うわさで原宿に若者殺到

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26日午後4時25分ごろ、東京都渋谷区のJR原宿駅前の竹下通り入り口付近の通行人から「複数の人が倒れている」と119番があった。東京消防庁や警視庁原宿署によると、付近にいた若者の間で「アイドルが路上ライブをやる」などの情報が口づてに広がり、若者が殺到する騒ぎが発生。転倒するなどした13歳と14歳の女性計3人が顔面打撲などで病院に搬送されたが、いずれも軽傷という。
原宿署などによると、現場では「アイドルが路上ライブをやる」「有名人が来る」などの情報が流れたが、そうした事実は確認されなかったという。
友人と買い物に来ていた都内の私立高校1年の女子生徒(16)は「ジャニーズのアイドルが来ているという情報が伝言ゲームのように広がり、満員電車のような混雑だった。自分の足も浮くほどで怖かった」と興奮気味に話した。【山本太一】

「ひきこもり」のための希望学

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2010.2.14 22:02
社会のなかで「希望」を考える際に、希望を失った層について分析することが不可欠だ。昭和40年代半ばから現れ始めたとされる「ひきこもり」の人たちや、長期間、定職を持たずアルバイトを繰り返すフリーターと呼ばれる人たちのなかにも、「希望を持たない人」が多くいる。
ひきこもりに詳しい大阪大非常勤講師の井出草平氏(29)=社会学=は「ひきこもりの自殺のことを最近、聞くようになった」という。
ひきこもりは、いまや数十万人の規模と概算されている。昭和40年代前半に生まれた「ひきこもり第一世代」が40~45歳になった。この世代は、あと10年ほどの間に、親を次々と亡くしていく。親の年金でかろうじて生きている人たちは、親が死ぬと同時に生活の資金を失う。
ひきこもりの人たちに「親が死んだらどうする」と質問すると、ほとんどが「自殺する」「そのまま餓死する」とし、「なんとか働く」と答える人はわずかだ。すでにもう自殺者は出始めている。井出氏は「私たちはこれらの問題に本格的に向き合わなければならない」と訴えている。
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「希望は、戦争。」。フリーターの31歳の男性が平成19年、こんなタイトルで雑誌に論文を投稿し、話題になった。
「社会のゆがみは若者に押しつけられ、一生懸命まじめに働いても生活が成り立たない。不平等が固定化されている。戦争が起き、たくさんの人が死ねば日本は流動化する。多くの若者はそれを望んでいるように思う…」。論文にはそう綴られていた。
夜遅くアルバイトに行って8時間、休憩もろくに取らずに働いても月給は10万円前後。まともな就職先は新卒しか受け付けてくれない。論文には、社会に対する不満が渦巻いていた。

東大希望学プロジェクトでも、この論文は衝撃を持って受け止められ、議論になった。「戦争」というのはあまりに短絡的ととらえられたが、メンバーの中には、この論文に理解を示す若い研究者もいた。宇野重規准教授(42)=政治学=はこう語る。

「むちゃくちゃな発想だが、この不満をどこに持っていくんだというときに戦争はある種すっきりすると考えたんでしょうね。裏を返せば、現状を変えたいというエネルギーの表れでもある」

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希望は何が源泉となり、何と結び付いているのか。希望をはぐくむ土壌が示せれば、その改良によって光明が見いだせるのではないか。

希望学プロジェクトが、全国アンケートを行った結果、希望の内容と直結するものは、「仕事」が66・3%と突出して多いことが分かった。次いで、「家族」(46・4%)、「健康」(37・7%)、「遊び」(31・7%)の順。

ひきこもりやフリーターが未来を絶望視するのは、希望が仕事と結びついている限り、仕方のないことかもしれない。労働をすればお金が得られたり、人間関係がつくられたりする。仕事で能力が発揮されることで、生きがいや人間性に結び付く傾向は強い。

しかし、プロジェクトの一員である水町勇一郎准教授(42)=労働法学=は「労働にすべての力を注ぎ込む“労働信仰の魔法”にかかっている。労働を安易に希望や人間性と結び付けて語ること、それを原動力として人間や社会を動かそうとすることに危険はないのか」とこの結果に警戒感を示す。

働いて得たお金でおいしいお酒を飲みたいとか、夏休みに海外旅行に行きたいという目的自体が、働くことに没入する中で次第に見失われているのではないか。水町准教授は「日本は過労死や過労自殺など、働くことの弊害が最も深刻な形で現れている。労働に希望を見いだすことは現状を後押しする危険性を持っている」と警告している。

若者の自動2輪離れ顕著に

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二輪の国内生産、瀬戸際 09年、28年前の1割以下
2010年2月6日1時55分

かつて世界一だった二輪車の国内生産が、瀬戸際に立たされている。2009年の生産台数は前年の半分で、ピーク時の1割以下になった。国内で生産を続けてきた日米欧向け高級車の販売が低迷したためだ。各社の新興国での生産は、より上位の車種にも広がりつつあり、回復は容易ではない。

熊本県大津町のホンダ熊本製作所。作業しやすいよう、組み立てラインのコンベヤーの床の高さが従業員の身長などに合わせて自動で動く。約170億円を投じ、08年4月に稼働した最新鋭ラインだ。

