名古屋市議会「塾経営者を教育委員に」案を大差で否決

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「教育委員に塾経営者」河村市長人事案、1対73で否決

名古屋市議会は14日、学習塾理事長の教育委員選任案を、反対多数で否決した。

河村たかし市長は「教育委員会を改革するため」としていたが、議会側は「公教育に営利目的の塾経営者を入れるのは問題だ」とする意見が大勢を占めた。同市議会事務局によると、記録が残る過去40年で、人事案が否決されたケースはなかったという。

否決されたのは、学習塾「明倫ゼミナール」の杉藤清行理事長(65)の教育委員選任案。野党の自民、公明、共産に加え、与党の民主も反対し、1対73の大差だった。採決の結果を不満とした河村市長が発言を求めて議長席に詰め寄り、制止される場面もあった。

議会終了後、記者会見した河村市長は「小中学生の7割が塾に通う中、議会は子供たちを向いていない。形骸(けいがい)化が叫ばれている教育委員会に塾関係者を入れることで、初めて教育改革は進む」と厳しく批判した。教育委員は現在5人で、法定数を満たしているため、河村市長は新たな委員を選任せず、杉藤理事長を市の経営アドバイザーに任命する考えを明らかにした。
(2009年10月15日01時16分  読売新聞)

教育実習1年・免許は修士号

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教育実習1年・大学院2年必修を検討 教員養成で文科省
2009年10月14日

教員養成をめぐり、文部科学省の政務三役は、大学の学部4年間だけでなく大学院の2年間も必修とし、修士号を免許取得の条件とする「教員養成課程6年制」を導入する方向で検討を始めた。現在は2~4週間の教育実習についても1年間に延ばす考えで、子どもと向き合う経験を増やし、よりていねいに教員を養成する方針だ。

文科省の政務三役は、10年に1度、現役教員に大学などで講習を受けることを義務づける教員免許更新制を10年度限りで廃止する方針を固めており、教員養成の6年制化はそれに代わる教員の質向上の手だてと位置づけている。

民主党の総選挙のマニフェストにも盛り込まれており、大学院修了後、最初に取得する一般免許状のほか、8年以上の実務経験を積んでから取得できる専門免許状を設けることも想定している。文科省は、現在の教員免許更新制で講習を受けた教員の受講分について、将来専門免許状を取る際の単位に振り替えられるようにすることも検討する。

ただ、6年制の実現に向けては、大学院側の受け入れ態勢が整うか、1年間にわたる教育実習の受け入れ先が確保できるかという問題があり、相当の準備期間が必要になるとみられる。(青池学)

OECDレポートが証明する日本の教育公費の低さ

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新教育の森:教育にかける公費、乏しさ浮き彫り 重すぎる日本の私費負担

◇OECDデータ比較

経済協力開発機構(OECD)が「図表で見る教育09年版」を公表した。加盟30カ国の教育に関するさまざまなデータを比較分析したリポートから読み取れる日本の教育の現実とは--。【井上俊樹】

◆対GDP比3.3%

日本の06年の公的財源からの教育支出の対国内総生産(GDP)比は3・3%(OECD平均は4・9%)で、比較可能な28カ国中ワースト2位、大学などの高等教育への支出に限れば0・5%(同1・0%)で最下位、すべての公的支出に占める教育費は9・5%(同13・3%)で27カ国中最下位--。OECDのリポートで改めて浮き彫りになったのは、他のOECD諸国に比べて著しく乏しい公的教育支出の現状だった。

一方で際立っているのが私費負担の重さで、公私合わせたすべての教育支出に占める私費割合は33・3%と、日本と同様に私立大学が大半を占める韓国(41・2%)に次いで2番目に高かった。とりわけ負担が重いのが大学などの高等教育段階で、OECD平均(27・4%)をはるかに上回る67・8%が私費で占められ、やはり韓国に次いでワースト2位だった。

これに対し、大半の大学が国公立で、授業料も無償か低額、または奨学金制度が充実しているヨーロッパは総じて私費負担が少なく、最も負担の軽いノルウェーは高等教育段階でも3%にすぎない。

◆大学入学が家計圧迫

重い負担は家計を直撃している。東京地区私立大学教職員組合連合が首都圏の16私大・短大の新入生家庭を対象に行った調査によると、08年度の初年度納付金の平均は130万9061円。5人に1人は入学費用を借り入れにより工面していた。自宅外通学者の家庭では入学年度にかかる費用が年収の3分の1にも達していた。国立大の授業料も過去30年で15倍になり、もはや低所得者層の受け皿とは言えない状況だ。

初等中等教育(小中高)段階でも決して負担が軽いわけではなく、私費割合はOECD平均(8・8%)より高い10・1%。日本は私立高校に通う生徒が約3割、東京都に限れば半数以上と、欧米の主要国(数%~20%程度)に比べて多いのが大きな理由だ。しかも、その私立高校ではこのところ授業料値上げが相次いでいる。大阪府では今年度、府内の私立94校の半数以上の50校が、東京都でも233校中54校が値上げした。中には一気に年間20万円近い値上げに踏み切った高校もある。日本私立中学高等学校連合会によると、08年末時点の授業料滞納率は2・7%。経済情勢の悪化で07年度末の3倍に増えた。

◆目標5%、財源は?

