ケータイネット世代のきもち
1 PC世代が知らない、若者とケータイの密な関係
2008/05/01
高橋暁子
ケータイのことも、ケータイ世代のこともわからない。オトナ世代からタメ息と共にそんな声が聞かれる。「なぜわざわざインターネットをケータイで……」「なぜ文字を打ちづらいケータイで……」。一見、ケータイに依存しているようにも見える若者世代は、普段どんなコンテンツをどんなふうに使っているのか。どんなコミュニケーションの取り方をしているのか。サービス事業者や利用者の声を交えながら、いまどきの”ケータイでネットをするのは当たり前”な若者たちのケータイ事情に迫っていきたい。
PC世代とケータイネット世代の違いとは
読者の皆さんは、ケータイのどんな機能を使っているだろうか。通話、メール、電車の乗り換え検索、SNSの閲覧や日記の更新、ワンセグ、ゲーム……。せいぜいこのくらいではないだろうか。ある限定的な処理をこなす道具としてケータイを使っている印象だ。しかし、同じ質問に対し、10代の若者たちはまったく違う回答を寄せる。プロフにブログ、ホームページの更新・閲覧、ケータイSNSでのコミュニケーション、ワンセグ、ゲーム、音楽、小説、漫画の閲覧……。ケータイの利用範囲が実に広い。とくにケータイネット用コンテンツの利用率が高い。パソコンはあまり使わず、多くの行動がケータイ内で収まっている。このあたりはオトナ世代とはまったく異なる点といえるだろう。
NTTドコモが「iモード」を開始したのは1999年。以来、すでに10年近い月日が経過したことになる。本連載でケータイネット世代と呼ぶ10 代~20代前半の世代が物心つく頃、彼らの目の前にはケータイで手軽にインターネットを楽しめる環境が用意されていた。20代後半~30代以降のPC世代が、OSのネットワーク設定やモデムの設定などに苦労しながら”インターネット接続に成功”したのと違い、いまどきの若者たちはありえないくらい軽やかにケータイを通じてインターネット世界に入ってきている。そして今、ケータイネットには彼らを魅了するコンテンツが溢れている。それは、ケータイネットを路線検索程度の実務的な用途にとどめるPC世代にはわからない世界かもしれない。
大まかに言ってしまえば、パソコンからインターネットに触れた世代と、ケータイからインターネットに触れた世代とでは、ケータイへの接し方も、それを通じて垣間見る世界の魅力も異なる、ということになるようだ。
もちろんメディアとしての愛着度も違うといえるだろう。資金力の問題で自分専用のパソコンやテレビを持てない若者世代にとって、ケータイは唯一の自分専用メディアとなる。資金を持ち、パソコンもケータイも併用できるPC世代より、メディアとしての重要性は格段に高い。若者世代にとって、インターネット利用やコミュニケーションの中心がケータイになるのは当然のことなのだ。
通話は5分でも長電話、ケータイ機能を使いこなす10代
若者がケータイを多用する背景には、「パケ・ホーダイ」(NTTドコモ)などのパケット定額制の普及があることは間違いない。「モバイル社会白書 2007」(NTT出版)によると、携帯電話のパケット定額割引利用者割合は、携帯ユーザーの33.4%だが、19歳以下だと57.8%にも上る。ユーザー全体と高校生ユーザーとで機能別の利用率を比べた結果、インターネット機能(iモードやEZwebなど)の利用率は全体で65%に対し、高校生は 77.8%と大幅に上回っている。着うた・音楽ダウンロード機能は全体が57.5%に対して高校生が68.8%、以下同様にゲームが41.2%に対して 49.5%、本や漫画を読む機能で8.8%に対して12.4%と、それぞれ高校生の利用率はすべての機能やコンテンツの利用において全体を上回っているというのだ。
2006年にNTTドコモが若者に”長電話の定義”を調査したところ、なんと「5分」という回答がもっとも多かったという。パケット定額制の普及で、「パケット通信=使い放題(安い)」「音声通話=有料(高い)」という認識が浸透しているためだろう。当然、ネットワークを介した間接的なコミュニケーションが中心になっていくわけだが、その過程で、彼らの間には「30分ルール」というものが誕生している。”30分以内にメールを返信しないと相手を嫌っていることになる”というものだ(3分ルールという話も聞く)。「メールはいつ読んでも、いつ返信してもいいもの」として捉えている大人世代と若者世代のギャップが感じられる話だ。
朝はケータイアラームで目覚め、移動中や外出先はもちろんのこと、テレビ番組の視聴中や就寝前の布団の中でもケータイを利用する人が多いというデータもある。お風呂場で利用する若者が多いため、富士通からは防水ケータイまで発売されている。
むしろケータイを使いこなせないPC世代が下流?