同時に浜松製作所から二輪車生産を集約。年50万台の生産能力を抱えるホンダ唯一の国内の二輪車生産拠点となった。だが、3本の生産ラインは昨年3月からすべて夜勤が無い昼だけの操業だ。09年度の生産台数計画は18万台で、世界全体(約1500万台)の1%まで落ち込む計画だ。

ほかの大手も同様の状況だ。ヤマハ発動機は年約50万台、スズキが年55万台の生産能力に対して、09年の実際の生産台数はともに3分の1程度にとどまる。

日本自動車工業会によると、国内生産は1981年の741万3千台をピークに減少が続く。若者のバイク離れに加え、各社が生産拠点を販売が増える新興国に移してきたためだ。生産世界一の座は93年に中国に譲った。09年の生産台数は前年比47.4%減の64万5千台。66年の統計開始から最大の減少率で、生産台数は過去最低の水準だ。

09年に激減したのは、世界的な不況で、国内工場が得意な日米欧向け中心の高級車種販売が冷え込んだためだ。ただ、景気が上向いても国内生産は簡単に戻りそうにない。二輪販売が伸び続けるアジアで、より上位機種が売れ始め、現地での生産機種の「高級化」が進んでいるからだ。

ホンダは中国から20万円前後の50ccと110ccのスクーターを輸入しているが、年度内にも排気量125ccの輸入もタイから始める。川崎重工業は、タイから輸入した「Ninja250R」(250cc)の販売を08年に始めた。

各社はそれでも「世界の工場の指導役」として、国内工場を存続させる方針だ。ただ、ヤマハ発動機の戸上常司社長が「国内生産は今後、戻っても能力の半分にしかならない」と見通すなど、更なる生産能力圧縮も検討する。(大日向寛文)

若者、ブランド志向に陰り

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「無理して高級ブランド」ダサイ 若者に消費感覚異変

2010/1/19 19:32

若者にとって、お金がないのに無理してブランド品を持つのは、かっこ悪いことらしい。安い服にブランドバッグを合わせる「一点豪華主義」がはやったのは一昔前のこと。いまでは消費の感覚自体が変わってしまったらしい。

バブル期以降、ブランド品を持つことがステイタスで、多少の無理をしても買うという消費者がブランドの成長を支えてきた。若い女性の間では「一点豪華主義」と呼ばれる、安い洋服にブランドバッグを合わせるファッションがはやったりもした。海外ブランドにとって日本市場は「ドル箱」だった。
「ブランド神話」崩壊、安くていいものがあれば事足りる

ところが2008年頃から、スウェーデン発のカジュアル衣料品店「H&M」やアメリカの「フォーエバー21」、日本の「ユニクロ」といった、安い「ファストファッション」が出てくると、「ブランド離れ」が加速した。そもそも、「みんなが持っている」とか「ステイタスだ」という理由でブランド品を買っていた人にとって、収入が減った今、安くていいものがあれば事足りるということのようだ。

ブランド離れは若者の間で顕著だ。20歳代の女子大学生は、

「ブランドバッグを買ってもらったことがありますが、仰々しい感じがして、自分の服とも合わないような気がして、あまり使っていません」

という。

別の20歳代女子大生は、

「ビニールでできているのに財布で6万円もして、値段と品質が見合っていないと思うので買いません。品質がよくて手ごろな値段のものが他にありますから」

と話している。

若い男性にとって、ステイタスだった車についても似たような傾向が出ている。

メディアインタラクティブ(東京都渋谷区)が、車を持っていない都市部在住の15歳~34歳男女に調査を行ったところ、近い将来に自家用車を「ぜひ購入したい」と答えた人は25%にとどまり、「特に購入したいとは思っていない」(36%)の方が上回った。
若者がものを買う条件は「バカにされないこと」

車を買わない理由は、「利用することがほとんどない」「(購入・維持の)お金がかかるから」「車より他のことにお金を使いたい」といった「お金」の理由が多い。また、昔のように車を持つことがステイタスであると考える人は減っているようで、同社は「車を所有しても自慢できるとは思わず、中古車でも恥ずかしくない、との傾向が出ている」としている。調査期間は2009年2月20日~26日に行い、1174人の有効回答を得た。車は持っていないが免許はある人は54%だった。

「『嫌消費』世代の研究――経済を揺るがす『欲しがらない』若者たち」(東洋経済新報社)の著者でジェイ・エム・アール生活総合研究所の松田久一代表は、

「不景気で収入が減っているからブランド品や車を買わないという人もいるが、20歳代の場合、収入に関わらず、消費を抑制する傾向にあります」

と話している。

消費をしないわけではないが、他世代に比べて収入に見合った消費をしない傾向を松田さんは「嫌消費(けんしょうひ)」と呼んでいる。

ものを買うポイントになるのが、「自分の趣味に合って、節約に貢献してくれて、皆から利巧と思われること」の3つの条件が揃っていることだ。

「3つ目は砕いていうと『バカにされないこと』で、これが重要です」

20歳代女性は依然としてブランド品への関心は高いが、「無理しているように見られる」「空気を読んでいない」と友達に思われるのが嫌で買わない。どうしても消費は抑制されるのだというわけだ。

若者の献血大幅減

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「尋常じゃない」若者の献血離れ 将来に不安、献血年齢一部引き下げ
2010/1/ 2 18:00

