この産経新聞の「ケータイ」シリーズ、結論ありきの記事が多くて取り上げる気がしなかったけど、今回のは面白い。

部活にケータイは必須ということだが、これに肯いている学校関係者は多いと思う。緊急の日程変更や欠席連絡など、固定電話ではできないことをいとも簡単にやってくれる。

ある意味生徒達がケータイをツールとして使いこなす格好のシチュエーションだよ。こうした経験を積み重ねて、やっていいこと悪いこと、みんなを不愉快にさせることなどを学ぶんじゃないかな。

いまどきケータイも使えないような高校生が就職できるだろうか。大人社会がどっぷりケータイに浸かっている以上、子供たちをケータイから引き離せばいいという議論はどう考えても不自然な気がする。

【風(10)子供のケータイ】クラブ活動の必須アイテム
2009.7.7 11:42

学校によっても事情が異なるようだが、中学校や高校のクラブ活動の連絡で、携帯電話のメールを活用している人たちは多いらしい。以前、高校の野球部監督をしていた男性からのメールにはこう書かれていた。

《土日には練習試合をするのですが、日程調整などのために、双方のチームのマネジャー同士が携帯電話でやりとりをするのが当たり前です。私は外部指導者でしたが、キャプテンやマネジャーとも携帯で連絡を取り合っていました。実際にはこうしたことが、定着しているんです》

練習の場所や日程などを大人数に連絡するのに、一斉メールは便利。天候の都合で突然練習が中止になった場合や、急に会場の変更になったなどの事態にもすばやく対応できるという。

「いまやクラブ活動の必須アイテム」と話してくれた人もいた。こうした状況で、「友達とメールで遊びたいから携帯を持ちたい」と子供に言われたら「許可できない」と答える保護者も、「クラブの連絡用に」と言われると許すケースもあるようだ。

また、ある学校関係者は、「いまの子供たちは携帯メールの方が素直に気持ちを打ち明ける。悩みや心配事をメールを通じて担任教師に伝えてくれたことがきっかけで、適切なフォローができたこともある」と話していた。携帯メールは子供たちのコミュニケーション手段としてすでに定着している側面もあるようだ。

では子供たちは実際、どう思っているのだろうか。「風」に寄せられている意見は賛否は分かれているが、圧倒的に保護者からだ。数少ない子供からのメールに、15歳の男子生徒のこんな声もあった。いまどきの中高生では少数派もしれないが紹介しておく。

《携帯は持ってません。学校でも塾でもほとんどの友達が持っています。内心ほしいなと思うときもありますが、親の考えで持たせてもらえません。自分のために言ってくれていると思い、我慢しようと思います。友達との連絡はパソコンと電話で間に合ってます。携帯が絶対に必要かというとそうでもありません》