一時期、”ケータイ世代はPCを使えない下流”とする「ケータイ族下流説」が話題になったが、もちろんそんなことはない。「PCではなくケータイでレポートを書いて提出する学生も多い」(某大学講師)という話もある。ただしそれはPC用キーボードをまったく使えないというわけではなく、単純にケータイに慣れ親しんでいるため、いわゆる”親指入力”のほうが速く処理できるからなのだそうだ。ケータイネット世代も社会人になれば会社ではPCを利用するが、プライベートではやはりケータイを利用すると聞く。「使えない」のではなく「使わない」のだ。逆に最近では、「PC世代こそケータイを使えないのが問題」という論調のほうが強まってきている。
ケータイの利用形態も変わりつつある。現在ケータイメールの送受信総数はわずかながら減ってきており、これに反比例して伸びているのがケータイ向けコミュニティサイトのPV(ページビュー)数だ。「モバゲータウン」や「mixiモバイル」などのように、1日数億PVを稼ぐサイトもあらわれてきている。1対多数のコミュニケーションの場合、メールで同報配信するよりも、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)などのコミュニティサイトや掲示板で書き込まれた内容を確認したほうが便利と判断されているのかもしれない。メールなどのプッシュ型サービスから、コミュニティサイトと更新通知機能を使ったプル/プッシュ複合型サービスに移行する可能性もある。
20代の3人に1人は使っているといわれるほど生活に浸透し、今や1,500万の登録ユーザー数を誇る日本最大のSNS、mixi。2007年9 月、そのPVは、ケータイからのアクセスがパソコンからのそれを上回った。当時の月間PVは、PCからが59億2,000万件(07年6月比8.6% 減)、ケータイからは63億4,000万件(同20.3%増)だったという。もうPC世代もケータイを無視できないところまできているのだ。
PC世代よ、ケータイコミュニケーションを知ろう
今、ケータイを取り巻く世界では何が起きているのだろうか。知りたいと思っても、まとめサイトがない。PCとケータイは世界が分断されており、情報が入ってこない状態である。だからといって、ケータイネット世代のことも、彼らが夢中になるサービスも、「やっぱりわからない」で済ませてしまってはつまらない。ケータイ小説は程度が低い? ネットはPCでやるのが一番? ケータイコミュニティなんて子どものお遊び? まずは、少しでも”ケータイネット世代のきもち”を知ってから判断してほしい。そこで当連載では、ケータイでのネットコミュニケーションを中心に、PC世代が知らないケータイの世界を追っていく予定だ。ケータイ文化やケータイコミュニケーションを知る一助となれば幸いである。
2 著者と読者の距離感がカギ? ケータイ小説がウケる理由 – 前編
Amazon.co.jpのケータイ小説のレビューを見たことはあるだろうか。たとえば、2007年に新垣結衣主演で映画化された『恋空』の原作『恋空 ―切ナイ恋物語・上巻』(美嘉著)には、1,200件以上のレビューがついている。評価を見ると、そのうち約220件が”星5つ”、1,000件近くが”星1つ”と、極端な割れ方を見せる。”星5つ”の人たちは10代のファンが多いらしく、「感動した」「泣いた」という感想が多い。しかし、”星1つ”の人たちはオトナ世代が多いようで、「文章が拙い」「中身がない」などのかなりの酷評が目立つ。
しかし同時に、トーハンの調査によると、2006年(平成18年)の書籍文芸部門売り上げトップ10のうち3つをケータイ小説が占めたという事実もある。良くも悪くも、ケータイ小説が注目されていることは間違いない。ケータイ小説がウケた理由とは何なのか? 『恋空』などのケータイ小説を書籍化、出版しているスターツ出版書籍編集部プロデューサーであり、ケータイ小説サイト「野いちご」編集長でもある松島滋氏に聞いた。
ユーザーから火がついたケータイ小説
ケータイ小説は、当初高校生を中心に火がつき、中学生にまでブームが広がっている。このブームは出版社側やオトナが仕掛けたものではない。「知らないところでじわじわと広がって、気づいたら無視できない規模になっていた」(松島氏)ものなのだ。
スターツ出版が最初に書籍化したケータイ小説は、ケータイ小説の元祖とも言われるYoshi作『DeepLove』。2002年のことだ。「正直、 Yoshi氏というキャラがウケたのだと思っていました。まさかケータイ小説自体がブームになるとは」と松島氏は当時を振り返る。
