先日大阪府の富田林市でも高校生同士の殺害事件があったばかり。高校生のイメージがさらに悪化しそうだね。駅のホームで喫煙している高校生を見つけても注意する人はいなくなるかもしれない。

いったいこの二人に何があったのか。詳細は報道されてないけど、かつての友達同士の仲がとことんこじれて、どちらかが転校を余儀なくされたという話はよくある。

最近の傾向としては、友人とべったりしていないと不安になる高校生が増えているのではないか。だから身内だと思っていた友人の何気ない言葉に深く傷ついたり、激昂してしまう。

それは彼らが一人一人自立し、友達と対等の関係を築くことができなくなってきているということの裏返しではないだろうか。

自制しながら適度な距離感を保つという大人の付き合い方を彼らはどこで学べばいいんだろう。少なくとも学校がそういう場でなくなってきているということなのか。

「登校前に決意」逮捕の高3供述…同級生殺人

奈良県桜井市桜井の近鉄桜井駅名古屋行きホームで、4日朝、同県橿原(かしはら)市山之坊町、私立高校3年の浜田知哉(ともや)さん(18)が、同じ高校に通う3年生の男子生徒(17)に、腹と背中を包丁で刺され、死亡した事件で、浜田さんの死因は失血死で、腹部の刺し傷が致命傷だったと見られることが桜井署の調べでわかった。

「ホームの階段付近で待ち、後ろから刺した」。捜査関係者によると、殺人未遂容疑の現行犯で逮捕された生徒は、取り乱すことなく、淡々と応じている。今のところ後悔や謝罪の言葉は話していないという。動機については「最近、浜田さんが約束を守らず、殺すつもりで刺した。約束の内容は話したくない」と語った。さらに、4日朝、登校前に「今日、通学途中に殺そうと決め、通学かばんに包丁を入れた」と話しているという。同署は殺人容疑に切り替えて、さらに詳しく調べる。

生徒は両親との3人家族。高校ではバレーボール部に所属していた。刺殺された浜田さんとは同じ中学で、2年生頃から仲が良かったという。

2人の同級生によると、生徒は活発なタイプで、浜田さんとは高校に入ってから同じクラス。生徒が「浜ちゃーん」と呼んだり、放課後に2人で話をしたりしていたという。

しかし、2年生になって次第に関係が悪化。けんかをするようになり、最近では生徒が浜田さんに体をぶつけるなど、嫌がらせもあった。「卒業後に(浜田さんを)ぼこぼこにする」と言ったこともあったという。同級生は「2人の仲が悪いのは知っていたが、まさか殺人なんて。まだ死を実感できない」と語った。

学校によると、浜田さんは今年3月、生徒から暴力を受けたと担任に相談。学校側は2人から数回話を聞き、暴力をやめるよう生徒を指導したという。
(2009年7月4日23時30分  読売新聞)