手術や救命医療で大量に使われる輸血用血液製剤は、大半を献血に頼っている。ところが、若年層の献血離れが著しく、16~19歳の献血者は24年間で5分の 1に、20歳代は半分以下に減った。このままでは将来、血液を安定して供給できなくなるとして、厚生労働省は男性の献血対象年齢を一部引き下げることを決めた。早ければ2011年4月から実施される。

* 榮倉奈々が献血アピール「冬に血が足らなくなることがないように」 : J …
* 400ミリリットル献血 男性は17歳からに : J-CASTニュース

Google からクリッピング – 2010年1月4日
17歳男性献血量400ミリリットルに引き上げ

2008年の実績を1985年と比較すると、10、20歳代ともに献血者が大幅に減っている。1985年の16~19歳を見ると、献血者 179万人、献血率(人口に占める献血した者の割合)25%。20歳代は献血者260万人、献血率は17.6%だった。08年は16~19歳の献血者が 1985年の5分の1に、20歳代は半分以下になった。大幅に献血者が減ったのは、少子化による人口減少に加えて、若者の献血離れが進んだためだ。

輸血用血液製剤は救命医療やガンなどの大きな手術で主に使われ、高齢者の患者が多い。大半を献血に頼っているので、若者や健康な人が献血をやめたら成り立たない。

厚生労働省血液対策課の担当者は、

「全体的に減っていますが、若者の献血率の低下は尋常じゃないです。20数年でこれだけ減っているのは、若者の個人意識が高まり、助け合いで成り立っている献血に対しての意識が変化していることが大きいと思います」

といっている。

一方、16、17歳の献血が減っているのは、医療機関の血液需要が400 ミリリットルに移行していることも影響している。16、17歳は献血量が制限されていて、18歳以上は400ミリリットルなのに対し、16、17歳は200ミリリットルだ。

厚生労働省薬事・食品衛生審議会の血液事業部会は400ミリリットル献血の対象を17歳男性に広げることを2009年12月24日に決めた。年明けにパブリックコメントを募集し、同部会の最終的な承認を得て、省令改正となる。実施されるのは早くて2011年4月となる見通しだ。

ただ、厚労省血液対策課の担当者は、

「今回、年齢を下げようとしているのは今、在庫が足りないからではなく、長期的な安定供給を考えてのことです」

といっている。
献血ルームに「初音ミク」のフギュア展示

男性は17歳から400ミリリットル献血が可能になったとしても、献血率が上がらなければ意味がない。そこで、若者の献血を増やすための試みも行われている。

厚生労働省は高校生向けに献血に関するパンフレットを作成し、配布している。職員が出張講座を行うこともある。ただ、6~7割の高校はパンフレットを配るだけで、効果のほどは疑問だ。

そんな現状を踏まえ、文部科学省は09年12月に発表した保健体育の高校指導要領解説で、「献血の制度があることについても適宜触れる」との内容を初めて盛り込んだ。2013年4月以降の保健体育の教科書にほぼ確実に載る予定だ。

また、東京・渋谷や秋葉原など若者がたくさん集まる場所では献血ルームの設置が進んでいる。献血をするとマンガ読み放題、ジュース飲み放題というマンガ喫茶のようなサービスをタダで受けられる。その効果もあって、渋谷・ハチ公前の献血ルームには土日、20歳代を中心とする若者が150人弱も献血に訪れる。
09年10月1日に秋葉原にオープンしたばかりの「akiba:F献血ルーム」は土日150人以上にもなる。宇宙船をイメージし、献血ルームには見えない造りで、歌うバーチャルアイドル

「初音ミク」のフギュアなどを展示。11月27日から献血した全員に初音ミクのステッカーを配布している。

運営している東京都赤十字血液センターの企画担当者は、

「物で釣るという言い方は悪いですが、どうしたら若い人に来てもらえるかと試行錯誤しています」

といっている。

献血は本来、無償で行うという常識を覆すような、至れり尽くせりのサービスだが、背に腹は変えられないようだ。

「欲しがらない若者たち」

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日本社会の今後を考える~「欲しがらない若者たち」
2009年12月25日

(NPO連想出版 新書マップ編集部 川井 龍介)
『欲しがらない若者たち』
山岡 拓 著
日本経済新聞出版社
893円

いまどきの高校は、公立校でも修学旅行で海外へ行くことなど珍しくなくなった。「いいねえ、海外に行けて」。親の世代はうらやましく思うが、当の高校生はそれほど嬉しそうでもない。

また、いまの二十歳前後は車に対してあまり関心がないという調査結果はよく知られている。スキー場には若者の姿はめっきり少なくなったし、湘南の海でも目立つのは年配のサーファーたちだ。

少子高齢化による若者人口の割合の減少を割り引いたとしても、彼らはあまり活動的ではなさそうだ。「草食系男子」という、弱々しい若い男性像をイメージさせるような流行語だけが脚光を浴びている。

いまどきの二十歳前後の人はどうなってんだろう。中高年の方は、「心配」も重なってこう感じているのではないだろうか。時代は低成長、かたや隣の大国は活力旺盛。これからの日本社会がどうなっていくのか、その担い手が今の若者に移っていくと分かれば、自ずと心配になる。

この若者像を、消費行動を中心に数多くのデータから綿密に考察したのが、本書「ほしがらない若者たち」である。

これまで「消費行動からみる○○」といった消費行動論あるいは消費経済論に私はあまり興味がなかった。それは、「経済活動のため」、あるいは「企業活動のため」といった即物的な目的を背後に感じることがしばしばだったからだ。そうでなれければ「トレンド紹介」に似ていたからである。

