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児童生徒による暴力行為、過去最多の6万件

児童生徒による暴力行為は、前年度から約13%、7000件増の5万9618件と過去最多を更新。器物損壊を除く暴力では4件に1件は被害者がけがをして医療機関で治療を受けており、感情を抑制できずにけがを負わせるような実態が浮かんだ。

調査は、文科省が都道府県教委を通じて実施。内訳は小学校6484件、中学校4万2754件、高校1万380件。形態別では、子ども同士が3万2445件で最多。対教師も8120件に上った。対人暴力のうち病院で治療を受けたケースを初めて調べた結果、1万664件に上った。

一方、いじめは8万4648件で、最悪だった06年度(約12万5000件)からは3割減った。「ネットいじめ」も前回から2割以上減の4527件。ただ同省は「学校が見逃している可能性がある」としている。

子供時代のチョコレート摂取、成人後の暴力性助長も-英研究者

10月1日(ブルームバーグ):

チョコレートなどの甘い菓子を毎日食べる子供は、成人してから暴力的になりやすいとの研究結果が発表された。すぐに満足感を得られることが衝動的な行動を助長するためという。

英カーディフ大学の研究者らによると、10歳の時にこうした菓子類を毎日与えられた子供は、34歳までに暴力行為で有罪となる可能性がより高かった。研究結果は英国王立精神医学会の学会誌10月号に掲載される。

同医学会の発表資料によると、この研究は小児期の食生活が成人後の暴力性に与える影響を調査した初めてのもの。他の研究には、食品添加物と小児の過活動の関連性を解明したものがある。

今回の研究の中心となったサイモン・ムーア氏は9月30日、電話インタビューで、「子供に菓子を持続的に与えると、衝動的になり、欲しい物を攻撃的手段で入手しようとする傾向を生む可能性がある」と分析した。

1970年英国コホート研究を通じて選ばれた約1万7500人が研究に参加した。70年以降、数回のデータ集計が行われ、対象者の健康状態、教育、社会的・経済的状況と甘い物の摂取について、5、10、26、30、34、42歳の各時点で追跡調査された。

研究者によれば、他の条件を考慮した場合でも結果は同じだった。条件には5歳時の家での行動と母親の状況、教師の評価による10歳時の攻撃性と衝動性、お絵描きや言葉の習得から判断した5歳時の知能などを用いた。

我慢を学ぶ

34歳までに暴力性がみられた調査対象者の69%は、子供時代にチョコレートなどの甘い菓子類をほぼ毎日食べたという。ムーア氏は資料で、「子供に甘い物やチョコレートを恒常的に与えると、欲しい物を手に入れるのに待つことを学ばなくなる」という説明が有力だとした上で、「満足感を後回しにできないため、非行との強い関連性が指摘される、より衝動的な行動にかき立てられる可能性がある」と指摘した。

研究結果では、子供の食生活改善の目標を定めることが健康促進と攻撃性の低減につながるとしている。

アフガニスタンの子供が今どうなっているか。誰にも想像できない。戦争と暴力が子供たちの心にどう刻印されるか。それを描けるのは唯一映画かもしれない。20歳のイラン人女性監督が撮った映画「子供の情景」がまもなく公開される。

映画:「子供の情景」のハナ・マフマルバフ監督 見えないもの見せるのが役目
◇暴力が子供にどのように影響するか描きたかった

イランのハナ・マフマルバフ監督が初の長編劇映画「子供の情景」のキャンペーンで来日した。1979年の旧ソ連軍侵攻以来、戦火と貧困に見舞われるアフガニスタンでロケを敢行した寓話(ぐうわ)的な作品。20歳の女性監督は「暴力が子供にどのような影響を及ぼすかを描きたかった。これは世界の問題」と語る。【中村一成】

「物心がついた時には映画があった」。父は「サイクリスト」などを手がけた巨匠、モフセン・マフマルバフ監督。家族5人のうち、実に4人が映画監督だ。ハナはなんと8歳で“嫉妬(しっと)”をテーマに短編映画を撮影。13歳の時のドキュメンタリー「ハナのアフガンノート」はベネチア国際映画祭のコンペティションに出品された。これは史上最年少記録だった。

「テーマを一つに絞り切り、現段階での自分のすべてを注ぎ込む」という。今回のテーマは「暴力」だ。学校に行こうとする少女が戦争ごっこに興じる少年たちに行く手を遮られる。大仏が破壊された跡の空洞や、少女が少年たちに奪われるノートの使い方が絶妙だ。「常に暴力の渦中にあったアフガンは、テーマが肌で感じられる場所だった」

原題の「仏陀(ぶっだ)は恥辱のあまり崩れ落ちた」は、父のルポルタージュと同じタイトル。バーミヤンの石仏は戦火と飢えに苦しむ人々を救えない無力を恥じて自ら崩れ落ちたという意味で、石仏爆破事件の隠喩(いんゆ)だ。それは現実に無関心を決め込む“世界”への問いかけである。「見えないもの、見ないふりをしているものを人々に見せるのが映画監督の役目だと思う」

18日から東京・岩波ホールで上映。その後、各地で順次公開される。