出の金子事務局次長はこう分析する。
「アンケート調査によると、中学生では特に女子のほうが携帯電話の所有率が高い傾向にあります。携帯電話で問題視されている出会い系や、彼氏や好きな人と誰にも邪魔されずにコミュニケーションが取れる状況があり、親密度はすぐに高まっていく。携帯電話が女性の性行動を活発化させている一つの要因だと説く学者もいます」
携帯を使ったこんな“裏ビジネス”もある。
都内でも校則が厳しいことで知られる超名門女子中学校のE里さん(13)は信じられない告白をしてくれた。
「私、自分のパンツを売ってお金を稼いでます。相場は1日ばきは5千円で、2日だと7千円。1週間はいたのは1万円で売れます。基本的に手渡し。郵送だと値段が落ち、生脱ぎとかおさわりなどのオプションを付けると値段が上がります。男の子でも、なぜかギャル男だと同じ値段で売れるそうですよ。でも女の子は、ギャル系はあまりウケがよくない。私みたいな見た目が普通の子がいいんです」
セックスした経験はまだない、というE里さんは、よく言えば純潔そうな、悪く言えば地味な印象を与える女の子だ。そんな見た目とは裏腹にビジネスの方法を淡々と話すE里さん。
「携帯でネットの掲示板に『若い子のパンツ売ります』とか『JC(女子中学生)です。パンツあります』と書き込むと、買いたい人からメールが来るんです。後は場所と日を決めて、直接会って渡します。場所はアキバの商業ビルの階段とか屋上が多い。そこで同じようにパンツを売ってる友達に会うときも多々あります。体も汚さないし処女でやってる人は多い。でも中には、『ばらされたくなかったらやらせろ』って後から脅迫されて、警察に相談に行った子もいました」
試しにインターネットで「若い パンツ」「JC パンツ」などと入れて検索すると、
〈今日の明るいうちに秋葉原でパンツ売ります。JCふたりです。一枚1600円です〉
〈関東圏でパンツを買ってくれる人探してます。JCです。お金に困ってるので早めに連絡下さい〉
出るわ出るわ。取引場所も北海道から九州まで、全国各地の女子中学生が“出店”しているようだ。
ある日、E里さんが「売りに行く」というので、同行させてもらった。場所は横浜市内のショッピング街。日曜日だというのに、友人と制服を着て現れたE里さん。理由を聞くと、「このほうがウケがいいから」
と言う。母親には「友達と塾の見学に行く」と言って出てきたらしい。今日の“商品”はパンツ4枚。近所のスーパーで通常3枚千円が4枚千円のセール品だったという。
「売る用のパンツは自分で買い、はいてはためておくんです。実は3枚は1日ばきだけど、1枚は朝慌てて5分はいただけ(笑い)。これは相手に内緒ですよ」
買値は1枚5千円の計2万円。そのお金は今日中に流行のバッグに変える予定だという。ところが、待てど暮らせど相手が来ない。結局、30分ほど待ったところで、「今日は来ない」と諦めた。
「3回に1回の割合でこんなときがあるんです。冷やかしか当日になって怖じ気づいたんだと思います。あ~あ、使えね~!」
E里さんの悪態を初めて聞いて驚いた。それほど普段は丁寧に話す上品なお嬢さんという印象が強いのだ。
取材をして気づいたのは、皆、とてもあけすけに性を語るが、自分を「普通」だと思っていることだ。
その理由を前出のC子さんに問うと、こう話した。
「ブログやプロフにはもっとすごいこと書いてる人がいっぱいいる。だから私は普通なの」
家庭にインターネットが普及し始めたころから、彼女たちの「同級生」は学校だけではなく全世界に広がった。そこには、自分の性を赤裸々に公開するブロガーや自称「小学生」の性交経験者までいる。
学校で性行為まで教わらなくても、インターネットは何でも教えてくれる。そんな世界に生きる彼女たちが、セックスを「普通」に経験するのは、無理もないことかもしれない。 本誌・小宮山明希
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