しかし、本書はこれまでのものと明らかに異なる。読み終えてみれば、まさに「これから日本社会はどうなるのだろうか」と少々沈痛な気分になる一方で、「われわれはどういう社会を造っていったらいいのか」を、考えさせられるからである。

多くの調査から浮かびあがってくるのは「モノをもつことにこだわらない」「遠くへ出かけるより自宅周辺で余暇を楽しむ」「人間関係を大切にするが恋愛にはクール」「倹約で堅実」「落ち着いた伝統文化を好む」「大所高所からものを見るのを好まない」といった若者像である。

若者と一口にいっても「5歳違えば考えがよくわからない」と若者自身が言うくらいだからくくるのは難しい。しかし、10歳ほどのまとまりでくくって比較してみれば、明らかにデータはその差を示しているからおもしろい。

経済紙の記者として長年流通経済を中心に取材をしてきた著者は、近年は消費者意識と社会について健筆を振るってきた、その道の数少ないプロである。若年人口は減り続け、消費も減少傾向にあるなか、著者が浮かび上がらせたような若年層が日本社会を支えていかなくてはならない。

そこでカギとなるのは、拡大するアジア需要への対応と同時に、狭い地域内でモノや情報を交換することを成り立たせる社会の構築だと著者は提言する。

「今の若者は・・・」と批判するのは簡単だが、その若者が育った社会を造ってきたのは、大人たちである。そのことを熟知する著者は、優しい目線で若者に次代を生きる責任を最後に次のように語る。

「世界を覆った信用不安の後の時代を生き、親しい相手とのかかわりを重視して暮らすなら、必要なのは相互扶助の精神である。年金が大幅に減るなら、家族との絆を重視するはずの若者は地元の親の面倒も見なければならないし、介護もしなければならない」。

10年後20年後、この若年層がどう成長するのか、いつかまた著者の考察を待ちたいところだったが、残念ながら本書を書き上げた直後に他界された。その任は次代の記者、研究者が負っていくのだろう。

サウジアラビアの若者たち

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石油王国の若者たち:サウジアラビアの今

◇失業率3割、現業職もいとわず
◇ネット、留学…外へ向かう視線

サウジアラビア西部紅海沿岸の大都市ジッダ。ブランド品があふれるショッピングセンターの「ジャリル書店」で、「ソーブ」と呼ばれる伝統衣装に身を包んだスルタン・シュブクシ店長(26)が忙しく立ち働いていた。礼拝時に仕事の感想を聞くと、「店の切り盛りを任されており、満足」との答えが笑顔とともに返ってきた。

潤沢なオイルマネーで満たされてきたサウジでは、店員など「現場」の仕事は人口の約2割を占める外国人のものと見なされてきた。だが、この店ではスタッフの3~4割がサウジ人。現地事情に詳しい外国人によると、現業職に就くサウジ人は増加しているという。「経験なしで高給の職につきたがる」「働きたがらない」とサウジ人自身が自嘲(じちょう)する職業観に、変化の兆しが見える。

「いい仕事はコネで埋まっている。仕事を選んでいては生活できない」とシュブクシさんは語る。政府機関の新規採用の手控えや、外国人労働者に依存した社会構造によって、若年層の失業率は3割とも言われる。厳しい雇用情勢がサウジの若者に変化の受け入れを迫っている。

こうした事情は高学歴者でも変わらない。ワーリド・マフムードさん(25)はキング・アブドルアジズ大で医学を修めたが、希望する外科医としての研修先が決まらない。地方の仕事はあるが「腕を磨けるジッダで研修したい」と言う。今は奨学金で欧米に留学することも検討中だ。

一部に検閲があるものの、インターネットや衛星テレビの普及も、欧米との文化交流に消極的な「閉鎖社会」の若者の意識変化に影響を与えている。イスラムの聖地を守る自国に誇りを抱きつつ、外国との交流拡大を歓迎する声を多く聞いた。

自ら「宗教的」というサミ・アブドルラフマンさん(27)は「イスラムの真のイメージを伝えたくて」イスラム音楽専門のテレビ局に就職した。だが、将来の夢は「ハリウッドの映画監督」。よい外国の文化は取り入れ、自分を磨くことが大事だ、と語る。テロリストの存在など否定的な側面が強調された西側のサウジ理解は「誤っている」と不満げだ。

「日本アニメの大ファン」というマーヘル・アルオタイビさん(23)。リヤドのキング・サウド大学で日本語を学んだ。日本との交流を目的としたサークルもつくった。「世界の文化は孤立しては成り立たない。お互いを認め合わないと」。サウジの若者の目は外の世界に向かいつつある。

「保守的な閉じた王国」の印象が強い世界最大の産油国サウジアラビアだが、近年、さまざまな改革に取り組んでいる。重点分野の一つは教育だ。世界最高レベルの研究開発能力確保を目指す大学院大学などの新設、職業訓練や海外留学制度の拡大などが相次ぐ。イスラムの聖地を擁する伝統と、徐々に広がる新しい価値観のはざまに置かれた若者たちの思いを探った。【ジッダで和田浩明】

