センター試験の見直し作業始まる
2010年3月29日
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国公立大2次入試倍率7年ぶり増に
2010年2月20日
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都立高校の推薦入試枠大幅削減
2009年11月8日
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東京都教育委員会は、現在の中学2年生が受験する2011年度の都立高校入試から、約1万1000人に上る推薦入試の募集枠を大幅に削減する方針を決めた。
全募集枠の4分の1を占める推薦入試枠は学力試験がないため、「競争性に欠ける」という指摘があがっており、都教委は「進学指導重点校」を中心に半減したい考え。
公立高の推薦入試は学力試験偏重から脱却するためとして、1980年代から各地で導入が進んだが、都教委が削減に踏み切ることで全国に見直しの動きが広がる可能性も出ている。
都教育庁によると、都立校では95年度から、入試の「多様性」を図るとして、普通科を含む全学科に推薦入試を拡大し、全189校の9割にあたる173校で導入されている。毎年1月下旬に実施される選考は調査書(内申書)のほか、面接や作文、小論文などの評価で最終合否を決め、学力試験は課していない。
推薦枠の人数は、各校の校長が募集枠の50~20%を上限とする範囲内で独自に決めているが、志願者が多い日比谷、戸山など進学指導重点校については、入試の多様性よりも「学力重視」に移行し、募集枠の10%程度まで削減したい考え。一方、工業高校などでは、これまで通りの推薦枠を維持したいとしている。
志願者数の多い都立校の全日制普通科の推薦入試では倍率が最高9倍に上るケースもあり、一般入試と併願する受験生も多く、これまで都教育庁は「推薦枠が多くても入試の競争性は十分確保されている」という立場だった。
しかし先月の都教委では、推薦枠が4分の1に上る現状を巡って、一部の委員が「競争性に欠ける」などと異議を唱えて紛糾。最終的に来春の10年度入試は例年通り約1万1000人の枠を維持することが決まったが、「内申書を作る教師の考えで差が出るのは不公平」といった声もあり、11年度以降は大幅に削減する方向で見直すことを決めた。
都教育庁では、受験生への混乱を最小限とするため、近く検討会議を設置し、保護者代表のほかに、私立高側にも参加を要請する。
◆推薦入試=高校入試で学力試験を免除できるとする学校教育法施行規則を根拠に、各自治体の教育委員会が実施している。都では82年度に職業科高で初めて導入された。入試の学力偏重を解消するため、84年に当時の文部省が「高校の特色にふさわしい者を選抜するために実施が望ましい」とする通達を出し、全国に広まった。
(2009年11月8日03時06分 読売新聞)
受験に向けてー新型インフル対策は
2009年9月30日
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新型インフルで受験生泣かすな 大学担当者も苦慮
2009年9月28日
広がる新型インフルエンザの感染に、大学が入試での対応に苦慮している。入試が本格化するのは来年になってからだが、受験生や教職員の感染防止や入試会場の確保、延期や追試をするかどうかなど、「どこまで対応すべきなのか」と、入試担当者の悩みは多い。受験生の努力を無駄にしないための対策を模索している。
■私大―延期・追試、会場確保に気もむ
病気で大学入試を欠席しても、多くの場合、受験生の「自己責任」として救済措置は取られてこなかった。
しかし、新型インフルエンザは別だ。ウイルスの感染力は強く、患者数も増えるばかり。今のところ、弱毒性だが、強毒性への変異も懸念されている。毎年、のべ約300万人が挑むだけに、大学側も自己責任で済ませられないのが実情だ。
立教大は入試に備えてマスク6万枚とアルコール消毒液を手配している。受験日に希望者へ渡せるようにするためだ。「マスクを無理強いはしないが、せきをしている人には着けてもらいたい」。東京と地方9カ所に受験会場を設ける法政大。榎本正利・入学センター長は「一番大事なのは、健康な受験生を守ること」と気をもむ。追試をするにも、欠席者の人数は予想ができない。「感染の動向を見守りながら、様々な事態を想定するしかない」という。