民主党は公的財源からの教育支出をGDP比で「先進国の平均水準(5%)に引き上げる」目標を掲げている。無論、それには財源が必要だ。北欧諸国の場合は教育費を無償にする代償として、国民は税率25%前後の付加価値税(消費税)など、世界最高水準の高い税負担を課せられている。仮に民主党の目標を達成するとすれば、新たに必要な財源は8兆円程度になる。
◇1学級当たりの児童数、平均21・4人 日本28・2人、多さくっきり

OECDの調査では、日本の1学級当たりの児童・生徒数の多さも明らかになった。07年は小学校が28・2人で、23カ国のうち、韓国(31人)に次いで多く、最少のルクセンブルク(15・8人)とは12人以上、OECD平均(21・4人)とも7人近い差がある。中学校も33・2人とOECD平均(23・9人)を大きく上回った。

◆学級編成基準の違い

日本の小中学校の学級編成基準は上限40人。文部科学省によると、例えば米カリフォルニア州の小学1~3年生、イギリスの小学1・2年生はいずれも上限30人、ドイツは4年生まで標準24人と、政府の基準自体が日本より少ない。日本でも都道府県の負担で教員を増やして「30人」や「35人」といった少人数学級を実現している自治体も増えているが、欧米諸国に比べれば、まだまだ見劣りする。

学力向上だけでなく、いじめや不登校対策など、きめ細かい指導をするためにも、少人数学級の実現を求める声は多い。文科省によると、仮に学級編成基準を30人に引き下げるには、教員の給与総額で年間8000億円程度が必要になるという。
◇4年制大学進学率は18位 卒業率90%はトップ、平均69%

今春の大学進学率が初めて50%を超えたことが話題になったが、4年制大学(医学部などは6年制)に限れば日本の大学進学率は必ずしも世界トップ水準というわけではない。

今回の調査対象となった07年時点では日本は46%で、27カ国中18位。1位のオーストラリアは86%に達し、OECD平均でも56%。ただ、日本の場合は高校卒業後、短大や専門学校に進むケースが多く、これらを含めた高等教育機関全体では76%と、OECD平均(71%)を上回る。

一方、日本の高等教育機関の中退率は著しく低く、卒業率(05年)は90%と19カ国中トップ。OECD平均は69%で、最も低いアメリカの場合は47%にとどまる。OECDは日本の教育成果の一つに挙げるが、「入りさえすれば卒業できる」日本の高等教育機関の実態を改めて浮き彫りにした、ととらえるほうが的確だろう。
◇給付型奨学金の拡充と財源の議論を--欧米の教育費事情に詳しい東京大学大学総合教育研究センターの小林雅之教授(教育社会学)の話

教育費には大きく分けて三つの考え方がある。

一つ目は教育は社会全体で支えるという考えのもと、税負担が大きい代わりに私立大も含めて無償にするスウェーデンのような北欧型。二つ目が返済が必要なローン型奨学金を利用して学生自身が負担する個人主義的なアメリカ型。

これに対し、親が子供の教育の面倒を見るのが当たり前というのが日本や韓国の考え方だ。

しかし、このままの高い学費で、しかもかつてのような経済成長も期待できないとすれば、所得の高い人は高学歴で子供も高学歴・高所得、所得の低い人はその反対という「階層の再生産」化がますます強固になる。そうやって可能性が閉ざされた社会には活力がなくなり問題だ。

民主党が掲げる「GDP比5%」は現実的には難しいが、日本の公的教育支出は明らかに少なすぎる。

ある程度高い授業料は取るが、一方で低所得層対象に返済をしなくてもよい給付型奨学金を拡充すべきだ。ただそれには何らかの形での増税は避けられず、今後議論する必要がある。

川端文科省「高校無償化」への取り組みを表明

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川端文科相、高校無償化に意欲

「高校教育を実質無償化し、国民負担を軽減していきたい」。文部科学相に就任した川端達夫衆院議員は就任後の記者会見で、民主党の看板政策の実現に強い意欲を示した。同党が建設凍結の方針を打ち出していた「国立メディア芸術総合センター(仮称)」は「納得ができる形で決着をつけたい」と強調した。

全員参加型の全国学力テストについては「抽出調査で良いとの方向で議論を進めたが、現場の声もあり幅広く意見を求めたい」と検討の必要性を指摘。一方、今年度から導入された教員免許更新講習は「不適格教員については別の方法でいなくなるやり方があるのでは」と否定的だった。

これまで文部科学省との接点は薄かったため、同省では職員が経歴などをパソコンで確認する姿も。高校実質無償化などの政策について省内には「予算確保に追い風」ととらえる向きもあり、幹部の一人は「他省庁との調整などに政治力を発揮してほしい」と期待した。(07:00)

