子供時代のチョコレート摂取、成人後の暴力性助長も-英研究者
10月1日(ブルームバーグ):
チョコレートなどの甘い菓子を毎日食べる子供は、成人してから暴力的になりやすいとの研究結果が発表された。すぐに満足感を得られることが衝動的な行動を助長するためという。
英カーディフ大学の研究者らによると、10歳の時にこうした菓子類を毎日与えられた子供は、34歳までに暴力行為で有罪となる可能性がより高かった。研究結果は英国王立精神医学会の学会誌10月号に掲載される。
同医学会の発表資料によると、この研究は小児期の食生活が成人後の暴力性に与える影響を調査した初めてのもの。他の研究には、食品添加物と小児の過活動の関連性を解明したものがある。
今回の研究の中心となったサイモン・ムーア氏は9月30日、電話インタビューで、「子供に菓子を持続的に与えると、衝動的になり、欲しい物を攻撃的手段で入手しようとする傾向を生む可能性がある」と分析した。
1970年英国コホート研究を通じて選ばれた約1万7500人が研究に参加した。70年以降、数回のデータ集計が行われ、対象者の健康状態、教育、社会的・経済的状況と甘い物の摂取について、5、10、26、30、34、42歳の各時点で追跡調査された。
研究者によれば、他の条件を考慮した場合でも結果は同じだった。条件には5歳時の家での行動と母親の状況、教師の評価による10歳時の攻撃性と衝動性、お絵描きや言葉の習得から判断した5歳時の知能などを用いた。
我慢を学ぶ
34歳までに暴力性がみられた調査対象者の69%は、子供時代にチョコレートなどの甘い菓子類をほぼ毎日食べたという。ムーア氏は資料で、「子供に甘い物やチョコレートを恒常的に与えると、欲しい物を手に入れるのに待つことを学ばなくなる」という説明が有力だとした上で、「満足感を後回しにできないため、非行との強い関連性が指摘される、より衝動的な行動にかき立てられる可能性がある」と指摘した。
研究結果では、子供の食生活改善の目標を定めることが健康促進と攻撃性の低減につながるとしている。