中央大の入試担当者はため息をつく。来年2月、都内3カ所のほかに札幌、仙台、大阪、福岡など地方会場9カ所で予定している一般入試が、どうなるか心配だからだ。
地方での入試は、主に大手予備校を受験会場として借りている。もし流行して、延期や追試をすることになった場合、「会場の確保が難しい」という。中大の場合、センター利用入試を除く志願者約5万5千人のうち、地方で約2万人が受験する。入学者確保の柱になっているだけに担当者は「心配だし、困った」と話す。
受験料返還や日程変更などを含めた対策を検討し始めたのは、全国で計約9万人が受験する関西大だ。安部誠治副学長は「入試に及んだ時の影響は非常に大きく、大流行した場合、会場に入れることの是非から検討しなければならない」と話す。
立命館大は08年度入試から、学校保健安全法で出席停止が定められたインフルエンザやはしかなどで欠席した受験生には、受験料を返還している。新型でも同様の措置を適用。さらに、追試や日程変更などができるかどうかを議論していくという。
もし、大流行で、試験が予定通り実施できなかったらどうするか。
ある都内の私立大の入試担当者は「実は、追試の準備を始めている。試験問題の用意が間に合わないといけないから」と打ち明ける。
名城大(名古屋市)の広報担当者は、いくつかの課題を挙げた。まず、新型にかかっていると認定する事務作業の繁雑さだ。さらに、入試が多様化していることで、出題の労力が大きくなっており、追試にも「単に試験回数を多くすればいいというものでもない」と悩む。
別の大学によると、実際、試験回数を増やすことが議論されたものの、「予備問題を今から作るには、教員の負担が大きすぎると猛反発を受けた」ことから、立ち消えになったという。
■センター試験―追試会増やす検討も
頭を悩ませているのは、私立大学だけではない。
毎年1月、約50万人が受ける大学入試センター試験。この時期に、新型インフルエンザが大流行した時に備え、文部科学省は、例年、センター試験本番の1週間後に実施している病欠者ら向けの追試験の会場を増やすべきかどうか検討し始めた。
来年の試験は、本試験が1月16、17日、追試験が1月23、24日に予定されている。試験を、国公私立の652大学、164短大が利用する。
追試験は、毎年、東京と関西の各1カ所で行われている。文科省によると、今年1月は両会場で計209人が受けた。追試験の受験者数は多かった年でも約900人で、例年なら、両会場とも数百人が受験できるスペースを確保していれば、十分だった。
ただ、今回は、追試験の受験者が急増することを想定する。事前に対策を考えておく必要があるとして、文科省は、追試験の会場を増やすべきか▽仮に増やす場合、いまの2会場からどの程度増やすべきか、についても内部で議論していく。
担当者は「現行の2会場では、病み上がりの地方の受験生に東京や関西へ出てくるように求めることになる。会場を増やすと決まってはいないが、増やすとすれば、どの程度なのかも検討中」と話す。各県ごと、または、ある程度の地域ブロックごとに会場を置くなど、様々なパターンが考えられるという。
■文科省―個別試験結成の対応も準備
文科省は、センター試験以外に、各大学の個別の試験を受験生が欠席した時の対応についても検討している。8月末、専門家を集めて会議をつくった。国公立大はもちろん、早稲田大や関西大など多くの私立大も「どんな方針を示すのか注目している。できるだけ早く示してほしい」と話す会議だ。
今の予定では、方針が示されるのは10月末。大学入試室は「受験生が不安を抱かずに、試験を受けられるよう準備を進めたい」と話す。
中国の受験地獄
2009年6月20日
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どこまで信用してよいかわからないけど、それなりに中国の厳しくもどこかおかしい受験事情がうかがえて面白い記事だと思ったよ。
軍隊への入隊期限という縛りのある韓国の受験も厳しいけれど、中国の場合はほとんどの受験生が「一人っ子」だという点が競争熱に拍車かけていると思う。
2人の親、4人の祖父母の期待を一身に背負っっているわけだ。酸素ボンベを口に含みながら1日14~16時間も勉強する彼らの姿を日本の高校生たちに見せてやりたいとつい思ってしまったよ。
中国の大学入試は非常事態!? 女子高生は避妊薬で生理をずらす
2009年06月17日01時27分 / 提供:ロケットニュース24中国の大学入試はまさに戦争のようだ。勉強や試験に集中するため、高校生たちは地獄のような勉強漬けとスパルタ的な生活リズム、そしてやりすぎとも思える行為に出ているという。