総選挙の争点としての教育

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教育費、家計負担軽くなる? 〈総選挙〉政策・公約チェック
2009年8月24日

総選挙の投開票まで、あと1週間。政権交代がかかった今回の選挙では、教育政策をめぐって各党が数多くのマニフェスト・公約を掲げて競い合っている。何が語られているか。実現可能性は。2回にわたり「総ざらえ」で点検する。初回は、家庭の教育費負担の軽減策をみた。(上野創、青池学)

■進学支援

文部科学省の学校基本調査の速報値によると、4年制大学への進学率はこの春、50.2%と初めて5割を超えた。その分、家庭の教育費負担も増える。日本政策金融公庫の調査によると、高校入学から大学卒業までにかかる費用は1人あたり平均1023万円に上る。ここをどう手当てしていくかは、各党が公約で重きを置く点の一つだ。

自民は、返済しなくていい「給付型」の奨学金制度を高校生、大学生について設けることを目玉に掲げる。「今でも家計が苦しいのに、さらに借金が増えたら返済の負担に耐えられない」。そう考えて奨学金を利用せず進学をあきらめる学生は少なくない。ならば「給付型」で支援しようという考えだ。

この「給付型」は自民・公明の連立与党重点政策に盛り込まれている。自民はさらに低所得者の授業料無償化を訴え、公明は▽中・高校生の教育関係費の一部の税額控除▽所得に応じた高校授業料の減免▽経済的に困難な小中高校生の支援基金の設立――などもうたう。

低所得層を重点的に支援するこうした与党側の政策に対し、「高校無償化」で全体を支援するというのが民主案だ。政権をとれば10年度から実施するとしている。

具体的には、公立高校生の家庭に、年間授業料に相当する12万円程度の就学支援金を出して実質的に無償化。私立の家庭にも同じく年間12万円程度を出し、低所得者には倍の24万円程度を支給する。大学生向けには希望者全員が受けられる奨学金制度を創設するとしている。

高校無償化は、民主、社民、国民新の3党が合意した「共通政策」にも盛り込まれた。共闘関係にある新党日本も高校無償化を掲げる。

社民は無償化の対象に入学金を含めたうえで、3分の1に下げられた義務教育費の国庫負担率を2分の1に戻すことを盛り込む。国民新は、進学などで実家を離れた子どもをもつ家庭向けの「仕送り減税」も唱える。

共産は、公立無償化に加え、私立の入学金、授業料について年収500万円未満は全額助成、800万円未満は半額助成とする「授業料直接助成制度」を提示。給付型奨学金の創設と、国の奨学金の無利子化も掲げている。

みんなの党も高校、専門学校、大学について、給付型などによる奨学金制度拡充をうたっている。

■子育て

各党の公約には、子育て支援策も多く盛り込まれている。

自民が前面に打ち出したのは幼児教育の無償化。3~5歳児の幼稚園・保育所の費用負担を段階的に軽くし、12年度から完全に無料にするとしている。公明は自民同様の無償化と共に、児童手当の支給対象を現在の小学生から中学生まで引き上げ、額を倍増させることを盛り込んだ。

幼児教育無償化は民主も政策集で触れてはいるが、眼目は「子ども手当」。月額2万6千円を中学卒業まで支給する考えで、まず来年度、半額支給から始めるとする。

他の野党も、社民は18歳まで月額1万円(第3子以降は2万円)、みんなの党は中学卒業まで月2万~3万円支給するとしている。共産は幼稚園と保育所の費用軽減を掲げつつ、公的保育(市町村立の認可保育所)を増やして待機児童をゼロにするという。

教育に対する日本の公費支出は他の先進国より格段に低く、その分を家庭が負わされている――。こんな指摘は言われて久しい。経済協力開発機構(OECD)の調査によると、日本の国内総生産(GDP)比の教育予算は先進国の最低レベル。05年のデータは3.4%と、資料がある28カ国で最低だ。

今回の総選挙では、ほとんどの政党がこれをOECDの平均レベル(5%)に引き上げるとうたっている。自民、公明、共産は数値を入れずに「OECD諸国並み」とし、民主や社民は「5%」と明記している。

■実現の道筋

様々に並ぶ教育費の負担軽減策と予算拡充案。しかし、本当に実現できるのだろうか。

例えば、教育予算のGDP比をOECD加盟国の平均レベルにもっていくには7兆円以上が必要とされる。自民と公明が掲げる幼児教育無償化は、文科省の試算では7900億円が必要だ。民主は子ども手当に5兆3千億円、高校無償化と奨学金の拡充に9千億円かかるとしている。

自民は11年度までに消費税引き上げを含めた税制改正を行って財源に充てるとするが、「OECD並み」実現には単純計算で3%近く消費税率を上げなければならない。そもそも、こうした税制改正は「景気回復」を前提にした話だ。

民主は、天下り法人への補助金や非効率な政策など無駄を削減し、政策の優先順位を厳格にしていく中で実現するとしている。しかし、教育関係の公約を実現するにはそれ以外の施策を相当削り込まなければ困難だ。いずれにしても、実現までの具体的な手順は有権者には見えていない。