2005年のChaco作『天使がくれたもの』は、読者から「絶対に本にしてほしい作品がある。とても泣ける作品で、これを読んで人生が変わった」と電話がかかってきたことが書籍化のきっかけとなった。「あけみ」というハンドルネームを名乗ったその女性読者は、電話口で1時間も熱く語った。「書籍化は決めたものの、正直それほど売れるとは期待していなかった」(松島氏)が、実際出版が決まると全国から予約電話がかかり、次々と書店から注文が入ってきて、その人気に驚いたという。
作者も読者も10代女性が中心
作家の年齢層は読者と同様中高生が多いが、書籍化して売れている作家となると20代半ばくらいの人たちが多い。「iモードが世に出た1999年頃からいち早く使い始めた人たちがケータイ小説にからんでいる」(松島氏)とのことで、26、7歳あたりが最年長になるという。最初は全てケータイで小説を書いているという人が多かったが、指が痛くなるのでパソコンから書くようになったケースが多いそうだ。
前述のChaco氏の場合は、自分の過去の乗り越えられないものを清算するために書き始めたのが執筆のきっかけだったという。ノートだと書けないが、ケータイだと予測変換機能で漢字を入力できるのでケータイを選んだそうだ。誰にも読まれないようにと「魔法のiらんど」(ケータイ小説サイト)の「BOOK機能」を使ってこっそり書いていたところ、反響がくるようになった。当時は書籍になるとはまったく思わなかったので、あくまで自己満足のために書いていたという。ちなみに「BOOK機能」とは、ケータイから誰でも小説が執筆・配信できる機能のことだ。
「あくまで自分のために書いたものだからこそ、テクニック云々がなくシンプルな表現になっているのでしょう。悲しかったりつらかったりした実体験を物語にしたため、読者の心を打ったのではないでしょうか。読者はこの物語に泣き、同時に励まされたようです」(松島氏)。
読者は女性が多く、7割強を10代が占める。残りはOLや主婦となり、男性は1割程度だ。ケータイ小説愛読者の多くは四六時中ケータイをいじっており、非常な頻度でケータイ小説を読む。「授業中に読んでいて泣いてしまって、先生にばれて怒られた」という声も寄せられているという。一方、社会人は夜に読むことが多い。「本を読むのは最初は億劫でも、一度読み始めると中毒性が出るものですが、それに近いようです。一冊丸々完読できる喜びは大きいし、応援していた作家の作品が本になったら嬉しいのでしょう」(同氏)。
3 著者と読者の距離感がカギ? ケータイ小説がウケる理由 – 中編
ケータイ小説は、メールのような口語体の文章が、リアルで身近に感じられると言われている。「『普通の小説では情景描写があるのにケータイ小説はほとんどない』とか、『会話で話が続いていて表現が稚拙』という言われ方をしていることが多いです。しかし、最近は一概にそう言いきれなくなってきています。ケータイ小説の中でも色々な種類のものが出てきているのです」と松島氏(ケータイ小説サイト「野いちご」編集部編集長)は最近のケータイ小説の評価に異を唱える。
作家によっては情景描写を書いている人もいるし、表現にこだわっている人も出てきているという。『天使がくれたもの』の著者Chaco氏(前編参照)などは、最初は何も分からず思うままに書いたため、シナリオのような描写のない文章だったが、最新作になると改行があまりなくなり、一般文芸作品に近くなっているそうだ。また、ケータイ小説は一人称が多いと言われてきたが、『クリアネス』の著者である十和氏などは原則三人称で執筆しており、”一人称ばかり”という認識も崩れているという。
ジャンル的には恋愛モノが強い。これは、10代のコたちの最大の関心事が恋愛だからだ。「友情関係、親子関係など、読者が今抱えている悩みに当てはまる作品が売れています。小説は心の実用書だと思うのです。読者が欲しているものに回答を与えられる作品は、生き方などにも影響を与えることがあります。私の場合は、学生時代に友達から勧められた村上春樹の作品が同時代的に感じられたものですが、それと同じです。彼女たちにはケータイ小説なのでしょう。時代の転換点には、今までにないようなものが出てくるものだと思います。ケータイを持っている時間が長いので、ケータイが新しいものに行く触媒になっているのでしょう。『きっかけとしてケータイ』というケースはかなり多いと思います」(松島氏)。
書籍化については、「元々ケータイで書いていたものであり、多くの読者に言いたいことが伝わっていることは、掲示板での反応を見て分かっています。書籍化する際にも、オトナ目線で文章を削ると、かえって伝わらなくなると考えて、原則として元の作品を生かす方針をとっている」(松島氏)という。ただし、文章が短すぎたり改行が多すぎたりすると、書籍では読みにくいことがあるので、文章に肉付けをしてもらうことはあるそうだ。
ケータイ小説にはコミュニケーション機能が必須