中国の大学入試を伝えたニューヨークタイムズによると、中国の大学は平均して10人中6人が合格する倍率だという。高校生たちの多くは1日14~16時間(睡眠以外の時間)勉強し続け、なかには脳を活性化させるために酸素吸入器(酸素ボンベ)を常備し、常に吸いながら勉強に励んでいる者もいるという。
また、女子高生たちは試験期間中に生理にならないよう、避妊薬を服用して生理の時期をずらすこともあるのだとか。つまり、生理で試験に集中できないという状態を避けたいようなのだ。
ほかにも、韓国の軍隊のような寮に入り、徹底した教育体制のもと勉強に励ませるという泊りがけの塾のようなプランも人気のようで、こちらは入学金が54万円もするという(中国からすれば信じられないほど高額な金額である)。
とにかく親は子どもを大学に入学させたい。そんな情熱(?)から、合格した暁(あかつき)には高額なプレゼントをするという親も多くいるのだとか。たとえば17歳になるチェーン君は、「大学に合格したらパパがアウディ(乗用車)を買ってくれるんだ!」とマスコミに対してコメントしている。なんともうらやましい……。
そんな親の情熱が誤った方向に向いてしまうこともあるようで、子どもに無線で外部から答えを教える親まで登場している。不正がすさまじい親になると、小型のスキャナーを試験会場に持ち込ませ、答案用紙をコピー。外からインターネットで答えを探し出し、インターネット経由で子どもに答えを送るという親もいたという。もちろん、不正行為で不合格となった(2008年度は2645人が不正行為で不合格)。
どの国の親も子どもも合格したいのは当然のことなので、大学入試でヒートアップするのは仕方がないのかもしれない。韓国では試験の点数が悪い女子生徒のスカートを脱がせた教師がいたが、試験をとりまく人たちがヒートアップをすると何が起こるかわからないものである。あなたは入試のためにどこまでやれる?
世界不況で私立小受験希望者激減
2009年6月13日
私立小学校に子供を通わせる親って相当生活に余裕があることがこの記事からわかったよ。年間授業料が平均で年50万~60万円。加えて、塾代が年間100万円近く。若い普通の夫婦が挑戦するにはハードルが高いよね。
メリットってなんだろう。大学まで受験なしで進級できれば価値はあるけど、それが可能な私立は少数だし。教育環境なんてそれほど公立と違いがあるわけではないし。結局、残るのはブランド小学校に通わせてますという親の見栄のようなものだけなのかな。
受験産業のあの手この手の煽りも世界不況には勝てなかったということか。
中所得者層の減少で私立小に陰り
2009.6.12 08:47跳び箱や踏み台、輪などを床に配置した広い運動用の教室。5~6歳の児童11人が順番にボールのドリブルやけんけんを正確にこなしていく。どの子の表情も真剣だ。順番を終えてほっとした子供たちがそわそわし始めたころ、先生の声が飛んだ。
「待つのってつらいね。でも待つことも大事。分かりましたか」「はーい」
東急田園都市線二子玉川駅近くのビルの一室に教育事業、理究の子会社である理究エデュオが運営する幼児向け受験塾「理英会」二子玉川校がある。週1回の授業で月謝が約5万円という「難関私立小学校受験クラス」ではこの日、運動やプリント問題、折り紙の授業が行われた。
講師の川井直子教室長は「人の話を聞けることが小学校受験のポイント。指示をきちんと理解できるように指導している」と説明する。プリント問題では、勾玉(まがたま)や桑など幼児にはなじみの薄い絵が示され、その名前を答えさせる。難易度は小学2、3年生レベルだ。
長男を同塾に通わせている主婦(41)は「塾ではこの年齢でやるべき勉強やしつけもしてくれるので安心です」と満足げだ。塾には長男を1歳半で入れた。また、長女を通わせる別の主婦(35)は「お金を投資するなら子どもに使いなさいと母から言われました」と話す。2人の夫はそれぞれ弁護士と医者だという。
しかし、小学校の受験市場にも世界同時不況の影は確実に忍び寄っている。理究エデュオによると、首都圏における国・私立小学校への進学志願者数は、年平均で5%程度伸び、20年度には4万2374人を記録した。これが世界的な金融危機で景気低迷が深刻化した21年度には一転し、前年度比7・2%減の3万9338人に落ち込んだ。
学習研究社グループの小学校受験塾大手、桐杏(とうきょう)学園の大石達男理事長は「昨年9月のリーマン・ショックの影響を受け、受験をあきらめた親御さんもいた」とため息をつく。