本当に最優先で実現すべき政策なのか、疑問が投げかけられている公約もある。

例えば、高校の授業料については、現在でも低所得者向けの減免制度がある。経済的に困難な生徒は、むしろ授業料以外でかかる学用品、制服、修学旅行の積み立てといった費用の負担が厳しく、その支援策こそ先決だという指摘も強い。

漫画家・倉田真由美さん―公立校の教育、底上げが必要

いま小3の息子がいて、年末に第2子を出産予定です。やはり関心があるのは教育や子育ての政策です。各党が教育や子育てをメーンのテーマのように取り上げていますが、私たち一般の人間にはありがたいですね。

ただ、例えば幼児教育の無償化は自民党がうたい、民主党も言及しているけど、認可外の保育所はどうなるんだろう。高額の認可外保育所もありますが、そこも無償になるのかどうかは書いていない。公約は具体的じゃないと判断材料にならないですね。

親として注文があります。学校で、インターネットの危険性をきちんと教えてほしい。例えば児童ポルノは、表面化していない事件がいっぱいあると思う。親が危険性をわかっていないこともあるだろうから、学校で教えるべきです。

近々、息子を連れて福岡から東京に転居します。中学校のことを考えると、東京では公立と私立のレベルの差が大きくて、公立に通わせていいのか心配になります。ほぼ全員が公立中に行く福岡では考えもしなかった問題です。

だれもが行ける公立校でこそ、高い水準の授業が受けられるようにするべきです。子どもが受ける教育の水準が、子ども自身の学力ではなく、親の経済力によって左右されるのはおかしい。公立校の教育の底上げが必要ではないでしょうか。

4年前に争点となった「郵政民営化」なんて、専門家じゃないから今も全然わからない。それでも当時はその是非だけを基準に投票してしまったけど、いま考えれば大事なことは他にいくらでもあった。前回の選挙を反省材料にしたいですね。

小林雅之・東大教授―全体で支える意識を

日本の教育予算が少なく、家計の負担が重い問題について、ようやく政治家が関心を持つようになった。ただ、自民などが掲げる給付型奨学金も、民主などが打ち出す高校無償化も、先進国ではすでに整備されている。どちらかではなく、両方が必要だ。

こうした政策が総選挙の時だけ語られ、実現されないままになってしまっては困る。危機的な財政のなか、財源をどうするかは難しい問題だが、予算の組み替えなどで対応していくべきだ。教育費は社会全体で支えていく、という方向に人々の意識を切り替えていく必要もある。そういう視点で考える人が増えないと、教育予算を増やしていくのは難しい。

総選挙で教育政策はどう語られているか。それは何を意味しているのか。各党の公約点検企画の後編は、様々な制度にかかわる問題を中心にみた。(青池学、上野創)

■少人数教育

教員が忙しい。同じ教室で学ぶ子どもの習熟度に大きな差が出ている――。教育現場のそんな状況を踏まえ、各党がこぞって公約に掲げたのが「少人数学級の推進」。1学級の子どもを少なくすれば、子どもを今よりもていねいに教育できる、という考えからだ。

日本の小学校の1学級あたりの児童数は28.2人。経済協力開発機構(OECD)加盟国では下から2番目の低水準だ。中学校も下から2番目の33.2人で、OECD平均の23.8人とは約10人の開きがある。文部科学省の幹部も「日本は学級規模でいえば後進国」と認める。

これまで政権を担ってきた自民は公約に「4年以内に少人数学級を実現」と記載した。ただ、地域ごとに事情が異なることを考慮し、1学級あたり何人を目指すのかは記していない。公明も目標人数は具体的に記さず、少人数学級や、1学級を複数の教員で指導するチームティーチングの推進を掲げる。

野党では共産が「30人以下学級」、社民が「学級生徒数は20人を目指し、当面は30人以下学級の早期完全達成をはかる」とした。

一方、民主は「教員1人あたり生徒数」という指標を改善し、少人数学級を進めるとしている。日本は小学校19.2人、中学校14.9人だが、これをOECD平均の小学校16.2人、中学校13.3人に減らすことを目指す。

小泉政権下で成立した行政改革推進法や、閣議決定された経済財政運営の基本方針「骨太06」により、文部科学省は教員増の要求を抑えつけられてきた。財政再建路線のもとで教員を含めた公務員全体の定員削減が進められたためだ。

それだけに、教員配置を手厚くし、少人数学級を進めると各党が一斉に訴えている現状について、文科省幹部は「歓迎すべきことだ」と口にする。

ただ、少人数学級を実現するうえでどれだけの経費が必要となるかという数字は、自公も、野党の民主、共産、社民も公約に示していない。

仮に民主が目指すOECD平均並みの教員配置を小中学校で実施した場合、「教員は十数万人増、人件費は8千億円程度かかる」と文科省はみている。

■国立大学運営費

大学を運営する基盤的な経費として国から各国立大学に交付される「運営費交付金」は政府の財政再建路線のもとで削減が続いており、小泉政権が閣議決定した経済財政運営の基本方針「骨太06」で対前年度比1%削減を07年度から11年度まで続けることが決まっている。