◇大学の増設相次ぐサウジ 労働力を養成、宗教偏重は緩和

05年に即位したサウジアラビアのアブドラ国王は、教育改革に積極的に取り組んできた。

高等教育分野では国立大学の増設が続いている。03年には8校しかなかったが、今年9月に世界トップクラスを目指すキング・アブドラ科学技術大学が開校し、21校になった。

サウジの教育制度に詳しい国立女性教育会館の和気太司理事によると、新増設学部は医学、コンピューターや経営学など実用分野が目立つ。職業訓練校の増設も相次いでいるほか、国の奨学金で留学するサウジ人学生は数万人に達している。

こうした改革の背景には、「労働市場の要請に応える教育が行われていない」との批判がある。政府は労働力のサウジ人化を図るが、給与が安く、即戦力の外国人に代わる人材が不足しているというのだ。

また、神戸大の中村覚准教授(中東政治)は「エリート層が抱く、グローバル社会から取り残されているとの危機感も反映されている」と指摘する。

イスラム教の中でも戒律に厳格なワッハーブ派を国教とするサウジでは、教育機関への宗教界の影響力が強い。一時は公立学校で全科目時間数の4割を占めると言われた宗教教育の時間は、最近では「2割程度まで減少し、内容も非イスラム教徒に寛容なものになっている」(サウジ駐在経験の長い元米外交官)との分析もある。

宗教偏重教育に対しては、01年9月に起きた米同時多発テロの実行犯19人中15人がサウジ国籍の若者だったことに結び付けた批判もある。人口の過半数を占める25歳未満の若年層を不安定要素にしないことも、サウジが進める教育改革の大きな狙いのひとつだ。【リヤドで和田浩明】
◇伝統的な美点生かした変化を--国際的に活躍する女性陶画家、サンダス・イブラヒムさん(44)

サウジアラビアの女性は、自動車の運転を許されず、親族男性の付き添いがなければ外出できない。このため、欧米には女性の権利が保障されていないとの見方がある。私見だが、こうした問題はいずれ解決されていくもので、そのために戦う必要があるほど重要だとは考えていない。

私は米国で生活したこともあり、夫は外資系企業に勤務し、娘は米国留学中だ。自分をサウジではリベラルな人間だと思うが、伝統的な価値観を重荷に感じたり懸念すべきものだとは思わない。

教育現場は男女別になっている。一緒に教育した方が、お互いの扱いに慣れる部分はあると思うが、男女別は伝統に基づいたもので、大きな問題だとは思わない。男子校、女子校は欧米にもある。

サウジアラビアには強い家族のきずななど、よい文化も残っている。外国の進んでいる部分と、サウジの美点をうまく組み合わせた変化を求めている。外部からは、建設的な批判を望みたい。
◇教師の質の改善も重要な課題--キング・アブドルアジズ大欧州言語・文学部、アブドラ・バルギ准教授(32)

公立学校の教育の質は、現状でも決してよいとは言えない。私の専門の英語でも、高校まで7年間学習しているが習熟度は低い。宗教教育の割合は小中高校で大きく、子どもに理解できないような精神論まで教えていたこともある。教師の質の改善も重要な課題だ。教科書を替えれば済むという問題ではない。

一方、留学で外国の現状を体験して帰国した人が増え、「現状のままでは一流国になれない」との認識が広がっている。90年代末にインターネットが導入されたことで外国人との交流も増え、よりオープンな考え方の若者も増えた。

(サウジ人多数が実行犯だった)「9・11(米同時多発テロ)」も、教育分野での変革の必要性を強く認識させる機会になった。私立学校では、認可されたものなら外国の教育プログラムも導入できるようになった。成果が出るには時間がかかるだろうが、変革の方向性は妥当だと考えている。

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■サウジアラビア概要

面積                 215万平方キロ

人口(09年推計)          2867万人

人口増加率(同)           1.89%

25歳未満人口の割合(10年予測値) 50.9%

外国人人口(09年推計)       558万人

1人当たりGDP(08年推計)    2万500ドル

教育費支出の対GDP比(04年)   6.8%

識字率(03年推計)         78.8%

※米CIA、国連資料より作成

◇生活態度も指導、相次ぐ途中脱落

作業服に身を包んだサウジアラビア人の若者たちが、フィリピン人講師の英語の講義に真剣に耳を傾ける。首都リヤド郊外にある「プラスチック加工高等研修所(HIPF)」。日本の協力で07年9月に開設した研修所は2年制で、入学定員は1学年(2期制)300人。18~25歳前後の高校卒業生を対象に、英語や数学などの一般教科と、プラスチックの成型、加工の専門技術を教えている。

指導は日本やフィリピン、インドなどの講師が担当。地元企業が研修生と雇用契約を結び、給与・学費の一部を負担、卒業後は雇用する仕組み。2年生のアハメド・シャミールさんは「仕事に直結する研修内容で、役に立つ」と満足げだ。

若者の高失業率を背景に、低賃金の外国人労働者頼りだった産業構造の転換を図る政府にとって、職業訓練の拡充は最重要施策の一つ。「サウジ人に見合ったポストが不足しているうえ、外国人労働者に匹敵する知識や経験のない者が多い」(西側外交筋)からだ。

人材育成に欧米などの支援は欠かせない。日本絡みはHIPFとジッダの自動車技術高等研修所のほか、日本の民間10社と日本工学院八王子専門学校などが協力して今年9月にリヤドで開所した電子・家電製品研修所がある。同所の設立に関与した中東協力センターによると、1期生の受験倍率は3倍を超え、関心の高さを示した。