同学園では首都圏で小学校入試が終了する毎年11月に入塾者が増える傾向があるが、昨年11月は入塾者が前年に比べて大幅に減ったほか、入塾する時期を遅らせて授業料を“節約”する例も目立ったという。また、幼稚園の年少組や年中組から受験準備を始める家庭が減り、年長組で間に合わせるなど、市場縮小の兆候がみえる。
一人息子に小学校受験させることを考えていた都内に住む男性会社員(40)は「急に給料やボーナスが減ったからといって、途中で子供に『学校を辞めろ』とは言えない。会社の先行きがみえない中で、受験させることは難しい」と語る。
学習塾経営の専門コンサルタントである小林弘典氏は「子供の進学先を私学に求める親の理由は2つある」と解説する。一つは公教育に不満があること。もうひとつが、世帯の可処分所得に余裕があれば、よりよい教育を受けさせたいと考えていることだ。
小学校受験には、学習塾の月謝だけで年間60万~100万円超の費用がかかるとされる。厚生労働省の国民生活基礎調査によると、子育て世帯における平成19年の平均所得は、前年比1・4%減の691万4000円。学習塾の負担は決して軽くない。
最近の小学校受験の市場拡大は、過熱する中学受験を心配し、早い段階から受験競争で優位に立ちたいと考え、それを実行できる経済的な余裕を持った中所得層以上の世帯が牽引(けんいん)している。
しかし、こうした小学校受験について、理究の米田正人社長は「うわさが先行し、実態以上に『高根の花』だと思われている」と指摘する。授業料の水準が明確になれば、小学校受験に対して合理的な判断ができ、もっと受験する層が広がるとみている。
都内私立小の年間授業料は平均で年50万~60万円とされ、有名ブランド小でも同約80万円程度という。理究が主催する「小学校フェア」に参加する小学校も増えており、受験をめぐる情報発信の重要性も認識されつつある。
ベネッセ教育研究開発センターの木村治生教育調査課長は「不況と少子化で教育への意識は二極化しており、小学校を受験する中所得層の家庭は今後減少していくだろう」と予想する。縮小する市場の拡大には、学校や塾など受験ビジネスにかかわる関係者の不断の努力が問われている。
大阪に「進学指導特色校」
2009年5月30日
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寂しい発想だね。進学実績をあげたるために学区を枠を取っ払って優秀な生徒を集めようというだけの話だね。これで東大や京大にいくら合格者を出しても自慢になるのかな。大阪府民はどう思ってるんだろう。
進学指導特色校、北野高など10校…大阪府教委が内定
大阪府教委は大学進学実績の向上に力を入れる「進学指導特色校」に指定する府立高校10校を内定した。6月の教育委員会会議で正式に決定する。「進学指導特色校」は、橋下徹知事が教育改革の一環として打ち出した構想で、府教委が指定校の選定を進めていた。内定10校は、北野、茨木、大手前、四條畷、高津、天王寺、生野、三国丘、岸和田の9校と、同等の進学実績を残している豊中。各校には専門学科「文理科(仮称)」を新設。1学年の定員320人の半数を「文理科」、残りを「普通科」とし、2011年度から導入する。
(2009年5月29日 読売新聞)
海外のトップ大学を目指す超優秀生徒たち?
2009年5月11日
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以前からこの話は聞いていたので、実態を知りたいと思ってたけど、いうほど海外志向の「超優秀学生」は多くないんだね。日本の大学の敷居が高くて海外の大学に逃げたいと言う学生は過去たくさん見てきたよ。アメリカの大学だけじゃなくてオーストラリアや中国の大学などにも行ってるよ。
大学院じゃなく大学から海外を目指す意義はどれほどあるのか。語学によるハンディをどう乗り越えるのか。何よりも莫大なコストがかかる。ベネッセのこの塾の年間会費だけでも150万以上。「楽々東大に受かる」ような生徒たちがたとえハーバードやスタンフォードに憧れを持ったとしてもそれを実現できる環境に恵まれている生徒はごく少数だろうね。
(連載「大学崩壊」第7回/ベネッセコーポレーションに聞く)
日本の大学が「地盤沈下」していく一方で、国内の高校でなく海外の大学を目指す動きが加速している。2008年には、ベネッセコーポレーションが、海外トップ大学を目指す高校生のための塾「ルートH」を開設した。いま5人の高校生が、海外受験に向けて対策を進めている。「海外熱」が高まっている背景について、「ルートH」担当で、首都圏事業推進室初等中等教育課課長の藤井雅徳さんに聞いた。