04年度に総額1兆2415億円だった交付金は、09年度は1兆1695億円。5年で720億円が削られた。国立大からは削減方針の撤廃を求める声が繰り返し上がっている。

自民は公約で運営費交付金を「充実」させると表現しているが、同党の幹部の一人は「増やすのは財政的に困難。従来の削減方針を変えるということではない」。

これに対し、民主は「自公政権の削減方針を見直す」と訴え、共産は「削減された720億円を直ちに復活させる」、社民は削減方針を「転換」するとしている。

そもそも、大学などの高等教育機関に対する日本の公財政支出は、対国内総生産(GDP)比0.5%で、OECD加盟国では最下位だ。

しかも、支出の変化をみると、00年の額を100とした場合、05年はイギリス148、アメリカ132、韓国136、OECD平均は127でいずれも100を超えているのに対し、日本は93。加盟国で100を切ったのは日本だけだ。

政権交代すれば、大学への予算配分が手厚くなるかもしれない――。文科省にはほのかな期待感が漂うが、運営費交付金は1%削減するだけで100億円が浮くことから、省内には「他の政策を実現するため、引き続き削減のターゲットにされる可能性がある」との見方もある。

■全国学力調査

全国の小6、中3全員を対象とし、文科省が07年度から始めた全国学力調査。予算は年間60億円程度必要だが、「金と労力に見合うほどの分析結果が得られていない」「その分を他に振り向けた方がいい」という声が現場や教育委員会には根強い。

これについて、自民は今後も続けることを公約で明示しているが、共産、社民は、全員を対象にする現在の方式をやめ、サンプルを取り出す抽出調査に改める方針を示している。民主も公約には記載していないが、省庁の事業の必要性を洗い直す「事業仕分け」の中で、「抽出で十分」と判断している。

今年度始まった教員免許更新制も、与野党の対立点だ。教員に10年ごとに免許更新講習を受けることを義務づける制度で、自民は継続方針だが、共産は「政府言いなりの『物言わぬ教師』づくりを進めるのがねらいだ」、社民は「教員の負担を増すだけ」としてそれぞれ中止を訴えている。民主も、「事業仕分け」の結果、「効果が不透明。教員の負担が増し教育現場が疲弊する」として「廃止」と判断している。

■「基本法」

自民は公約で、安倍政権当時に成立させた改正教育基本法の理念を「かたちにする」としている。

教育基本法は戦前の軍国主義教育への反省から「個」の尊重をうたったが、安倍政権は06年12月の改正で「我が国と郷土を愛する態度を養う」といった「公」重視の項目を盛り込んだ。今回、その理念のもとで、道徳教育や伝統文化教育の強化などを掲げる。

「教育基本法」は、実は民主も改定をねらっている。マニフェストの母体となる公約集の文部科学政策のトップには、党独自の「日本国教育基本法案」の概要を掲載。「党の教育政策の集大成」と位置づけ、国会に提出する姿勢を示している。

この法案は、基本法改正が論議されていた当時、対案として国会に提出したものだ。公約集では触れられていないが、前文には「我々が目指す教育」として「日本を愛する心を涵養(かんよう)すること」と書かれている。

民主の保守系議員には「愛国心をめぐる表現は自民党より踏み込んでいる」と自賛する声があるが、旧社会党出身議員や日教組系議員を抱える党内では、「愛国心」に関する考えは一様ではない。今後、党内対立の火種になる可能性がある。

この基本法案には、地方の教育行政を教育委員会から首長に移すことも盛り込まれている。「合議制による教育委員会は責任が不明確で、いじめや不登校といった問題に対処できない」「選挙で直接有権者から選ばれる首長の責任で改善を進める方がよい」という考えからだ。

だが、教育委員会制度もまた、戦前の教育への反省から、教育の政治的中立を保つために創設された経緯がある。

基本法案には、政治的中立が保たれているかどうかをチェックする「教育監査委員会」の設置もセットで盛り込まれているが、民主の支持団体の日教組も含めて論議を呼ぶのは必至だ。党内にも「政権交代したとしても、提出までに数年は議論の時間が必要だろう」との声がある。

経済評論家・勝間和代さん―「機会の平等」推進に予算を

教育の家庭の負担の多さがやっと問題視されていますが、「遅い」と思います。

格差社会がなぜ悪いか。さまざまな実証研究が示していることは、格差が広がるほど社会全体の幸福度が下がるという点。「勝ち組」と言われる人々も、社会不安、リスク増大、転落のプレッシャーなどで幸福度は下がります。

教育に予算をかけ、「機会の平等」を進めるのは社会全体に必要なことでしょう。

ただ、教育は学問だけではない。教科の知識以前に、問題解決能力や他人の意見を聞いて自分の意見を組み立て、伝える力などを育てないと社会に出て行けない。企業は採用後に再教育するコストをかけなくなっているんです。

