ついに来たか、と言う感じだね。「ニート」を受け入れて、社会復帰のためのプログラムを与える。ひょっとしたら、今の社会もっとも必要としている学校かもしれない。ただし、ニートたちがすんなりと「卒業」してくれるかどうかは別の話だけどね。そこまでこの学校は面倒見てくれるのかな。
若者自立支援:東京と埼玉の専門学校、「ニート」学科で「自分探しの1年」
◇まず「対人関係構築」からニートやフリーター予備軍の若者を対象にした学科が今月、東京都江戸川区とさいたま市の専門学校に新設された。1年課程のカリキュラムを通じて、対人関係を築けるよう導き、就労や就学の意欲を持たせる狙いがあり、「自分探しの1年」がキャッチフレーズ。専門学校が若者の自立支援に乗り出すのは全国でも初めてという。【川崎桂吾】
新設されたのは、キャリアデザイン・コミュニケーション科(CC科)。東京スポーツ・レクリエーション専門学校(東京都江戸川区、定員40人)と姉妹校の埼玉福祉専門学校(さいたま市、同)に設置される。
このうち東京のCC科には7日に13人が入学予定。大半が専門学校や大学を中退した若者だという。厚生労働省の調査によると、ニートの若者に共通する特徴として、コミュニケーションに対する苦手意識が挙げられる。人間関係のつまずきが中退につながり、結果、フリーターやニートになってしまうケースも多い。
CC科ではこうした調査を踏まえ、最初の1カ月間を「対人関係の構築期間」ととらえる。
1クラス10人前後の少人数制をとり、「イニシアチブゲーム」(仲間作りゲーム)と呼ばれる教育プログラムを導入。「どうしたら狭い台の上に全員が立てるか」といった課題を与えられ、チームで問題解決を図るという具合だ。仲間同士で話し合ううち信頼や友情関係が芽生えるという。
同校によると、他の学科で仲間作りゲームを試したところ、毎年平均2割の中退者がゼロになった。学科長の伊藤忠男さん(41)は「良好な人間関係が仕事や勉強を続ける上での基礎になる」と強調する。
キャリア教育に移るのはゴールデンウイーク明け。仲間づくりゲームと並行しながら、他学科や系列校の協力を得て介護やヘアカット、製菓といった実習中心の授業を進め、企業や福祉施設での職業体験を通じて進路を考えさせる。
運営に協力する若者支援のNPO「コトバノアトリエ」(豊島区)の代表理事、山本繁さん(30)は「対人関係に不安があったり、将来に目標を持たない生徒を無理に進学させても中退してしまう。人よりも1年遠回りすることになるが、次のステップに立つための学校に通わせる意味は大きい」と話している。