ただ、研修生の学力・技能向上や生活態度改善への道は険しい。HIPFのインド人講師は「毎日が戦い」と語る。「社会生活に関する家庭のしつけが十分ではない」(関係者)ため、遅刻や授業中の私語など基本的な問題からきめ細かな指導が必要という。同校では日本式の朝礼も実施、規律教育も図る。

副校長のアハメド・ガムディ博士(43)は「英語力も身に着けた卒業生への評価はよい」という。しかし、1年目に集中する英語学習や規律の厳しさについていけず、脱落したり、他の進路を選ぶ研修生は多い。7月末に卒業した第1期生は、入学時の約4割の67人だけだった。

サウジの財政収入の約8割を占める原油の採取可能年数は約70年(英石油大手BPの08年統計)。「原油後」を見据えた国造りが急務だが、そのための人づくりはまだ緒についたばかりだ。【リヤドで和田浩明】

◇国王肝いり、初の共学大

サウジアラビア西部スワル。砂漠を走る道路の終点にキング・アブドラ科学技術大学(KAUST)はそびえていた。9月23日の開校式にはアブドラ国王も臨席、世界有数の研究開発拠点づくりへの意気込みを示した。45カ国からの教職員の下、61カ国の学生が集ったサウジ初の男女共学大学は、共存を学ぶことで過激思想に立ち向かおうという、国王肝いりの「実験場」だ。

「最高の研究資源と各国の一流大学との連携があり、研究だけに専念できる環境の構築が目指せる。それがここに来た理由だ」。米国の名門校カリフォルニア大サンディエゴ校から転籍し、高等視覚化施設長として迎えられたスティーブン・カッツィン博士(40)はこう話す。

報道陣に公開された三次元映像投影装置では、ヨルダンの遺跡が再現されていた。「これだけの装置は世界中でもそうはない」。スペインから来た研究者、ダニエル・アセベト氏(34)は胸を張る。サウジの若者たちの評価も「世界水準に追いつくことを期待したい」(20代男性)とおおむね好意的だ。

イスラム教の中でも戒律が厳しいワッハーブ派を国教とするサウジでは、保守的な宗教教育が重視されるあまり、「創造的な思考を育てる十分な教育体制がとられてこなかった」(現地の教育関係者)との指摘もある。英教育調査会社QSの世界大学ランキングでは、キング・サウド大学がようやく247位に顔を見せる程度だ。

サウジの指導層には、一部の偏狭な宗教的観念が01年の米同時多発テロへの多数のサウジ人の関与を招いたとの反省がある。KAUSTの主要課題は「学問的自由」を維持して過激主義に対抗することでもある。

だが、宗教界の保守派の巻き返しを懸念する声もある。現に、高位聖職者委員会メンバーのイスラム聖職者サード・シスリ師はKAUSTの男女共学を地元紙で批判。国営サウジ通信によると、国王は4日、同師を解任する勅令を出した。

米外交筋は「成功すれば教育界全体への波及効果も期待できる。問題が起きても『実験』としてある程度批判はかわせる」と分析する。壮大な試みの行く末は、国内外で注目されている。【スワルで和田浩明】

メディアとしての重要性 ダントツに携帯

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BPOが若者のテレビ視聴調査 地デジは4割未満 重要なメディア『携帯』圧倒的
2009年10月17日 朝刊

地上デジタル放送を見ている人は四割に満たず、そのうち約三割はアナログも見ている-。放送倫理・番組向上機構(BPO)の青少年委員会が、若年層(16~24歳)を対象に行った調査で、こんな視聴実態が明らかになった。一方、番組を録画して見る視聴者の中には、「倍速再生」という新たな視聴スタイルが生まれている。調査結果が意味するものとは-。 (近藤晶)

「あなたのお宅では地上デジタル放送をご覧になっていますか?」。この問いに「はい」と答えたのは37・1%にとどまり、「いいえ」は57・1%だった。BPOの調査対象は若者だが、全体の93・5%が家族と同居しており、単身世帯が多いというわけではない。

調査を行ったのは昨年十一月。今年三月の総務省調査では、地デジを「視聴している」と回答した人は46・6%に上る。二つの調査は地域もサンプル数も異なるが、BPO調査チームリーダーの橋元良明・東大大学院情報学環教授は「年末商戦を挟んだ四カ月間で普及が進んだとも考えられるが、ちょっと差が大きすぎる印象」と首をかしげる。

BPOの調査では、インターネットや携帯電話など多メディア環境の中で育った「デジタルネーティブ」と呼ばれる世代にもかかわらず、地デジにはあまり積極的でない意外な実態が浮き彫りになった。

37・1%は自宅で地デジが見られる状況にあるのに、アナログを見ている割合は「地デジとアナログが半々」「どちらかといえばアナログが多い」「すべてアナログ」を合わせると三割を超える。最大の理由は「自宅にはアナログ放送しか見られないテレビがあるから」(58・6%)だ。自室でテレビを見ることも多い若者。調査報告書は「家庭内の二台目、三台目や単身家庭のテレビをいかに迅速かつ確実にデジタル化していくかが、完全移行のための大きな課題」と指摘している。