ケータイ小説はケータイサイト上でリアルタイムに書き進められていく。作家と読者がコミュニケーションをとることができるのも人気の秘訣だ。「10 代の読者たちはつながりを強く求めています。その世代は人間関係が希薄と言われますがそうではなく、つながりたいからケータイでアクセスするのだと思います」(松島氏)という。
ケータイ小説がウケた理由について同氏は、「コミュニティ機能を利用して色々な意見が交換され、共感が生まれているのが大きいと思います。携帯サイトに掲示しているだけで感想を書いたりできなかったら、ここまで広まらなかったのでは」と推測する。最近でこそ、作者には新しい作品を好きな時に好きなだけ書いてもらう形をとっているそうだが、連載間隔があまり開くと読者離れにもつながる。ケータイ小説が盛り上がるためには、サイトを運営する力も要求されるのだという。
Yoshi氏(前編参照)も、どうすれば読者が喜んだり泣いたりするのかを考えて、読者とコミュニケーションをとりながら書いたそうだ。読者の「ふたりを幸せにして!」という声で、結末をハッピーエンドに変えたこともあるという。これまでの小説は、作者の中だけで完結させてから読者に出すものだったが、ケータイ小説は、パブリックな場で読者とのやりとりをしながら作られていくものなのだ。
また、いつの時代も10代は恋愛や友情、親子関係で悩むものだ。ケータイ小説は、そんな子たちが悩んでいることに対して、同じ目線で等身大の言葉で答えを与えてくれるものだという。小説の中に答えがあるのはもちろんだが、作家自身がサイトの掲示板で悩み相談を受けていたこともある。相談件数は一日 40件くらいきていたこともあったそうだ。作家とのやりとりができることでコアファンを生み、クチコミで広がっていったという。
4 著者と読者の距離感がカギ? ケータイ小説がウケる理由 – 後編
ケータイ小説は公開されているので、誰でも無料で読める。にもかかわらず、人気の作品は書籍化しても売れるという。「本を購入しているのは、半分がケータイで読んでいた人で、残りは本から入った人です。もちろんケータイでしか読まない人もいますが、手元に形として残しておきたい、宝物みたいに本棚に置きたいという人たちが多いようです」。ケータイ小説サイト「野いちご」編集部編集長の松島氏は、ケータイ小説の書籍版が売れた理由をそう分析する。読者は携帯電話のパケット料金定額サービスに加入しているケースが多いが、中にはパケット代がかかるので、書籍のほうが安くなると書籍版を買い求める人も多いそうだ。
松島氏は、「ケータイ小説の分野には男性はあまり入ってこないのではないか」と思っている。ケータイの活用頻度は女性が圧倒的に高いからだ。最近は主婦がケータイ小説の面白さにはまる傾向にあるそうだ。「コミュニティやネットワークがあって、ケータイ小説が受け入れられるクチコミという流れができやすい環境だからかもしれない」(松島氏)。
ケータイ小説に対する世間の反応について
ケータイ小説に対する世間の過剰な批判について松島氏は、「理解の範疇からはみ出たところから来たものだから嫌がられているのかもしれません。正直、私も最初は(読んでみて)キツイと思いました。でも、ケータイで読んでいると、ドキドキするんですよ。ケータイのスクロール速度と読む速度がちょうどしっくりくるのがケータイ小説なのです。受け入れてくれる人たちにとっては大事なものなので、その人たちに受け入れられる作品を作っていきたいですね」と語った。
最近のケータイ小説の中には、十和氏の『クリアネス』『雪花』など完成度の高いものもある。それらの作品は、ある著名な作家からも「しっかり書かれている」という評価を受けているという。「ケータイ小説の中にも、最近は子ども向け小説から本格小説まで種々雑多なものがあるので、素直な気持ちで向き合えば、きっと楽しい作品に巡り会えると思います。ケータイ小説はぜひケータイで読んでみていただきたいです」(松島氏)。
「タダ・気軽・感動」で人気に
ところで今回、連載の取材を進めるにあたり、関東圏の公立高校で情報教育を担当する教諭にご協力いただき、教諭が担当する高校一年生の生徒(100 名)にアンケートをとっていただいた。それによると、子どもたちの7割がケータイ小説を読んだ経験を持っていた。内容評価は「良い」という印象を持つ生徒が圧倒的に多い。もちろん中には「ひどすぎる。小説という価値がない」と、多くのオトナと同じような評価をしている生徒もいたが、あくまで少数派だ。ケータイ小説が10代に深く浸透していることを改めて裏付けた形となった。
彼らがケータイ小説を評価するポイントはおもに3点。「ケータイで気軽に読める」「パケット定額料金だけで本を買わずに読めるので経済的」「感動するときがある」というものだ。お金がない高校生には、「タダでしかもいつも持っているケータイで手軽に読める小説」というところがウケていることがよく分かる結果だ。子どもたちは、オトナとは違う視点から、”ケータイ小説”という新しいメディアに触れているのだ。