――「米国のトップ大学を目指す」という傾向が出てきたのは、最近のことでしょうか。
藤井: 弊社が展開している高校生向けの「進研模試」には200人近くの営業担当者がいて、学校の先生方とお話しする機会もあるのですが、5~6年前から、進路指導の先生から「海外の大学についての情報が欲しい」といったお話をいただくようになりました。
背景には、ここ10年ほどで中田英寿、野茂英雄、イチローといった、世界で活躍する選手が続々と登場して、高校生の中にも、具体的な「世界で活躍する姿」のイメージを持ちやすくなったことがあるのではないでしょうか。さらに、高校生の側から情報を求める動きが高まってきた、という面もあります。例えば、灘高校からハーバードに進学した方が、03年頃のハーバード受験の過程をブログに綴っていて、受験生がロールモデルを見つけやすくなったことが挙げられます。海外大学を志望するような高校生は比較的ITリテラシーが高いですから、このようなブログを発見したりして、受験情報を収集する、というケースも多いです。-――具体的には、どのくらいの数の高校生が、海外進学を希望しているのでしょう。
藤井: 医学部や難関大学受験生用の模試「プロシードテスト」では、08年2月実施分から、志望校として海外の大学も指定できるようになりました。このときは、高校1年生が約5000人、高校2年生が1万3000~1万4000人が受験しました。模試では、志望校を4つ指定できるのですが、受験者のうち、高1の6%、高2の4%が、第1志望校として海外の大学を指定していました。海外大学への関心の高さを裏付けるエピソードのひとつだと思います。
さらに、米国の大学入試で使われるSAT(大学進学適性試験)の対策模試も、国内でスタートしています。08年11月に第1回目、09年2月に第2 回目が行われたのですが、それぞれ30人程度が受験しています。内訳は、インターナショナルスクールが3分の1、公立が1~2割、残りが私立です。高校2 年生の受験が多かったですが、中には中学生の受験生もいました。3分の1が首都圏以外からの受験でした。地方でも、海外大学への関心が高まっていると実感しています。――どのような層が関心を。
藤井; ご家庭からの問い合わせも多くて、MBA(経営学修士)ホルダーや、海外赴任の経験がある親御さんからの問い合わせもあります。米国の大学院で学んだ親御さんが「子どもを学部の段階から米国で学ばせたい」というニーズも高まっているようです。
トップクラスの大学だと「人的ネットワーク」が大きな魅力
-――日本の大学と米国の大学、決定的な違いはどこにありますか。米国の大学にしかない魅力は何でしょうか。
藤井: 大きく3つほどあると思います。
(1) アイビーリーグと呼ばれるようなトップクラスの大学には、世界中から学生・教授が集まり、その人的ネットワークが大きな魅力です。より高いレベルで切磋琢磨したい高校生にとっては、魅力的に映るようです。さらに、入試もペーパーテストだけではなく、エッセイ(志望理由書)などから選抜していきますので、ただ単に「勉強ができる人」ではなくて、部活や研究活動などを評価された人が入学してきます。こうした環境に魅力を感じるようです。
(2) 教養教育(リベラル・アーツ)を受けられることです。さまざまな問題がグローバル化する中で、人種や国境を越えて、多様性を理解できるかが求められてくる時代です。4年間、多様性の中で教養教育を受けられることの魅力ですね。例えば、東大の男女比は8:2なのですが、ハーバードでは49:51で、女性の方が多い。そういう意味でも、多様性の面では魅力的です。
(3) 米国に行くことで、活躍のフィールドが広がること。米国の次のステージとして、欧州なども自らが活躍するフィールドとして選択肢に入れることができます。活躍の場が広がるのは確かでしょう。それに、「大学院から」ではなく、専門分野が定まっていない学部時代から足場を作れる点がアドバンテージだと言えます。ただ、ルートHの生徒は、やりたいことの軸は固まっているのですが、非常に好奇心が強いのです。文理の枠を飛び越えてしまっている。大学院だと、ある一定分野ですが、学部の段階で米国に進学すると、非常に広い範囲で視野を広げられます。日本の大学ですと、入学時点で学部学科を決めないといけませんから、これは大きな違いなのではないでしょうか。-――ルートHがスタートしたのが08年5月。開設以来、どのくらいの反響があったのですか?