アナログを見る理由はほかに、「地デジのチャンネル番号に慣れていない」「地デジはチャンネルの切り替えに時間がかかる」から。地デジならではの電子番組表(EPG)はほとんど利用されておらず、「若い人も、すぐにデジタル放送に飛びついているわけではない」(橋元教授)のだ。

それでは、若者のテレビ番組の見方はどうか。自宅(97・9%)で、テレビモニター(視聴番組の96・2%)で見るのが圧倒的だが、同時に「携帯電話でメールやサイト閲覧をする」(64・9%)という携帯の「ながら視聴」は、もはや当たり前。情報メディアとしての重要性は、携帯電話(69・5%)、パソコン(16・1%)の次がテレビ(11・6%)で、半数の人は「テレビはなくても困らない」と答えた。

橋元教授は「テレビに強い不満はないが、大事なメディアは携帯という人が多くなっている。『ながら視聴』も、身支度や食事と比べ、携帯は集中度が必要。ますます軽く浅く見られる傾向が出てきたのではないか。少なくとも十年以上前と比べると、テレビの重要性が非常に低下している」と指摘した。

今回の調査では、アンケートとは別に、新しいメディアの利用者にグループインタビュー調査も実施した。

ハードディスクレコーダーで番組を録画・再生する視聴者は、「倍速」で見るのが基本。面白いCMは別だがCMは極力避け、番組自体も「内容さえ分かればいい」「要所要所を分かればいい」というのが理由だ。

録画も面倒というのがネット動画視聴者。主に動画投稿サイトで、テレビのバラエティー、ドラマ、音楽番組、音楽のプロモーションビデオを視聴。「見たい映像だけを検索して、編集加工された映像を見る方が効率がいい」ため、特定の「事柄」や「人物」で再構成されたコンテンツも視聴されていた。

どうでもいい部分は見ないで、おいしいところだけつまみ食いして見る。報告書は、こうした視聴形態の特徴を「番組解体」とし、「番組は断片化され、情報パーツの寄せ集めと受け止められている」と分析している。

【調査の方法】対象は東京都内に住む16歳から24歳までの男女311人。23区のうち無作為に選んだ江戸川、練馬、世田谷など6区の住民基本台帳から無作為抽出した。調査期間は2008年11月10~16日の1週間。アンケートと同時に、平日2日と休日1日の計3日間で視聴・録画した番組を番組表に記録する調査も実施した。

一方、グループインタビュー調査は09年3月に行い、首都圏在住の高校生、大学生、社会人(20~24歳)の計29人が対象。(1)ハードディスクレコーダーによる録画視聴(2)ネット動画視聴(3)ワンセグ視聴-のグループにインタビューを行った。

中国のネット世代の政治意識

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日本の政権交代は語っても、自国政治は語らない中国ネット世代たち

衆議院選挙は中国でも大きく取り上げられた。中央・地方の政府系新聞から、市民向けの新聞まで、その日ほとんどの新聞で1面で取り上げられ、中国で最も著名なインターネットのポータルサイトも政府系非政府系問わずこぞって衆議院選挙の結果を特設サイトで取り上げた。
大きく選挙を取り上げた中国の地方紙

メディアの編集の現場で働く中国人は20代30代が多く、ことインターネットメディアに携わるスタッフは、ネット世代だけあって20代が殆どだ。

ハイテク技術を吸収しやすいか否かは、文革の影響を受けた40代以上とそれ未満で大きく異なると言われている。前者は「断層の世代」とも呼ばれており、私企業、特に技術屋集団においては断層の世代の社員は非常に少ない。

一方30代以下はインターネット利用が盛んであり、すなわちインターネットの記事を読むのも、メールを送るのも、掲示板に書き込みをするのも殆どが若者である。

中国は3億3800万人(09年6月末時点)という世界一のインターネット利用人口を抱えるが、年齢別でみると、10代はその33.0%、20代が29.8%、30代が20.7%を占め、この世代だけで全体の83.7%を占めるのである。
日米同盟を維持する限り
親中にあらず?
ポータルサイト「網易」の衆議院選挙特設ページ

衆議院選挙の結果を最も事細かく紹介したのは、「新浪」「捜狐」「網易」などの非政府系のポータルサイトだった。つまり営利目的、もっといえば中国の若きインターネット利用者が多数閲覧するだろうことを想定し、これらサイトの若き編集者たちが衆議院選挙の速報をレポートし続け、政権交代が確かなものとなってからは民主党のマニフェストや対中国政策を詳しく紹介した。

ポータルサイトはしばしばビッグニュースに対し特設サイトを構えるが、附設したニュース感想掲示板の書き込み数などから見るに、衆議院選挙の特設サイトは過去の特設サイトと比べてかなり多くの人が訪れたようだ。

通常こうした特設サイトには、サイト利用者に対して選択肢式の簡易アンケートがあるものだが、中国の多くのサイトにアンケートはない。唯一TOMという中規模のポータルサイトが行っていた「民主党政権は中国に近づき米国との距離を置くと思うか?」という質問には、433票のうちの167票が「期待する」、216票が「期待しない」、50票が「興味がない」という結果となっている。ちなみに前述の新浪や網易クラスのポータルサイトだとその10倍を超える投票数がざらにある。