ケータイ小説には、レイプ、ドラッグ、死別など、ステレオタイプとも言える”不幸のオンパレード”的な小説が多いと言われている。しかしそれは、昔のメロドラマや韓国ドラマのように、それがある種のエンターテイメントだからなのではないか。その裏に、今の10代の読者たちの純粋な悩みや願いが隠されているからこそ、これだけヒットしているのかもしれない。簡単に毛嫌いせず、新しい文化の流れをくみとることも大切なのではないだろうか。
5 女性読者が増えている”ケータイ漫画”の世界
揺れる、消える……ケータイ漫画の臨場感とは
ケータイ漫画の存在は知っていても、実際に読んだことがあるという人は少ないかもしれない。ケータイ漫画は、携帯電話でいつでも気軽に読めるというだけでなく、小さな画面でも迫力が感じられるさまざまな効果があるのがポイントだという。
モバイルコンテンツ制作などを手がけるメディアシークが女子中高生中心に10~21歳の女性に採ったアンケートによると、ケータイ漫画を利用したことがある割合は31%だった(2007年9月12日~13日、有効回答数:463人/10~21歳の女性)。かなり高い利用率だと言えるだろう。では、ユーザーたちはなぜケータイ漫画を読むのか、どういう漫画が好まれるのか。ケータイ向けコミック配信事業などを展開するNTTソルマーレモバイル事業本部 小林克之氏に聞いた。
漫画をデータ化した”ケータイ漫画”
ケータイ漫画とは、漫画をデータ化し、パソコンやPDAなどの携帯端末、携帯電話などで閲覧できるようにしたものだ。表示形式には紙芝居方式とスクロール方式がある。紙芝居方式は1コマずつカットしたコマが表示される方式であり、スクロール方式はコマをカットせず部分をアップにして表示する方式だ。どちらの場合も、十字キーや決定ボタンをクリックすると、1コマずつ進めたり戻ったりできるようになっている。
元々の漫画のコマは、動きや迫力を出すために形や大きさが工夫されている。しかし、ケータイ漫画の場合、ケータイで紙面同様の迫力を再現するために独自の工夫がなされているところが特徴のひとつとされる。ちなみに、元々紙だった漫画をデータ化したもののほかに、最近ではモバイル用に書き下ろしたものもあるという。
コミックごとにダウンロード可能
NTTソルマーレは、PDAやパソコン向けに動画、音楽、書籍、ソフトウェアなどのコンテンツを販売することを目的に2002年4月1日に設立された。販売コンテンツの中でもコミックの要望が高かったことと、携帯電話の3G化やパケット料金定額制などの追い風を受けて、2004年8月にiモード公式サイト「コミックi」をオープンした。その後、2005年5月にEZweb公式サイト「コミックシーモア」、2005年7月にYahoo!モバイル公式サイト(当時Vodafone live!)「コミックシーモア」もオープンした。
同社のケータイ漫画は、1コマずつカットした紙芝居形式で表示される。利用するためには、公式サイト「コミックi」「コミックシーモア」サイトから月額定額プランを契約し、ポイントを取得したうえで、読みたいコミックをダウンロードする。ポイントが不足した場合はポイントの個別購入も可能だ。
エフェクト効果で臨場感
利用される時間帯は主に深夜帯(22時~2時)に集中している。「就寝前のリラックスしたときに友達にメールを打つ感覚でご利用いただいているのかもしれません」(小林氏)。「コミックi」利用のユーザーのうちおよそ65%が女性であり、ユーザーからのリクエストメールでも女性向けのコミックタイトルが多く寄せられる。タイトル数は2008年10月現在で11,000タイトル以上にもなる。
ケータイコミックは1話が週刊漫画の約20ページ程度にあたる。漫画は紙1ページにおおよそ6~10コマあるが、コマの大きさと形はまちまちだ。コマがそのような大きさや形になっていることで、迫力や動きを表現しているのだ。しかし携帯電話には液晶の小さい画面しかない。そこで、そんな携帯電話でコミックを楽しむために、紙芝居形式のカット手法が生まれ、エフェクト(効果)で躍動感を表現するようになったのだという。
エフェクトには、元々のコミックの迫力を再現するために、フェードイン/アウト、スライド、バイブレーションなどが存在する。それぞれ文字どおりゆっくりと現れたり消えたり、コマのサイズや形に合わせて縦や横に画面がスクロールする。バイブレーションを使った効果は、物が落ちたりぶつかったりする場面や、迫力のあるシーンなどで画面と共に携帯電話がバイブレーション機能で揺れるため、よりいっそう臨場感が感じられるというわけだ。
なぜケータイ漫画なのか?