藤井: この11か月で、問い合わせの数としては4~500ですか。今でも、毎日数件はあります、問い合わせをしてくる人の割合は、「保護者が6、高校生本人が4」といったところです。
「東大入学以上のレベルを目指したい」という層が対象
-――そのうち、どのくらいが実際の「入塾」に至るのでしょうか。
藤井: 米国の大学入試は、TOEFLやSATのスコアだけでなく、エッセイや面接などで、多面的に選抜を進めています。ただ、当方としては、海外の大学をむやみに薦めるつもりはありません。ルートHは、東京大学に確実に入学できる程度の学力を持っていて、なおかつ、「それ以上のレベルを目指したい」という層を対象にしていますので、電話なり面談なりで、正確な状況をお伝えするようにしています。
ルートHでも、50~60人が明確な入塾の意志を示したのですが、TOEFLや、学校の成績を参考にしつつ、カウンセリングを繰り返しながら、選抜を進めました。入塾までに、最低3回は面談を行っています。「本人は行きたいが、保護者は行かせたくない」という場合もありますし、その逆もあります。このあたりの合意が出来た上で入塾という意志決定をしていただくことが大事だと思っています。
さらに、米国の入試は「ペーパーテストが満点なら受かる」というものでもありません。エッセイや面談で、「どのような課外活動(芸術、研究、各種コンテストなど)を行ったか」などをアピールすることが非常に大事です。このあたりの要素も踏まえて、総合的に判断しました。最終的には、5人が入塾しました。-――入塾した5人は、どんな人ですか?
藤井: 詳しくはお伝えできないのですが、かなりの知的好奇心や学習意欲を持ち、様々なアクティビティーをやってきた人が入ってきています。日本の大学と併願する人がほとんどです。
-――帰国子女が多いんですか?
藤井: ご両親もしくは本人に留学経験があったり、親御さんに海外赴任経験があったり、ということはあります。海外と密接な関係のある人の方が多いです。一方、全く海外経験がなかったり、留学したとしても数か月、という生徒もいます。色々な要素を持ってきた人が入ってきて、それぞれが「化学反応」を起こして成長していって欲しいと思っています。
-――具体的には、どんな授業なのですか?
藤井: 大きく3種類あって、(1)TOEFLやSATなどのテスト対策(2)願書のエッセイ指導(3)エッセイの土台になるような自己分析、を中心に進めています。(3)が一番の核で、「何故海外に行きたいのか」といった点を分析して、しっかりとした「自分の軸」を持てるようにします。(2)と(3)は1対1の授業で、(1)が少人数クラスです。現役のハーバード生との交流プログラムもあります。
定員は15名で、実際の受講生は5人
-――日本の大学ですと、2月の入試に向けて「逆算型」で準備を進めるのだと思いますが、海外大学の場合は、どうですか。
藤井: 米国では、受験の準備の状況によって、出願のタイミングが、アーリー(11月出願締切)で行くのか?レギュラー(1月出願締切)で行くのか?などで異なります。ですので、日本の「逆算型」の受験対策の考えを改める必要があります。また、受験準備には、一般的に2年以上の準備が必要と言われますが、高3からの数か月で一通りの対策ができる人もいます。ルートHでの授業の取り方も、各自の準備の状況に応じてカスタマイズされています。このあたりの受験戦略を考えるのも、(3)の講座の役割です。
-――ルートHの学費は年間150万~300万円と言われていますが、「特待生」はいますか?