数学は論理的思考につながり、歴史は過去を知って未来を思い描くために学ぶ。目的を考えずに、計算と年号を覚えさせるだけの授業を続けても仕方がない。私同様、仕事を持ちながら子育てをしているお母さんたちから「どこの学校なら創造力や社会で役立つ力を育ててもらえる?」とよくきかれます。親の私立志向が高まるのは、授業を時代に合うように工夫してくれるからです。

私立は先生の質のばらつきが少ないのも大きい。10年に1回の研修などではなく、公立の教師の質を上げる効果的な方法を本気で考えてほしいです。同時に、待遇改善や教員の増員、昇進などでモチベーションを上げる。予算はそっちにも使わないといけない。

大学改革は各党の注目度が低いけれど重要です。ばりばりにアカデミックなのは上位校だけにし、それ以外は、社会のニーズを基にどんな人材を輩出するかデザインを明確にし、職業訓練に力点を置くべきです。入試を改善すれば、高校教育、義務教育も変わります。

教育投資は将来的に6%のリターンがあるといわれますが、育った人材が社会に出て付加価値を生むことが前提です。国が予算をかけても、フォローアップをきちんとしなければ意味がない。そういう当たり前のことを政治家にもお願いしたい。

耳塚寛明・お茶の水女子大副学長―実効性ある改革へ、じっくり議論を

教育政策が重視すべき両輪は平等と質だが、日本の教育は今、その両面で岐路に立つ。総選挙後に政権を担う党が取り組むべき課題は何か。

一つ目は、対GDP比で先進国中最低水準にある教育への公財政支出をどう増やすか、だ。

06年に安倍政権が成立させた改正教育基本法は、政府に教育振興基本計画を定めることを義務づけた。その後、基本計画をつくる段階では、公財政支出引き上げの数値目標を盛り込むかどうかで文科省と財務省で攻防があり、結局削られた。

数値目標がなければ、実際には予算はきちんと確保できない。この点で、改正教育基本法は、教育政策上の意義をすでに失ったといえる。今後の政権には、平等と質を確保する基盤である公財政支出をどう拡大させるかに取り組むことが求められている。

二つ目は格差是正。所得階層を問わず教育費を支援するか、低所得層に絞るかという問題はあるが、まず後者への支援を急ぐべきだ。

第三は、大学教育の質の確保だ。日本の場合、少子化や入試の多様化で、入試を通じて学生の質を維持・向上させる仕組みが崩れた。グローバル化が進む中、日本での学歴が国際的に通用しなくなる恐れがある。それをどう防ぐかも大事な課題だ。

ここ数年の教育政策の形成過程をみると、政権が有識者会議を立ち上げ、時間をかけずに結論を出し、実行するという流れができている。

そこでは実証性に欠ける「思いつき改革」ばかりが提案され、現場が混乱した印象を受ける。総選挙後に政権を担う政党には、データに基づき、長期的な見通しをもって教育政策を企画実行することが求められている。

衆院選何が問われているかー教育改革

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私はこう見る:09衆院選/8 教育改革 西村和雄氏/尾木直樹氏

教育に対する公的負担の割合が低い日本。経済協力開発機構(OECD)の08年報告によると、日本の国内総生産(GDP)に対する教育費の公財政支出の割合は3・4%で、回答した28カ国中最低だった。不況で教育費の負担感は増し、親の所得格差が子供の教育機会に影響する「教育格差」も問題となっている。

こうした事態を受けて、幼児教育や高校教育の無償化など教育への公的支出の増額を訴える政党もある。だが同時に、教育の「中身」も問われている。【構成・白戸圭一、大貫智子】
◇学力向上の具体案を--京都大経済研究所所長・西村和雄氏

この20年、日本では子供の教育に金がかかり過ぎるようになった。公立高校の授業料が値上がりしたことと、公教育の学力水準が低下して私立校を目指す子供が増えた、という二つの原因がある。今回の衆院選で教育費の無償化や奨学金の充実など、今まで行われていない政策が公約に掲げられた点は、遅すぎたとはいえ、評価はできる。

問題は、学力向上へ向けた具体策や学習指導要領の再検討などが十分に議論されていないことだ。安倍内閣では教育再生会議が大きな役割を果たしたが、福田内閣以降は、教育の具体的な中身に関する議論が減少した。教育は優先課題から外されていたのだろう。

経済格差で生じる教育格差をなくすには、教科書を子供が自学自習できるものにすることだ。今の教科書には問題の答えが書かれておらず、子供は一人で勉強できない。経済的に余裕ある家庭の子供は塾へ通うため、学力格差が生まれる。

自学自習できる教科書を編集し、貧しい家庭の子供が塾に通わずとも勉強できるようにすれば、大きな予算措置を取らなくても公立校の水準を回復することはできる。

さらに優先的に取り組まなければならない課題は、小学校から高校までの学習カリキュラムの見直しだ。「ゆとり教育」時代のカリキュラムが今も残り、学力水準の低下を招いている。カリキュラムが子供の学習を妨げている状況を改善すれば、お金をかけずとも学力は向上する。
◇若者の自立を支えよ--法政大キャリアデザイン学部教授・尾木直樹氏