ケータイ漫画が人気の理由について小林氏は、「書店にはないタイトルの多さ、携帯電話で決済できる購入のしやすさ、人目を気にせずに読めるところ、本棚が不要で好きなコミックを外出先などどこでも読むことができること」などを挙げた。どれも、ネットの便利さや受け入れられ方に近いという印象を受ける。
同社のケータイ漫画の場合は、元々は紙の漫画用に描かれた漫画を1コマずつケータイ用に起こしたものだ。それに対しての作者の反応はどうなのか。「作家様の希望があれば事前に出版社などを経由して、完成版を確認いただいています。これまでに作り直しなどの指示はいただいておらず、むしろ作家様より携帯電話なのに大変見やすいとのお褒めをいただくことが多い」(同氏)という。
このほか、効果音やBGMなどが流れたり、フキダシが出てきたり、コマの人物に動きがあるものなど、新しい流れも出てきている。クリックすれば出版社のサイトに飛ぶような”リンク”を用意するなど、インタラクティブな仕掛けを用意できるところも可能性を感じる。
実際に体で実感したり、目と耳を使ったり、インタラクティブだったりと、ケータイ漫画は徐々にネットとの境をなくしつつあるようだ。ケータイ小説は、ケータイならではの表現と距離感、コミュニケーションなどがウケ、書籍や映画に展開しても広く受け入れられた。ケータイ漫画のこの特殊性が紙よりも受け入れられているのか、それとも便利な面のみが注目されているのか。今後ケータイ漫画発の大ヒット作品が生まれた頃にわかるだろう。その場で買えて場所をとらない、音やインタラクティブなどの可能性を持つ広がるメディアケータイ漫画は、今後ユーザーの行動も変えていくのかもしれない。
6 キケンとも言われるけど……10代の名刺代わり「プロフ」の世界
「プロフ」というケータイやPCで自己紹介ができるサービスが流行っている。プロフの中でも最大のユーザー数を誇る「前略プロフィール」を運営する、楽天の濱野斗百礼氏(執行役員インフォシーク事業長)と前田靖幸氏(インフォシーク事業部コミュニティ事業部部長)に、プロフでのコミュニケーションについて聞いた。
ユーザーは10代がメイン
「前略プロフィール」は、メールアドレスがあれば誰でも登録できる。写真の掲載、「HN(ハンドルネーム)」「性別」「誕生日」「住んでいるところ」「前世」「世界平和に必要なのは」などの 60項目以上の質問に答えていくことで、簡単に自己紹介ページが作れるというサービスだ。2005年に開始されて以来、中高生を中心に爆発的に利用が広がり、最近では多くの企業で同様のサービスが開始されている。
ユーザーの年齢層は17歳が一番多く、15~19歳までが9割を占める。10代がほとんどで、20代以上のユーザーはほとんどいない。高校卒業や、 PCに接する機会が増えたことなどをきっかけにやめることが多いそうだ。ケータイとPCのユーザー比率は8:2。携帯電話での利用が320万人、PCからの利用も合わせると400万人に上る。アクセスは深夜帯23時から25時くらいに集中する。また、休みの日、特に春休みにアクセスが伸びる傾向にあるという。ある休日などは、モバイルだけで5,500万PV、PCと合わせて合計6,300万PVを記録している。
当初は、キャバクラ嬢やホストが利用し始めて火がついた。やがて一般的な20代が使うようになり、2006年3月にケータイ通信の定額制サービスの提供が開始されると、徐々に中高生にも利用が広がっていったという。「まさか10代の利用がこんなに多いとは思いませんでした。初めは『タバコを吸うか』という質問項目があったくらいですから」(濱野氏)。10代のユーザーがメインとなったので、この項目は2007年に削除したそうだ。
目的は出会い系ではなく「自己PR」
「前略プロフィール」では2007年8月にユーザーからアンケートを集めたことがある。1カ月の集計期間を想定していたが、わずか4時間ほどで 3,000件もの回答が集まってしまった。それだけアクティブなユーザーが多いということだ。そのアンケートによると、ユーザーの9割が女性だったという。「全体に真面目な回答が多かったですね。プロフを使う目的についてフリーワードで書いてもらったのですが、出会い目的は0.2%程度。自己PRのためというのが一番多かったです。また、要望として多かったのは、業者の書き込みの排除でした。業者はPCから書き込んでいると推測しているので、モバイルと PCは別物にして業者対策を考えています」(前田氏)。
ユーザーはプロフを名刺代わりに使う。ブログやSNSのようにすべての人に見てもらうために書くのではなく、身近な人にアプローチするために書いているのだ。10代のユーザーは二人で写真を撮り、「ニコイチ」と称してプロフに掲載し、二人が親しいことを学校のクラス内にアピールするという。やはり 10代の中高生は行動範囲が家と塾の間くらいという人も多く、大人が思っているよりは生活エリアは閉鎖的で自由がないものだ。交友関係を第三者に見せることで、自分の立ち位置を定めるツールとして使っているようだ。
プロフがここまで広まった理由について、前田氏はこう推測する。「プロフなら簡単に自分をアピールできるからではないでしょうか。大人と同じでホームページを持ちたいけれど、PCを持っていないので、ケータイでも作れるプロフを選んでいるのだと思います。今後PCを使ってホームページを作ったり SNSをしたりする前段階なのでしょう」。