藤井: 特待生はいません。「ルートH」に入ってくるのは優秀な高校生ばかりなので、(特待生制度を導入すると)全員タダにしないといけなくなってしまいます(苦笑)。
-――わずか5人の受講生に対して「至れり尽くせり」にも見えますが、経営的にはいかがですか。「現段階では初期投資」ということですか。
藤井: 現時点では、事業単体としてはまだ模索している部分があります。しかし、ベネッセとしては「子どもの多様な進路をサポートしたい」という思いがあり、「海外に視野を向けている子どもがいるのであれば、然るべき選択肢を提供したい」と考えました。
単に事業の拡大だけを考えれば、受講生を増やせば良いと思われるかもしれませんが、収益だけを考えた安易な拡大をするつもりはありません。定員は 15名に絞っています。さらに、実際の受講生は5人です。日本の高校からハーバードに受かるのは、年に1人~2人で、アイビーリーグ全体で見ても、日本人の合格者数はせいぜい20人程度だと言われています。受かる人数が少ない分、それだけの素質があり、かつ本気で海外進学を考える人に来ていただければと思っています。-――1年近くやってみて、手応えはいかがですか。
藤井: (SAT・TOEFLの)スコアの伸び率は、かなりのものを感じています。英語力は、半年程度あれば、ある程度の水準に持って行けると実感しています。また、自己分析力の育成も、半年以上トレーニングを続けていけば、行動と実績が目に見える成果として表れてきています。
ルートHの5人は、現状では「確実に東大に受かるだろう」というレベルです。にもかかわらず、あえて茨の道を進んでいます。受かるかどうか分からないリスクを背負ってでもチャレンジしようとする志・気概に、最近は感銘すら受けています。「自らリスクを取って挑戦したい」という彼らの思いに何とか応えてあげたい、というのが、1年間を振り返ってみての感想です。私たち塾として、出来る限りのサポートはしてあげたいと思います。
受験科目を減らして受験生を集める私大
2009年5月10日
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「大学崩壊」シリーズの第6回。千野信浩氏は私立文系大学が入試科目から数学を外したことの弊害を説いているけど、現状はもっとひどいと思うよ。
2月の一般入試では3科目必要な大学でも、11月の推薦入試では多くて国語、英語の2科目、中には英語だけといったところがどんどん増えているよ。最近流行の「AO入試」は面接と書類だけ。「指定校推薦」なんてのが増殖していて、これは高校の先生が書く推薦書だけでOKというわけだ。高校生の代わりに先生が受験しているようなもんだ。
今の高校生はこれに群がってるよ。だって、受験勉強なんか一切必要ないんだもの。受験生の半分ぐらいが指定校推薦で合格すると言う高校もあるはずだよ。
数学不要にした私立大の入試 これが日本の教育歪める最大原因
(連載「大学崩壊」第6回/週刊誌記者の千野信浩さんに聞く)
2009/5/ 9大学は、学生の親や企業、社会からの要請にどこまで耳を傾けているだろうか。そしてその要請に応えようと努力しているのか。週刊誌記者の千野信浩さんに、「大学ランキング」から見た大学の「実像」を聞いた。
大学は「いい話しかしない」
――大学を評価するランキングには、論文引用数や各資格試験の合格者数、研究費など様々な視点があります。一番関心が高いランキングは何でしょうか。
千野 もう15年以上前ですが、企業の人事部長に大学の評価を聞いてランキングにする企画を始めました。当時は大学に関するデータらしいデータは公開されず、評価しようにも評価しようがない状況でした。入試の際の偏差値がすべて、といった感じでした。そこでやむなく、大学外部からの視点での評価、ランキングを考えたのです。
人事部長を選んだのは、新入社員の採用というシビアな視点が必要とされる場で長年学生を見続けた彼らの話が説得力を持つと思ったからです。あくまで「採用したい学生に出会う確率」であって、出身大学即優秀さの証明ではありません。記事は好評で、狙いは当たっていたと思います。その後、似たような企画をよく見かけるようにもなりました。
大学をちゃんと評価するにはどうすればいいのか、新しい方法がないかと今でも考えています。しかし、数値化できない話も多く、これという軸が思い浮かびません。――ランキングによって大学は変わりましたか。
千野 受験界からの評価しか知らなかった大学にとっては相当インパクトがあったようです。でも徐々に、社会との関わりについても大学は関心を持つようになっていったように思います。いまでは財務諸表や事業計画書なども公開するようになり、経営的な面でも以前に比べればはるかに「大学の姿」が見えるようにはなってきました。また、ほかでも自分たちの中身を積極的に知らせようとする姿勢も出てきました。もっとも、何を知らせようとしているか、については問題がありますが。
――どんな問題ですか。
千野 いい話しかしないことです。こんな素晴らしい学生がいる、と。確かにどんな大学でも上位5%の学生は、優秀だったり人間的魅力もあったりするでしょう。しかし、問題なのは平均的な学生の質です。学生の親たちや企業、社会が知りたいのはだいたいの平均像であって、トップ5%の話ではありません。大学側が自分たち自身を知ろうとしない、そこから目を背けているという気すらします。
