Archive for 2009年7月22日


デキ婚急増

「デキ婚」が多発中  新婦の3、4割が「妊娠」
2009/7/16

俳優の佐藤隆太さん(29)の「デキ婚」の話題がメディアを賑わせている。もっとも、これは芸能人だけの話ではなく、ウエディング会社によると、新婦の3、4割が妊娠しているそうだ。今や「デキ婚」など当たり前の時代だ。
厚生労働省の調査では26.8%が結婚前にできた子ども

俳優の佐藤隆太さんは2009年7月14日に記者会見を開き、23歳の一般女性と結婚すると報告した。佐藤さんは最近まで婚活を題材にしたフジテレビ系ドラマ「婚カツ!」に出演していた。また、婚約者はすでに妊娠しているという。

子どもができた後に結婚することを、「できちゃった結婚」とか、短くして「デキ婚」という。最近では元モーニング娘。の辻希美さん、同グループでリーダーを務めた飯田圭織さん、元女優のダルビッシュ紗栄子さん、ダウンタウンの松本人志さんなどの例がある。

厚生労働省「07年人口動態統計」によると、婚姻関係にある男女から生まれた第1子は50万7276人だった。このうち結婚期間が「9カ月以下」で生まれたのは13万6271人で、全体に占める割合は26.8%だ。妊娠期間はおよそ10カ月なので、結婚前にできた子どもと推測できる。

妊娠中の新婦も増えている。

ファーストアドバンテージ(東京都港区)ウエディング事業部「LADIRB(ラディーブ)」の杉浦泰治さんは、

「最近では妊娠中の新婦が全体の3割を占めると思います」

と明かす。

兵庫県のウエディング会社デコルテも「新婦の4割が妊娠している」と話していて、珍しいものではなくなっている。
ブライダル業界では「おめでた婚」「授かり婚」「エンジェル婚」

デキ婚が市民権を得つつあるが、避妊のミスで子どもができちゃった、というネガティブなイメージもある。そこでブライダル業界では数年前から、「おめでた婚」「授かり婚」「エンジェル婚」などと言い始めている。

「デキ婚」をサポートするサービスをしているLADIRBでは「ママ」と「マリッジ(結婚)」を組み合わせて、「ママリッジ」と呼んでいる。結婚情報誌「ゼクシイ」(リクルート)では「ダブルハッピー婚」と呼んでいる。結婚と赤ちゃんを授かったことで、2つの幸せ(ハッピー)という意味だ。

リクルート広報部ゼクシイ担当者は、

「式を挙げても入籍しない事実婚などのようにカップルの形が多様化していて、できちゃった結婚もその1つとして認知されるようになっています。引け目を感じているカップルはほとんどいません。その一方で、デキ婚という悪いイメージのある言い方が残っていてギャップがあるので、新しい名前で数年前から呼んでいます」

と説明する。

妊婦専用の結婚式プランを用意している式場も増えている。

「お腹周りがゆったりとした作りのドレスを用意したり、階段やちょっとした段差がない会場もあり、環境を整えています。つわりで突然吐いてしまうこともあるので、新婦の前のテーブルの下にバケツを置いたり、スタッフが飲み物やタオルをその都度差し出す体制にしているところもあります。今では(妊婦のウエディングが)結婚式のプランの1つになっています」

「イライラする」若者60%超える…国民性調査

仕事や生活が原因でイライラを感じている20歳代、30歳代の人が増加し、60%を超えたことが16日、大学共同利用機関「統計数理研究所」の全国調査「日本人の国民性」でわかった。

増加傾向は1993年調査から続いており、同研究所は「バブル崩壊後に続く景気低迷の影響」とみている。職場の人間関係を見直したり、家族を大切にしたりする傾向もうかがえ、閉塞(へいそく)感を覚えつつ、心のよりどころを模索する今の国民像が浮かぶ。

調査は1953年から5年ごとに実施。今回は昨年10~11月、20~79歳の6400人を対象に調査した。回収率は52%。

「この1か月間でイライラしたことがある」と回答した人の割合は、20歳代が63%(前回2003年比6ポイント増)、30歳代が62%(同)と初めて60%を超えた。40歳代の57%(前回比9ポイント増)を含め、過去15年間で最も高い数字だ。これに対し、50歳代から70歳代までの世代は30~40%台だった。

イライラ感は、バブル崩壊後の93年から98年の5年間は全世代で増加していたが、03年以降、50歳以上の世代はほぼ横ばいにとどまっており、若年世代のストレスの大きさが浮き彫りになった形だ。

また、バブル期に70%を超えていた「生活水準は良い」との回答は今回、49%(前回比1ポイント減)と過去最低を更新。「今後貧しくなる」は57%(同10ポイント増)と過去最悪だった。

人間関係について、「仕事外でも上司との付き合いがあった方がいい」とする回答は、高度成長期の73年調査の72%から98年調査では55%と大幅に減っていたが、今回は20歳代65%、30歳代63%と復活。好きな上司として、規則を曲げても無理な仕事をさせるが、仕事外でも面倒見の良い「人情課長」タイプを答えた人も25年ぶりに増加して81%(前回77%)だった。

心のよりどころを求める傾向は全世代共通でみられ、一番大切なものに「家族」をあげた人は過去最高の46%(前回比1ポイント増)。「あの世を信じる」は第2回調査(58年)の2倍近い38%だった。
(2009年7月17日03時03分  読売新聞)