ゲストブックで「からむ」
ユーザーは、知らない人のプロフもあちこち見て回る。他人のプロフに訪れたらあいさつ代わりにゲストブックに書き込めるが、ただ閲覧しているだけのケースがとても多い。プロフによく書いてある「からんでください」というのは、ゲストブックに書き込みをすることだ。中高生は一言コメントを書くだけだが、人によっては詩を書くなど、100行くらい書き込む人もいるという。
ユーザー同士は、コメントにレス(返事)をつけるのではなく、お互いに相手のゲストブックに書き込み合う方法を採る。自分のゲストブックに書かれたコメントのレスを、相手のゲストブックに書き込むのだ。なので、一方のゲストブックを見ているだけでは話がつながっていないことも多い。「ゲストブックはメッセージのWeb版みたいなもので、掲示板ではないですね」(濱野氏)。
個人情報を出し過ぎてしまうユーザー
10代のユーザーは、”プロフは身近な友人に見てもらうために書く”という意識の人が少なくない。そのため、インターネットがオープンな場であることも意識せず、本名/住所/メールアドレスなどのパーソナルな情報を出してしまうことがある。そこで最近は、サイトのトップページ上に注意を表示するようにしているそうだ。「システムなどで制限するよりも、インターネットはオープンであると認識してもらうように努める方針」(前田氏)という。
プロフには以前メールアドレスの記入欄も存在した。ホームページの「連絡先はここ」みたいなつもりで設定したのだ。ところが、実際は予想に反してケータイからの利用者が圧倒的に多かったことから問題が起きた。「PCのメールアドレスなら記入してもらってもいいだろうと考えていたのですが、ケータイユーザーの場合、電話番号=メールアドレスという人も多かったため、(事実上の電話番号の公開に当たることから)昨年になってメールアドレスの項目を削除しました」(濱野氏)。
また、本人認証はしていないため、本人以外が”なりすまし”てプロフを作るケースも多々発生。勝手にメールアドレスなどの連絡先をプロフに書かれてしまったというトラブルも報告されている。業者が多いのも事実だ。質問項目にあまり答えていないケースほど業者の確率が高い。特に、答えをきちんと書かずにリンクだけ設定されている場合は、業者の可能性を疑ったほうがいいそうだ。
つながらないサービス
アンケートによると、ユーザーは「モバゲータウン」(※)を併用する人も。回答者の2割はモバゲー経験者だった。モバゲーは”バーチャルなつながり”を提供するサービス。プロフは”リアルな情報を書く”サービスだが、”つながり”はない。一部のユーザーは”バーチャルな自分”と”リアルな自分” を、性格のまったく異なる両サービスによって使い分けているのかもしれない。
「プロフはつながらないサービスです。SNS風だと言われますが、ミニメールが送れるなどの機能もなければ、足あと機能もありません。ID検索をすれば世界中から見られますが、ゲストブックを書き込み可としなければ、誰が見ているかもまったく分からないのです」(濱野氏)。
※「モバゲータウン」(モバゲー)は、ディー・エヌ・エーが運営するケータイ向け無料ゲームコミュニティ。ユーザーはアバター(分身)を使ってモバゲー内のゲームや他のユーザーとの交流を楽しめる。なお、規約上、実際の個人情報などを交換することはできず、モバゲー内ではバーチャルな関係を構築する場とされている。2006年2月にオープン、会員数1,000万人を超える。
「自己主張できる」高校生に人気のプロフ
本連載にあたり話を伺った某公立高校の情報教育担当教諭は、実際に生徒たちの間でもプロフは広がっていると話す。「高校に入ってプロフに目覚めた子が多いですね。友達付き合いの派手な子の間でクチコミで広がったようです。ただ、私の担当生徒たちには、情報教育の授業の中で、プロフの個人情報が漏れて事件につながったケースも紹介しています。ちょっと脅かしたせいもあって、おとなしい子やマジメな子は(プロフを)やっていませんね」。教諭が担当する生徒100名にアンケートをとったところ、プロフの利用経験者は56名と半数を超えた。
プロフにネガティブな印象を持つ生徒は2割。逆に好印象を持っている生徒の中では、その理由として「新しい友達ができる」「みんなと交流ができる」「自己主張ができる」「みんなの書いたことが見られる」というものが挙げられた。楽天の主張とほぼ同じ結果と言えるだろう。一方、プロフに否定的な意見としては、「個人情報が漏れる」「犯罪に巻き込まれる」「中傷が多い」「出会い系っぽい」というものが多く見受けられた。教諭が実際に危険性を教えていることもあり、一般的にプロフで問題とされることが生徒たちの間でも問題視されているという結果になった。
10代のウェブ版名刺「プロフ」のことが分かっていただけただろうか。閲覧も作成も簡単なので、話のタネに自分で作ってみると、案外新しい体験を楽しめるかもしれない。
7 10代が「モバゲータウン」にはまる理由 – ニーズに合った仕組み
ケータイサービスを頻繁に利用していなくても、ディー・エヌ・エー(DeNA)が運営するモバイルサイト『モバゲータウン』、通称「モバゲー」の名前は耳にしたことがあるだろう。よゐこや広末涼子などの有名タレントを使ったCMでも話題を呼んだ。ゲームやSNSなどの機能が10代に人気の勝手サイト(キャリア非公式サイト)だ。なぜモバゲーが10代にウケているのだろうか。
