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ドイツ:ロマ差別、深刻化 総選挙まで半月、「右傾化」に揺れる

総選挙(27日投開票)を控えたドイツで、ロマ民族への差別が激化している。昨年の金融危機による不況が一因のようだ。ロマ民族を虐殺したナチス時代の反省から、他の欧州諸国に比べ露骨な差別が表面化してこなかったドイツだが、最近は暴力も目立ち始めた。ロマ民族は、排他主義をあおる「右傾化」への懸念を深めている。【ハイデルベルク(独南部)篠田航一】

◇雇用不安で暴力急増

「いきなり棒で顔を殴られ『出て行け』と怒鳴られた」。独南部マンハイム駅付近の路上で「物ごい」生活を送るロマ民族の男性、サールさん(23)の右ほお骨は紫色に腫れ上がっていた。今年7月、突然数人の若い男から襲撃された。腕も殴られたため記者に字を書いて伝える右手が今なお震えている。病気で働けなくなり、物ごいを始めて4年たつが、身の危険を感じ始めたのはここ1年という。

昨年の金融危機後、欧州では移民への反感が増大。今年6月の欧州議会選では、英国やオランダで極右勢力が台頭した。ハンガリーやチェコではロマ民族に対する放火や殺人が続発した。

迫害が他国ほど目立たなかったドイツでも「昨今の雇用不安が差別拡大を生んでいる」と、ドイツ在住のロマ民族で構成するシンティ・ロマ中央委のロマニ・ローゼ議長(63)は話す。昨年10月には、西部ケルンの放送局が制作したドラマの中で、ロマ民族の大人が子供に盗みを強制するシーンがあり、「メディアが差別を助長した」と同委は激しく抗議した。
◇各党「移民就労」訴え

「汚いロマを追放せよ」などと訴える人種差別的なドイツ語のインターネットサイトも急増、有害サイトを監視する団体の調べでは、08年だけで1700以上のサイトが確認できたという。

ツィプリース法相は7月、こうしたサイトを「ネット上から一掃しなければならない」と表明したが、有効策はないのが現状だ。欧州会議は5月、独政府に対し「住宅や教育面で、ロマ民族は差別に直面している」と状況改善を勧告した。

総選挙で、各政党は移民などの就労機会保障などを訴えるが、ドイツの右旋回を不安視する声も聞かれる。

福祉団体に勤めるロマ民族の30代の男性は「組織力がないロマ民族は、欧州保守化の雰囲気が怖い。90年代に猛威を振るったネオナチが今はネット空間に潜んでいる。だが政党は目に見える事例にしか取り組まない」と話している。

予想以上にヨーロッパは一つになってるのかな。ドイツのニュースがフランスやスウェーデンに即効で伝染しているよ。ヨーロッパの人々は国を超えてこの衝撃的な事件を共有している、と言ってもいい。一方日本じゃあまり話題になってないものね。この空間的な隔たりというか差っていうのは意外と大きいのかもしれないね。

欧州で偽の犯行予告相次ぐ、ドイツ銃乱射事件後

【3月14日 AFP】ドイツ南部ウィネンデン(Winnenden)で11日発生し15人が犠牲になった銃乱射事件以後、インターネットで銃乱射などの犯行を予告するいたずらが欧州各国で相次ぎ、13日までに4人が警察に逮捕されたり取り調べを受けたりした。

捜査当局は当初、11日の事件を起こした17歳の少年がインターネット上で犯行予告をしていたとみていたが、その後、そのような書き込みの証拠はないと発表した。一方で、同様の事件をほのめかすいたずらの書き込みは後を絶たない。

現場から数百キロ離れたドイツのニーダーザクセン(Lower Saxony)州の警察は、インターネットのチャットで類似の事件を起こすと書き込んだ21歳の男を逮捕した。この男は「ジョークだった」と供述しているが、最大3年の禁固刑あるいは罰金刑を受ける可能性がある。

フランスでは13日早朝、ジョークを扱うウェブサイトでパリ(Paris)郊外の学校で銃を乱射すると予告した18歳の男が逮捕された。オランダでも同日、米国のウェブサイトで銃乱射事件を予告した18歳の男が逮捕された。オランダで逮捕された男はIPアドレスで居場所を突き止められて自宅で逮捕された。

スウェーデンでは12日、武器を持った自らの写真を添えて学校批判のメッセージをインターネットに書き込んだ17歳の男が取り調べを受けた。

犯行から2日たった13日もウィネンデンは事件の衝撃に襲われたままだ。現場となったアルベルトビレ(Albertville)実科学校前には花が手向けられている。銃撃戦で負傷した警察官2人と、学校で銃弾を受けて負傷したり、窓から飛び降りて骨折した5人の児童はまだ入院している。アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相の報道官は、21日の追悼式典には首相も参列すると発表した。(c)AFP

銃乱射はアメリカの専売特許ではなかった。ドイツで起こった悲惨な銃乱射事件を報じたCNNのニュースです。犯人は中退した17歳の少年。殺害された15人のなかには生徒とともに教師も3人含まれています。

独学校で乱射、犯人は元生徒で射殺される 15人死亡と
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ドイツの学校で起きた乱射事件で逃走の犯人を捜索する警官

(CNN) ドイツ南部にあるウィネンデン町の学校で現地時間の11日午前9時半ごろ、迷彩の戦闘服姿の男が侵入しいきなり乱射、地元警察によると15人が死亡、複数が負傷した。重傷者もいる。犠牲者には教師3人、生徒9人が含まれる。

捜査当局によると、犯人は17歳の同校の元生徒で、犯行後に逃走、警察が同町を封鎖し、ヘリコプターなどを出動させて行方を追い、学校から約15キロ離れた地点で見付け、射殺した。

犯行の動機は不明。乱射は同校の2教室で約2分間続き、学校から逃走する際にさらに殺害したとの情報がある。車を奪い、運転者らを人質に、町の中心部の方向へ逃走していた。複数の武器で武装していたとの情報がある。

事件を受け、同学校の生徒は避難した。当時、約1000人が在校していた。学校は技術系で、中学校に相当するという。

人口が約2万8000人のウィネンデン町は、シュツットガルトから北東へ約20キロ離れている。

ドイツでは2002年4月、東部エアフルトの中高一貫校のギムナジウムで、短銃などで武装した男が乱入し、教師らに向かって銃を乱射し、教師14人と生徒2人が死亡、数人が負傷する事件もあった。容疑者は警官を射殺した後、自殺している。この事件などを受け、ドイツ内では学校の警備の在り方が議論されたが、今回の惨事で再燃しそうだ。