多くの日本人は、高校の授業料を払うことを「当然」と思い込んでいるが、世界の大勢は無償化だ。日本は79年に国際人権規約の社会権規約を批准したが、「高等教育の無償化」を定めた条項の批准は留保している。締約国160カ国で、留保しているのはマダガスカルと日本だけだ。

現代は知識を基盤とした社会であり、すべての国民に高校卒業程度の教育を受ける機会を保障することは、国家の利益でもある。今回の衆院選で「高校の実質無償化」という政策が出てきたのは遅すぎるくらいだ。

今の政治からは「国が教育に責任を持つ」との強い意思を感じない。日本の若者の現状への危機感が弱い。重要なのは、若者が精神的に自立し、常識を持った大人として生きていく力を高める教育の実践なのだ。

日本の若者の精神状態は危機的だ。「トイレにこもって食事する大学生がいる」という話を聞き、学生465人にアンケートしたところ、11人が「経験がある」と回答し、驚愕(きょうがく)した。「一緒に食事する友人がおらず、1人で食べている姿を見られると『友人がいないことの証明』になるから」だという。人として生きていく力が衰弱している、と言うほかない。

今の大学生の振る舞いは幼稚で、しばしば20年前の中学生と同じに見える。若者が自立して生きる力を失った国に未来はない。目先の学力を向上させる前に、自立を促す教育が求められている。(次回は25日に掲載予定)

オバマ大統領ー米教育改革に3800億円

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米、教育改革に3800億円投入 米大統領表明、州や学校を支援

【ワシントン=弟子丸幸子】オバマ米大統領は24日、米教育省で演説し、教育改革を推進するため、連邦政府が40億ドル(約3800億円)超を投じると発表した。州や学校の支援に充て、規制緩和や教育現場の改革を促す。大統領は「米国の教育制度は不十分だ」と強調。学校教育の向上に全力を挙げて取り組む必要があると訴えた。

新たな支援制度は「トップへの競争」と名付け、先に成立した米景気対策法を活用して財源を確保する。大統領は40億ドル規模の支援は「連邦政府による教育改革への投資では過去最高になる」と説明。「我々が息子たちや娘たちの教育をはるかに向上させなければ、米国は21世紀に成功できない」と表明した。(15:03)

成果を急ぐ「橋下教育改革」

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著名人を使ってメディア受けを狙うのが「橋下流」だよ。「百マス計算」を導入するためにわざわざ蔭山氏を呼んでくる必要があるんだろうか。「夜スペ」の藤原氏も同じ。

委員会主導のこれまでのやり方がすべて良かったとは思わないけど、成果を急ぎすぎるのもよくない。「百年の計」とはよく言ったものだ。2年や3年で成果を出そうなどと焦らず、地に足をつけた改革をして欲しいね。

検証 橋下教育改革(11) <読者の声> 「反復学習」高い関心

読者の反響では、強引な手法や反復学習の是非などに関心が集まった。

「全国学力テストの成績が下位にある現状では、橋下徹・大阪府知事の立腹はうなずける」。千葉県成田市の無職、小倉茂さん(71)は、改革に理解を示すファクスを寄せた。

川崎市の主婦は、ファクスで「ある程度詰め込んでもらってやっと普通にやってこられた。以前の教育に感謝している」とし、反復学習などに賛成。橋下知事が全国学力テストの結果にこだわることについても、「点数も一つの結果。『点数化できないこともある』と言い訳にしないでほしい」と付け加えた。

だが、保育士の専門学校に勤務する奈良市の辻井正さん(69)は、「庶民感情から言って、橋下知事は大阪が待ち望んでいた正義の味方」とする一方で、「百ます計算」などの反復学習の推進には疑問を投げかけた。

辻井さんは「反復学習は日本の伝統的な学習法なので簡単には批判はできないが……」と前置きしながらも、「現場の教師たちは子どもの思考回路が単一化して文章題の意味を読む前に数字合わせに必死になることも知っている」と懸念を示した。

家庭教師派遣業者から派遣された女性が、土曜日の学校で英検対策を教える。大切なのは子どもたちとかかわる時間作りだ(池田市立池田中で)

塾と連携して土日や放課後などに学ぶ取り組みにも意見が寄せられた。

養護教諭として小学校の保健室で多くの児童を見てきた経験を持つ堺市の女性(74)は、「子どもたちは常に学びたい、わかりたいと思っている。放課後や土日にも大学生や塾講師らが教えることで、救われる子どもが増えるはず」と賛成する。

一方、高槻市の主婦(50)は「塾と連携するよりも、地元の学校の卒業生や大学生など、地域の事情をわかっているボランティアを生かした方がいいと思う」と話す。

携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」の活用について、堺市の60歳代の男性は、そろばんを教える「計算科」を小学校に導入した兵庫県尼崎市を念頭に、「勉強嫌いをなくす方法の一つとして、そろばんを取り入れれば、計り知れない効果があると思う」と提案した。