数学勉強した学生は、論理的に積み上げていく力がある
――ランキング取材の中で、「勝ち組」の共通点が何か見えて来ましたか。
千野 入試の偏差値とかなり相関関係はありますが、学校の伝統、校風が確立されているところの評価が高い傾向にあります。OBを含めて、学生たちは周囲に刺激されていろんなことに関心を持つようになるものです。例えば慶応から400人もの公認会計士試験合格者が出るとか、東大で天下国家を真剣に語るようになるとか、そういう環境に身を置いていることが、何かしら学生が向上していくきっかけになるのです。
大学は新しいカリキュラムの導入とか、新たな学部学科のコンセプトなどは懸命に宣伝しますが、それがどんな実績を挙げているのか、についてはほとんど口をつぐんでいます。――しかし、偏差値が高くなくても評価が高い大学も一部あるようです。こうした大学に共通する点は何でしょうか。
千野 偏差値はともかく、やはり「伝統の力がある」「校風を持っている」という点は変わりません。それに、規模が小さく小回りがきく方が、大学運営に生かせるようです。大都市圏が有利ですが、地域密着型で高評価の大学もあります。
会社にたとえて考えると、ほとんどの大学は工場長のような立場の教授たちが教授会という絶対権力を持っています。そんな会社がうまくいくはずがありません。営業や経営企画にあたるような事務方やトップの理事長が大学を引っ張る力を持っている所は、変革する力があり、ニーズを汲んだカリキュラムの作成などが可能となってきます。そんな学校ならば、注目度が高まる改革を実行し、ひいては偏差値の上昇などにつながっていくでしょう。ただし、そういう大学はごく少数です。――ほかにも問題点があるようですね。
千野 あまり語られることがないのが不思議なのですが、私立大学の入試システムが日本の教育を歪める最大の原因だとすら思っています。学生に人気のない数学を多くの入試で不要としてしまっていることです。入学した後必要になるはずの経済学部系ですら数学力を問わない私立のリーダー校があります。ここに影響され、ほかの大学も数学が苦手だという学生の「ニーズ」を取り入れ、数学なしの入試にしてしまいました。これは高校にも中学にも影響を与え続けてきました。
経済学部系だけにとどまる問題ではありません。話を聞いたある私立大の歴史の先生は、「論文を見れば数学をやってきた学生かそうでないか、一発で分かる」と話していました。数学を勉強してきた学生は、論理的にものごとを積み上げていく習慣がついている、という訳です。企業側に根強い旧国立大人気には、文科系でも数学をやってきたか、論理的にものごとを考える素地があるか、理科系でも歴史や国語の素養があるのかが明らかに影響しています。――柔軟な改革ができない大学は、今後つぶれていくのでしょうか。
千野 負け組になるのは間違いありません。ただ、5、6年前から少子化で大学がつぶれる、つぶれると言われ続けていますが、意外と何とかなっています。財務状況を文科省にチェックされ、無茶はあまりできないことが影響しているのかもしれません。ある層以下の学校は、名前は大学だけど教育の内実は専門学校化することで、生き残っていくことになるのではないでしょうか。
高校「専攻科」から大学編入可能に
2009年5月5日
入試という関門を迂回して大学進学できるバイパスがまた一つ増えたと言うことかな。高校側というより、むしろ生徒確保に必死な大学側の要請だと思うよ。
2009年5月5日
高校3年間の学習を終えた後、さらに技量を高めたり、資格を取ったりするために看護科や水産科などに併設されている2年制の「専攻科」について、文部科学省はこれまで認めてこなかった修了者の大学への編入学資格を認める方針を固めた。早ければ11年度から実施するとみられる。
「大学でさらに専門性を高めたい」という希望が多いことを踏まえ、専攻科で学んだことを大学の前期課程などと同等とみなせるよう、学校教育法などの関係法令を改正する考えだ。これにより、専攻科を終えた生徒は大学入試を受けて学部の1年生から始めなくても、編入学が受け入れられれば3年次からスタートできるようになる。
文科省によると、高校に専攻科を設けているのは看護科、水産科、工業科など全国で142校で、生徒数は約9千人。修業年限は法令で「1年以上」と定められているが、実際には2年間のところが多い。
専攻科の教育目的を大別すると、(1)高度な技術の習得(工業、商業など)(2)資格取得(水産、看護、福祉など)(3)社会人の再教育(農業)――に分けられる。高校看護科は8割、水産科では6割が専攻科を設置しており、看護師免許や海技士免許の取得を目標にカリキュラムを設定しているところが多い。
特に看護の専攻科では「さらに高度な医療の技術や知識を身につけたい」と大学編入を求める生徒が少なくないといい、文科省はカリキュラムや必要な教員数、施設・設備のあり方を検討し、設置基準を明確にした上で大学編入を制度化する考えだ。
大学への編入学は、短大や専修学校の専門課程などで認められている。専攻科で実現すれば、すべての学校種から大学への編入が可能になる。(編集委員・山上浩二郎)
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