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不登校の子どもたちが「権利宣言」 価値観の尊重訴え
2009年12月5日

「子どもの権利条約」の国連採択から11月20日で20年を迎え、東京のフリースクールに通う子どもたちが「不登校の子どもの権利宣言」をつくった。学び方を選ぶ権利を求め「共に生きやすい社会を」と大人に呼びかけている。

前文と13の条文から成る権利宣言は、「東京シューレ王子」(東京都北区)に通う10代の子どもたち15人がつくった。

前文は「私たち子どもはひとりひとりが個性を持った人間です」と始まり、「子どもの声に耳を傾け、個々の価値観を尊重してください」と訴える。第1条にうたったのは「学校へ行く・行かないを自身で決める権利」。他にも「競争に追いたてたり、比較して優劣をつけてはならない」などやめてほしいことを挙げたほか、「他者の権利や自由も尊重します」と自分たちの気構えも盛り込んだ。「まずは権利の存在に気づかなければ」と、最後の第13条には「子どもの権利を知る権利」をうたった。

23日に「東京シューレ葛飾中学校」であったシンポジウムでは、権利宣言にかかわった13~16歳の4人が思いを語った。

きっかけは昨年春。ユニセフの活動や子どもの権利条約を紹介する施設を見学した際、「君たちは幸せだ。ご飯を食べられ、学校に行けて戦争にも駆り出されない」と言われたことだった。

重い言葉だった。自分たちを見つめ直そうと権利条約について勉強し、話し合いを重ねた。学校が合わなくて苦しんだ自分たちはどうしたらいいか。「甘えている」「わがまま」といった言葉にどうこたえればいいのか。

今年は全国の不登校の子どもが交流する合宿も20年の節目を迎えるため、自分たちの気持ちを宣言にまとめることにした。40時間の討議を重ね、最後は「へとへとだった」という。

参加した千葉県松戸市の工藤健仁(けんと)さん(16)は「他のフリースクールの生徒ともやりとりしながら自分たちに合うようさらに編み直し、広めたい」。宣言の全文は東京シューレのサイト(http://www.tokyoshure.jp/)で見られる。(上野創)

これってかなりすごいことだね。通信制ではなく、全日制の高校でも在宅学習を単位として認めると言うわけだ。ただしこの制度を利用できるのは事前に文科省の指定を受けた高校だけ。それにしても不登校生は全国で5万人もいるのか。かなり取り組まれている問題だけど、一向に改善の兆しがないのはなぜなんだろう。

不登校生の在宅学習に最大36単位=文科省
不登校になった全日・定時制高校の生徒を支援するため、文部科学省は6日までに、卒業に必要な74単位のうち最大36単位を在宅学習で取得できるよう学校教育法の運用を改めた。事前に文科省の指定を受けた高校が対象となる。不登校のまま留年、退学に追い込まれる生徒を減らす狙いがある。
同様の取り組みでは、政府の構造改革特区認定を受けた北九州市の私立高が2006年度から、20単位を上限に実施していた。文科省は先月末、単位数を拡大した上で全国の都道府県教委などに通知した。
在宅学習での単位認定を実施する高校は、実施科目、科目ごとの添削・対面指導の回数を盛り込んだ実施計画を作成。教委などを通じて文科省に提出し、あらかじめ指定を受ける必要がある。
対象生徒は、高校の用意した教材、NHK教育テレビなどを使って自宅で学習。通信制高校と同じく、担当教員による添削・対面指導、定期試験を経て単位が認められる。
例えば国語、数学などの4単位科目では、1年間で約12回の添削、4時間程度の対面指導を受けることになる。
不登校の高校生は07年度で約5万3000人。在宅学習が不登校の長期化、安易な単位認定につながらないよう、同省は、高校が教職員の体制を拡充させて丁寧な指導を行うことも求めている。(了)