教師を目指す若者からも意見が寄せられた。

滋賀県野洲市の大学4年生、山本真美さん(21)は「反復学習などはいい方法だと思う。ただ、知事の教育委員会に対する批判など、どなりつけるような言葉は良くないのでは」と、改革の進め方には否定的な見方を示した。

中学校での補習のボランティアを通じて学校現場を見ている山本さんは、「勉強が苦手な子も補習の時間が取れればフォローできるが、教師は保護者への対応や会議などで忙しい。橋下改革は教育人を育てる部分は感じにくい。教師が子どもたちとかかわれる時間が増えるような環境作りが大切では」と要望した。

共通する願いは子どもたちのためになる改革だ。
(2009年05月23日  読売新聞)

「習熟度別授業」の効果は?

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教育改革の目玉として奨励されてきた「習熟度別」だけど、たいした効果ないようだね。「できる子」と「できない子」を分けて教えたからって、それだけで何か変わるとは思えない。高校なんて全部「習熟度別」みたいなもんだけど、できない子ばかり集められた学校は生徒だって落ち込んじゃうよ。

習熟度別授業、効果出ない例も 文科省全国調査

2009年3月31日

勉強の理解の程度に応じて子どもたちをグループ分けして教える「習熟度別少人数授業」。きめ細かな指導法として各地で導入されているが、勉強が進んでいない子の学力向上につながっていないケースが少なくないことが30日、文部科学省の調査結果でわかった。

習熟度別授業は各都道府県の3~9割の学校で導入されているが、専門家は「単にクラスを分ければいいというものではない。個々の状態に応じたていねいな指導が必要だ」と指摘している。

文科省は、小6、中3を対象に08年4月に実施した全国学力調査をもとに分析。算数・数学の成績が下から4分の1だった子どもから、「全授業の4分の3以上で習熟度別少人数指導を受けた」グループと「習熟度別少人数指導を全く受けていない」グループを抽出し、問題をピックアップして正答率を比べた。

それによると、習熟度別指導を受けた子の方が、受けていない子より正答率が1ポイント以上高い問題が小学校で14問中5問、中学校では20問中4問あった。ただ、差は最大で3ポイントにとどまり、受けていない子の方が逆に正答率が高い問題も小学校で3問あった。

都道府県ごとにみると、小学校の算数で、習熟度別の実施校の方が正答率が1ポイント以上高い県が10ある一方で、非実施校の方が1ポイント以上高い県も5あり、それ以外はほとんど差がなかった。

浅沼茂・東京学芸大教授は「効果が出ている学校を見ると、低学力層は10人くらいのグループにし、教材や教え方も変えている。子ども一人ひとりの性格に合わせて声のかけ方まで工夫している」と指摘する。文科省の担当者も「効果が出るかどうかは、結局、先生がどういう方法で教えているかによるのではないか」と言う。(葉山梢)

オバマ教育改革の行方

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「グリーンニューディール」や「医療改革」などオバマ大統領は矢継ぎ早に新しい提案をしているが、中でもこの教育改革は一つの目玉になりそう。教師の待遇改善や授業日数の増加など、それぞれの政策はごくありふれたものだが、「教育」を改革の柱の一つに位置づけている点が興味深い。教育への投資とは、現在の消費を少し我慢して、将来の労働力の質を高めようということなのだから。

オバマ大統領:教師に競争原理、授業日数増…教育改革提唱

【ワシントン及川正也】オバマ米大統領は10日、公教育政策について演説し、優秀な教師への給与優遇や授業日数の拡大などを柱とする教育改革を提 唱した。競争原理の導入で教育現場を活性化する一方、授業枠の拡大で生徒の学力を向上させる狙いがあるが、負担増につながる教員サイドから反発が出る可能 性もある。

大統領は「米国の8年生(日本の中学2年)のカリキュラムは世界の教育先進国に比べ2年遅れている。これでは経済衰退を招く」と危機感を表明。国際競争力の強化に向け世界水準の教育レベルの必要性を強調した。

具体的には(1)教師の質的向上や優秀な教師などへの特別報酬制導入(2)授業日数の増加や放課後活動の拡大(3)独自の教育方針を掲げる特別認可校「チャータースクール」の推進--などを掲げた。いずれも大統領選で公約に掲げた政策。

全米教育協会によると、初任教師の年間平均給与は約3万ドル(約295万円)と比較的低い。特別報酬制導入について教師の差別化につながるとの反 対論もあるが、大統領は「(教員組合など)民主党の多くの支持者には抵抗感があるが、古い闘争を越え21世紀の成功に向け前進すべきだ」と退けた。

大統領はまた、授業日数について「韓国に比べ年間1カ月以上も少ない。これでは21世紀の経済に対する備えにはならない。もっと教室で過ごす時間が必要だ」と述べ、60日以上ある夏休みの短縮にも言及した。

毎日新聞 2009年3月11日 18時50分

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