新浪や網易などでは、掲示板にそれぞれ1000を超える書き込みがあったが、その内容を見るに、大きく3つの傾向に分かれていた。日本や民主党や鳩山代表に対して祝うコメント、民主党に政権が移ろうが日本は相変わらず米国と密接(米国の属国という表現も多かった)だから何が変わるわけでもないというコメント、それに日本の話題というだけで脊髄反射したような日本製品不買を訴える反日コメントにAV女優の名前を列挙するコメントの3通りであった。どうもネット世代の中国人の一部は、日米同盟を維持しつつ親中というのは親中にあらずと考えているようである。

日本の政権交代に、少しくらいは自国の状況を照らし合わせるコメントがあるかと思いきや、全くなかった。中国のネット掲示板では、仮に書き込みが国情に不適合な内容であれば、掲示板管理人が該当の書き込みのみを消して「この書き込みは消去されました」と表示されるのが常である。とすると、書き込みがあって消されたというわけではなく、誰も自国のことに触れる書き込みをしなかったということである。
「共産党」の単語を「gcd」「共 産 党」
と書き換えるネット作法
若者でにぎわう中国のネットカフェ

筆者自身、公の場所で、中国の若者と政治の話題をすると口をつぐまれ、こと共産党という単語を口に出すと「シーッ!」と話を止められることがたびたびあった。そのときの話題は中国政府や共産党の悪口的な内容ではないのだが、中国の若者にとっては、とにかく単語を公の場所で出すこと自体が御法度のようである。

中国の若者と書いたが、中高年と話したときはそこまで抵抗されなかったのである。ネット上では、「共産党」という単語を含んだ文章・ページだと消される可能性があると多くの経験豊富なネット利用者は認識しており、「共産党」の単語を中国語の発音の頭文字をとって「gcd」と変換して記載したり、検索されないように「共 産党」とスペースを空けたり、様々な方法で対策をとっている。例えば政治的な単語とgcdの単語で検索すれば、検索結果として多数のページが表示される。

ただ明確に中国政府や共産党をどう表現すればNGというルールは、法律などで明確化されてはいない。今年、文化部や工業和信息化部(工業および情報産業部)や国家広播電影電視総局の中国政府各省それぞれが、WEBサイトとオンラインゲームと漫画とネット上の動画それぞれに「暴力的・ポルノ的・反政府的・その他法律に反するコンテンツの禁止」を通達している。とあれば、そうした内容の書き込みは削除される、というのが暗黙の了解であろう。

インターネット回線の契約、携帯電話の契約、ネットカフェの利用など通信サービスの契約には身分証明書が必要であり、変なことをすればその発信元が容易に割れる。
政治の話題には触れないことで
弾圧されずネットを楽しみたい

中国の若きネットユーザーの、中国政府へのスタンスが見えた事件が6月末にあった。6月には中国政府によるPC用フィルタリングソフト「グリーンダム」の強制インストール騒動があったのを覚えているだろうか。施行予定日の7月1日の前日に強制インストール施行延期の発表があったが、その少し前となる6月下旬にブロガーからブロガーへ「2009匿名ネットユーザー宣言(2009匿名網民宣言)」という記事が次々と転載された。
2009匿名網民宣言

各ブロガーが訴えるこの宣言の文章は長いが、要約すれば「政府はネットをコントロールしようと躍起だ。ネットユーザーは政治には興味ないし、政府に迷惑をかけようなんて誰も思っていない。だからネットユーザーのことは放っておいてほしい」という内容だ。

すなわち多くの中国ネットユーザーは、ネット上で政治や政府の話題には触れない、中央政府に難癖をつけないというお作法を自ら身につけ、その上でネットライフを楽しんでいるということだ。中国の政治や政府にあえて触れないことで、快適なネットライフを送ろうと考えているのだ。そう考えれば、日本への感想しかなかった衆議院選挙での書き込みも、至極当然な反応なのだ。

万引きの動機

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若者「ゲーム感覚」、高齢者「孤独」 万引き動機見えた
2009年8月27日1時5分

万引きの動機で多いのは、少年少女は「ゲーム感覚」、高齢者は「孤独」。警視庁が逮捕・補導した1050人を対象に聞き取り調査したところ、こんな傾向が明らかになった。調査結果をもとに、同庁の委嘱で万引き防止策を検討してきた専門家による委員会(委員長=坂井昭宏・桜美林大教授)は26日、提言をまとめた。「万引きは犯罪」との認識を根付かせるには、店側がすべての被害を警察に届け出るべきだとし、警察には手続きの簡素化、迅速化を求めている。同庁は秋までに具体的な対策をまとめる方針。

生活安全部によると、聞き取り調査の対象は少年少女428人、65歳以上の高齢者204人、20~64歳の成人418人。調査結果によると、動機(複数回答)について、少年少女で多かったのは「ゲーム感覚」27%、「単に欲しかった」23%だった。高齢者では「孤独」24%、「特に理由なし」9%、「生きがいがない」8%が目立った。成人でも「孤独」16%が多く、「むしゃくしゃしていた」13%が続いた。

高齢者の90%が友人について「いない」「少ない」とし、48%が相談できる相手は「なし」と答えた。高齢者の50%が自分を「裕福」「普通」と答えた。成人では「困窮」「やや困窮」との回答が57%にのぼり、同庁は不況の影響もあるとみている。

同庁は、家電量販店、大型専門店街、大型ホームセンターなど6店について万引きの対応状況などについても調査。回答があった5店のうち3店はすべての被害を届けるとしたが、2店は被害状況によって通報すると回答した。

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