受験生にとってはおいしい話だと思うけどね。早稲田のブランド力を考えれば、この結果はちょっとビックリだ。

大阪の経済地盤の沈下がそれほど深刻なのか。記事にあるように私学離れが急速に進んでいるのか。いずれにしても私学関係者にとっては衝撃的な出来事かもしれない。

しかし、早稲田にしろ、立命にしろ昨今の受験生囲い込みにはうんざりだね。ブランド力を盾になりふりかまわず子供をかっさらってゆく。予備校の全国戦争みたいなものだよ。あまりに露骨に子供を商品扱いしてる。

今の日本の大学のあり方は理想型でもなければ、完成型でもない。日本の風土から生まれた偶然の産物だと思う。現在の形にこだわらず、早稲田草創期のような、型破りで未知数なエネルギーを取り戻して欲しいね。

関西では有名大学ブランド通用せず?
2009.7.15 20:30

少子化の荒波の中、有名私大と提携し、ブランド力で生徒を確保しようともくろんだ私立高校が、思わぬ苦境に立たされて方針転換を迫られている。初年度から志願者が定員を大きく下回り、目算が外れたためで、各校は入試の多様化やカリキュラムの充実などで巻き返しを図ろうと懸命だ。だが大阪では橋下徹知事の肝いりで公立高校のハイレベル化が進む上、不況の追い打ちもあり、打開への道のりは険しそうだ。

今春から私学の雄・早稲田大学の係属校となった早稲田摂陵中学・高校(旧摂陵中・高、大阪府茨木市)。期待された初年度の入試結果は、学校関係者にとって「思いもよらない結果」だった。

同校では、平成23年度に卒業する1期生で、40人程度が早大に進学できるのが最大のアピールポイントだった。設定した定員は245人だったが、受験者は37人(競争率0・15倍)にとどまり、今春実際に入学したのはわずか17人。昨夏に早大との提携を発表し、秋の入試説明会には前年の2倍以上の参加が集まり“早稲田効果”を実感していただけに、学校側の衝撃は大きかった。

早大と提携したことで受験関係者が偏差値を10ほど高く評価した影響で敬遠されたことや、昨秋以降の景気低迷が要因とみられるが、「提携発表からのわずかな期間で、早大に進学できるという魅力を十分に発信できなかった」という反省もある。

大阪府内の大手学習塾の担当者も「早大のブランド力が落ちたのではなく、生かし切れていなかったのでは」と分析。学校側が「早稲田」の看板を得たことに安心しきって、情勢を読み切れなかったのではという見立てだ。

同校は幅広く生徒を募集しようと、さっそく路線転換を図り、22年度入試から自己推薦方式を採用したり、東京や他地域でも試験を行うことなどを決めた。だが不況で保護者の財布のヒモが固くなる中、学費の高い私学を選び、さらに早大に進学した場合の費用負担を考えると先行きには不透明感が漂う。

立命館大と提携した初芝立命館高校(旧初芝高、堺市)も、初年度だった今春の入試は、同大学への進学コースでも定員240人に対し入学者は96人だった。竹中宏文校長は「大学が全入時代を迎えた中で、大学に進学できるというだけで生徒を集められる時代ではないと実感した」。同校ではより魅力的な授業や、きめ細やかな指導を行うなど、カリキュラムの充実を進めることで巻き返しを図る。

ただ別の大手進学塾の担当者は「首都圏と違い、大阪はもともと公立志向が強い。経済状況も不安定な中で、簡単にはブランドに飛びつかない」と話す。

苦境にあえぐ私学を尻目に、府立高の競争率は年々上昇している。各校で進めている特色作りに加え、不況の影響もあり、21年度の全日制後期入試の競争率(1・23倍)は17年度を0.1ポイント上回った。

さらに23年度からは、橋下知事が旗振り役となった府立高エリート化構想に基づき、難関大への進学を目指す「進学指導特色校制度」も10校で始動する。「10校の存在は、有名大学への進学をウリにする私立にとって大きな脅威になるはず」と大手塾の担当者。「有名大ブランドの魅力は大きいが、最終的には保護者は安さや近さといった実をとるのでは」と、先行きの厳しさを指摘した。