10代に人気の「モバゲータウン」とは
モバゲータウンは2006年2月にサービスを開始した。2009年8月時点でユーザー数は1,500万人に迫り、月間ページビューは約195億 PV(ページビュー)に上る。日本最大のSNS「mixi」が2009年6月時点で会員数1,700万人、月間PVはPCとモバイル合計で約150億PV であることを考えると、日本を代表するネットサービスの一つと言えるだろう。
そこでは無料ゲームだけでなく、ユーザー間のコミュニケーションを促進するSNS機能も提供される。「日記」、趣味などで集まる「サークル」、質問を交換する「質問広場」、小説や音楽などの作品を投稿し合うサービスなどがそうだ。ユーザーを表わす「アバター」と呼ばれる着せ替え可能なキャラクタも人気だ。
モバゲーは会員の4割を10代が占めており、16歳男子に至っては52.4%が利用しているというデータもある。記事執筆にあたり関東圏の某公立高校1年生(100名)の協力を得て行なったアンケート調査によると、約半数の48名がモバゲーの利用経験があると回答した。モバゲーの印象についても聞いてみたところ、肯定的な意見と冷静な意見とが混在した状態となっている。「悪い・やや悪い」に28名、「普通」47名、「やや良い・良い」18名と回答 (一部無記入)。その理由については、「ゲームが楽しい」「友達ができる」「自分のことが(相手に)分からないから良い」「ゲームが自由にできるところがよいが、出会い目的の人もいるから注意が必要」「顔を見ない人と交際するのは気持ち悪い」などが挙げられている。
なお最近は、TVCMの影響で20代30代のユーザーも増えてきているという。
10代のニーズを満たすゲーム、SNS
DeNA広報金子哲宏氏によると、ユーザー間のコミュニケーションはオープン当初から活発だったという。その最大の原動力となったのが無料ゲームだ。「(オープン当初)有料のゲームサイトが多い中で、無料で質が高いゲームができたことが勝因かもしれない」(金子氏)。運営側もモバゲーがこんな勢いで広まるとは思わなかった。2006年度の会員目標100万人に対し、実際は441万人というから、その勢いが分かる。無料で楽しめるゲームが次々と投入されたことも、結果的にその後の大人層の獲得につながったと考えられる。
モバゲーの魅力は無料ゲームだけではない。ゲームに集まったユーザーをつなぎ止める仕掛けが用意されていたのだ。SNS機能である。多くのゲームには、開発段階で裏技を仕込んだ。ある地点でジャンプをするとキャラの移動速度が速くなる――などゲームの攻略にもつながる裏技だ。このような裏技情報の交換場所としてSNSが使われたというわけだ。
IMJモバイルの「モバイルユーザー動向定点観測2009」(調査期間:2009年2月9日~11日、有効回答数:500)によると、10代の携帯電話利用者にとってモバイルとは、「暇つぶし」「コミュニケーションツール」「検索ツール」。ゲームやSNSなどは、コミュニケーションもでき、暇つぶしにもなる。モバゲーは、時間が有り余る学生を中心とした10代の携帯電話利用者に受け入れられる要素を持っていると言えるだろう。また、この年代の子供たちはメールやネットに依存していることが多い。まだ自我が固まっていない世代にとって、友達といつでもつながっていられることが安心をもたらす。モバゲータウンは、まさに10代のニーズを体現したサービスだったと言える。
人間関係ができたらアバター
SNSにより人間関係が生まれると、次第に、人間関係自体がモバゲーを利用するモチベーションになる。しかし、モバゲーでは規約上、ユーザー同士が直接会うことが禁止されている。機能面でも制限されており、個人情報の投稿や顔写真の登録などもできない。そこで自身を表わすものとして活躍するのが「アバター」だ。そこにはユーザーがさらにモバゲーを使い込むことになる仕掛けも見える。
アバターは、ゲーム時やサークルでの発言時など、モバゲー内で活動する時には必ず表示される。アバターが自分自身を表現する役割を果たしているわけだ。会員登録初期のアバターの服装はかなりシンプルで、悪く言えばみすぼらしい。現実でも他人の目は気になるものだ。分身であるアバターを自分らしく着飾りたいという感情は自然であり、そこで多くのユーザーは仮想通貨「モバゴールド(モバG)」を貯めてアバターを着飾るアイテムを購入することになる。
アバターを磨くのに必要な要素はお金だけではない。購入できないもの、いわゆるレアものが用意されており、それらはアイテム合成やランダム要素での入手となる。特にアイテム合成の場合、ある特定の組み合わせでレアアイテムになるため、モバゲーユーザーの間にはレアもの関連情報の交換を通じた交流の活発化も生じる。実際、サービス開始当初に立ち上げられたサークルは、ゲームの攻略情報のほかに、アバター情報を交換するためにできたものが多かったという。
無料ゲームでユーザーを集めて、SNSでの情報交換を通じて人間関係を築かせ、交流を通じてアバターを着飾らせる――この仕掛けこそが、10代がモバゲーにハマる理由なのだ。
次回以降は、この基本的な仕掛け以外に10代がモバゲーにハマる仕組みと、10代の使い方についてお伝えする。
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